2017年10月8日日曜日

鉄のように硬い「人工クモ糸」、理研が合成 石油製品を代替へ

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http://www.itmedia.co.jp/news/spv/1701/23/news075.html

鉄のように硬いクモ糸を化学的に合成する方法を理研が開発。微生物などを使ってクモ糸を再現する方法と比べると、低コストで大量生産が可能という。

 理化学研究所(理研)は1月19日、鉄に相当する強度があるクモ糸を再現したポリペプチドを、化学的に合成する方法を開発したと発表した。石油由来の高強度材料の代替品を、低コストで大量生産できる可能性があるという。
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クモ糸は「ポリアラニン配列」(図の赤い配列)とグリシンを多く含む配列(黒い配列)が組み合わさった構造を持つ
 クモの糸は軽量かつ強靭で、自動車用パーツなどに応用が期待されている。だが、クモは肉食性で共食いをするため、カイコのように飼育できず、天然のクモ糸を大量生産することは難しかった。微生物を使ってクモ糸に近いタンパク質を合成する方法もあるが、生産効率が低い上にコストが高く、大量生産には不向きだった。
 研究チームは、生物を使わず、化学的にクモ糸を合成する方法を確立。まずアミノ酸エステルを材料に、硬い構造と柔らかい構造の2種類の「ポリペプチドブロック」を合成。これらを交互につなぎ合わせ、クモ糸タンパク質の配列に近い「マルチブロックポリペプチド」を作り出した。合成したマルチブロックポリペプチドの構造を調べたところ、クモ糸と類似した立体構造を確認したという。
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ポリペプチドブロックを作成し、交互につなぎ合わせてクモ糸の立体構造を再現した
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マルチブロックポリペプチドの原子間力顕微鏡画像(1ナノメートルは10億分の1メートル)
 この技術を応用すれば、微生物合成法よりも低コストで、大量のポリペプチドを作れるという。研究成果は、米科学誌「ACS Macro Letters」(電子版)に1月17日付で掲載された。

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