積層セラミックコンデンサ(MLCC)の大容量化技術には、誘電体層を薄くして電極間距離を狭くする「薄層化技術」と、積層数を増やして総電極面積を大きくする「多層化技術」があります。
産総研では、従来のBTOを誘電層とするMLCCを誘電層で10分の1以下、電極層で100分の1以下まで薄型化することに成功しています。また、薄型化によって生じる不揃いなBTO粒子間の隙間に金属が侵入することで起こるリーク電流については、多層グラフェンを電極層として用いることで低減できることもわかっています。
TDKは、同形状で約1000倍の大容量化、同容量で約100分の1の小型化を達成しています。また、村田製作所は、独自のセラミック素子および内部電極の薄層化技術の確立により、従来品に比べ、実装面積比で約65%の小型化、約2.1倍の大容量化を実現しています。
積層セラミックコンデンサは、複数の絶縁層と電極層を交互に積み重ねた構造をしています。LSIの高周波化に伴い動作安定のために数多く使われており、急速に高周波化するLSIに対応するため、新しい構造の電極設計や材料の開発が積極的に進められています。
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