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- 2023-2-27
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- Agile Wind Power, Vertical Sky, ブレード, 再生可能エネルギー, 分散型発電, 国際規格(IEC 61400), 垂直軸風車, 大型風車, 学術, 騒音
スイスのAgile Wind Powerが、騒音や動物への被害が少なく、エネルギー出力が大きい垂直軸風車「Vertical Sky」を製造している。
Vertical Skyは、750~1500kWの出力を持つ、高さ105mの垂直軸風車で、大型風車に対する厳しい国際規格(IEC 61400)を満たしている。25年以上の連続運転に耐える丈夫な設計であり、耐久性にも優れる。回転するブレードの取り付け角をリアルタイムで風向きに合わせて最適化する機能を持っているため、回転速度を低く保ち、従来の風車に比べ騒音を3分の1に低減できる。同技術は、特許取得されている。
これまでも小型の垂直軸風車は設置されていたが、回転するブレードは固定されており、回転速度は高速であった。Vertical Skyでは、低速回転が可能になったため、遠心力は小さく、構造体にかかる負担は少なくなった。その結果、メガワット級の風車が可能になったのだ。さらに、風車のゆっくり回るブレードは、動物に認識されやすいため、ブレードに傷つけられる鳥やコウモリを90%減少させるとのことだ。
また、Vertical Skyは、輸送と設置、運転、メンテナンスが容易なため、従来風車と比べて、保守努力を70%、運用資材を30%カットできるという。設置に特別な資材が必要なく、稼働中の騒音が小さいため、これまで風車を設置できなかった場所にも風力発電が可能となる。例えば、住宅地や工場、スキー場、キャンプ場、遊園地、山地、島などが挙げられる。スイス連邦鉄道の調査によると、Vertical Skyは、風力発電に使用できる地域を従来風車の4倍に拡大できるという。さまざまな未開発の地域での分散型発電として、再生可能エネルギーの需要増に応えることが期待される。
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