取材にご協力いただいた方
運営管理本部 THE GRAND HALLリーダー 萩原 通友氏(写真:前列右)
運営管理本部 日本橋三井ホール 担当 若林 けい氏(写真:前列左)
運営管理本部 マーケティング担当のみなさま(写真:後列)
株式会社マグネットスタジオ http://www.magnet-s.biz-web.jp/
・設立:2000年4月
・業種:多目的ホール・イベントホール・貸会議室・ライブハウスの運営
・利用目的:顧客の一元管理/顧客フォローアップ活動の自動化
獲得した2万7,000件ものリードへ、適切にアプローチしたかった
株式会社マグネットスタジオ 萩原様
(http://www.magnet-s.biz-web.jp/ )
東京都内を中心に11会場の多目的ホールや劇場、貸し会議室といったイベント施設の運営管理を手掛けている株式会社マグネットスタジオ。競合他社では音楽ライブ専門やビジネスイベント専門といった、専門ジャンルでの施設運営を行なっている企業が多い中で、同社では多様化する顧客ニーズを受け、施設の用途に偏ることなくエンターテインメントからビジネスまで幅広い客層をターゲットとしていることが特徴だ。
そのため、イベント施設の利用者を獲得するためのマーケティング施策は本社が一括して行うのではなく、各イベント施設にそれぞれマーケティング担当がいる体制となっている。
「弊社マーケティングチームのメンバーは、各施設で営業している担当者が集まった形となっています。顧客ニーズを汲み取ったり、最新のトレンドに合わせたイベント企画の提案をすることができるというスピード感が、この体制の強みです」(萩原氏)
これまで、同社のマーケティングチームでは、インターネット広告や業界のポータルサイトへの出稿やDM(ダイレクトメール)施策を行ない、そこで獲得したリードに電話による営業でクロージングしており、新規顧客の獲得が施策全体の目標であったという。
順調に新規顧客の開拓を進めていく中で、初めてMAツールを導入した背景にはどのような課題があったのだろうか。
「新規の顧客開拓が進み、およそ2万7,000件のリード数を獲得することができました。新規顧客向けのマーケティングは上手くいった反面、すでに獲得したリードや一度施設を利用した既存顧客へのアプローチが足りていないと感じるようになったのです。
新規顧客を開拓するよりも、既存の顧客リストにメルマガを配信するといったアプローチのほうが有効と考え、やるべきであると判断しました。そこでメルマガ配信を効率化できるように、『SATORI』とは別のMAツールを導入することになりました」(萩原氏)
MAを導入したものの、コスト増と効果測定、「kintone」との連携が課題に
株式会社マグネットスタジオ 萩原様
当初はメルマガ施策を最低限のコストで実施するためにMAツールを導入したものの、管理するリード数に応じた課金モデルであったことで想像以上にコストが嵩むようになったという。当初は3万円台のスタートであったが、1年後には月額が8万円を超えたことで、同じ価格帯でより多機能なツールの導入を検討しはじめた。
「1つ前のMAツールで感じていた課題は、大きく2点です。1点目は効果測定があまりできていなかったこと。電話でのアプローチの結果がどうであったのか、使用ツールがそれぞれ独立していたため顧客ごとの管理が一気通貫でできていませんでした。
もう1つの課題が他社ツールとの連携、具体的には業務改善のプラットフォームに使用している『kintone』との連携ができていないことでした。名刺管理サービス『Sansan』も活用しながら、顧客リストをデジタルで管理することはできるようになっていましたが、導入していたMAツールと『kintone』がAPI連携できていないため、各拠点の顧客リストをExcelに一度抽出し、手入力で修正したうえで『kintone』のフォーマットにあわせてアップロードするという手間が発生していました。
誤字脱字をチェック、修正したり、11拠点すべてのデータをまとめたりせねばならず、結局その作業だけで丸1日は潰れてしまっていました。私も現場での仕事が発生することもあるため、効率化できないかと考えていたのです」(萩原氏)
MAツール内で顧客の管理やマーケティング効果の測定ができ、かつ「kintone」とのデータ連携ができるMAツールを再選定する中でセミナーをきっかけに「SATORI」を知り、導入を進めることになった。
「『kintone』との連携予定があり、10万円台でメルマガ以外にも機能が揃っていたMAツールは他にはなく、『SATORI』一択でした」(萩原氏)
「kintone」と「SATORI」の連携で、顧客フォローアップ活動を自動化
株式会社マグネットスタジオ 萩原様、若林様
ツールでできる機能が増えたこともあり、社内でマニュアルやメルマガのテンプレートを作成して品質を一定に保つ仕組み作りを行い、11の拠点にいる現場の運用担当者がツールを扱える体制を整えることになった。
「『SATORI』の導入にあたって、営業担当の方には非常に助けられたのを覚えています。担当者の方にメールを送り、疑問に感じた設定箇所についての助言をもらうことができました。カスタマーサポートの方だけでなく、営業担当の方もマーケティングの専門的な知識とノウハウをお持ちなので、導入前後のサポート面も安心でした。また、『SATORI』の上で公開されている活用支援サイトと利活用セミナーは特に参考になったと思います」(若林氏)
導入時期と新型コロナウイルスの感染拡大が重なってしまったことで、イベント施設業務の一部休止を余儀なくされた。その一方で、メルマガ配信やMAツールの設定に時間を使うことができた。また、以前のMAのツールで課題に上がっていた「kintone」との連携も、この時期に進められた。
「メルマガをクリックした人たちをタグ付けし、顧客データを『kintone』の電話営業アプリと連携させ、顧客と電話で話した内容を記録し、今後のアプローチ改善に活かしていく段階に入っています。
以前はデータを連携させるだけで1日かかっていましたが、現在では自動で連携されているため、こちらで何か作業を行なう必要がなく、ここにかかっていた工数は0になりました」(萩原氏)
「kintone」とのツール連携をきっかけに顧客との接点を増やし、顧客にあわせたアプローチを行なっていく予定だと萩原氏は語る。
「『SATORI』の中で顧客ごとのデータを参照し、スコアや行動履歴をベースにアプローチを変えていくことを考えています。具体的には、顧客のシナリオやキャンペーンを作り、よりイベント施設の利用に興味があるホットな顧客リードを中心に電話営業をしていきたいですね。
また、『kintone』と連携することでタイムリーに現場で対応できるようになったので、ただ電話するだけでなく電話した内容をツール上で記録し、後日問い合わせがきた際に情報の連携ができるように紐付けていくことも考えています。こうした『kintone』と『SATORI』の連携によって、顧客接点を増やしていきます」(萩原氏)
各施設に合わせたメルマガテンプレート
コロナ禍で高まる、マーケティング活動への期待
株式会社マグネットスタジオ 萩原様
導入からまだ日が浅く、新型コロナウイルスの感染拡大の時期と被ってしまいながらも、「SATORI」の導入によって同社のマーケティングには変化が出てきたという。
「私も他のマーケティングメンバーと同じく1つのイベント施設の運営を担当しながら、全社のマーケティングを俯瞰して推進してきました。以前は現場の業務に手一杯になることもあり、しっかりマーケティング施策の立案と推進に向き合うことが難しかったのです。
新型コロナウイルスでこれまでのような営業スタイルができなくなったことで、社内からのマーケティングチームと『SATORI』に対する期待がかなり高まっていると感じています。
それを受けてマーケティングチームのメンバーもモチベーションが上がっており、改めてこの取り組みをした甲斐があったなと思いますね」(萩原氏)
顧客の変化にあわせて、マーケティング活動も柔軟に変化させていく
株式会社マグネットスタジオ 萩原様
新型コロナウイルスの感染拡大により、イベント業界は大きく様変わりしている。それは同社のマーケティング・営業活動も同様であり、より顧客のニーズを把握し、イベント施設側からのアプローチが必要になったのだという。
「以前は顧客から『こんなイベントにしたい』と言われることが多かったのですが、コロナ禍をきっかけに施設側から積極的なイベント内容の提案が必要になったと感じています。コロナ禍でどのようなイベントができるのか、どのように設計すればよいのか、こちらから電話やメールで伝えなければ、ご担当者様は自信を持ってイベントの開催を決めることが難しいのです。
例えばオンライン配信とオフライン会場を使うといったハイブリット型でイベントを開催したり、感染症対策の徹底方法であったり、安心してイベントを開催するための情報を、メルマガで配信してあげることで、イベントの企画をご依頼いただけると考えています。
感染症対策を徹底して運営をしております。
そうした顧客の変化にあわせて、『SATORI』のシナリオ機能や見込み顧客の分析を行ない、自然な接点を増やした上で積極的にアプローチしていきたいと考えています」(萩原氏)
コロナ禍の影響は未だに続いており、取材に応じていただいた2020年11月現在でもイベント開催には人数制限が政府から要請されている。最後に、厳しい状況の中で同社の今後の展望とマーケティングへの期待について伺った。
「新規のイベント施設の企画も少しずつ進むようになり、必ず経済は立ち直るという考えを持っている方はすごく多いと感じています。コロナ禍が落ち着いたころに成果を出せるよう、引き続き『SATORI』でマーケティング活動を進めていきます。そして、マーケットが変わった潮目を逃がさずに、しっかり顧客にアプローチしていきたいですね」(萩原氏)
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