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2021年07月16日 03:30 時事通信社
写真 実験で誕生したマウスの子ら。胚性幹細胞(ES細胞)から再生した卵巣組織の卵子を通常の精子と体外受精させ、仮親に移植して誕生した(林克彦九州大教授提供) |
林教授らはこれまでに、ES細胞や人工多能性幹細胞(iPS細胞)を生殖細胞に変える技術を開発したが、卵子まで成熟させるには、マウスの卵巣に移植するか、胎児から採取した卵巣と一緒に培養する必要があった。今回、ES細胞から卵巣を構成するさまざまな細胞を生み出すことができ、卵子を含む卵巣組織をほぼ再生。ES細胞だけから実験容器内で卵子を作れるようになった。
ES細胞は胚(成長した受精卵)の一部を採取、培養して作るが、皮膚などの体細胞に遺伝子群を導入して作るiPS細胞からも、卵巣組織を再生できた。
林教授は記者会見で「今後はサルや人で実現を目指す」と話した。その上で「人のES細胞やiPS細胞からできた卵子を不妊治療に直接使うのは国の指針で禁止されているが、胎児段階の卵巣形成過程を詳しく解明し、不妊や卵巣の病気の原因を究明して治療法を開発するのに役立つ」と説明した。
一方、ES細胞などから精子を作る研究では、現時点では精子のもとの細胞にしてから精巣に入れる必要があるという。
この技術は絶滅の危機にある動物を増やすのにも使える。林教授は高齢の雌しか残っていないアフリカの「キタシロサイ」を救う事業に取り組んでおり、iPS細胞から卵子を得られる可能性があると語った。雄は死滅したが、凍結保存された精子がある。将来、受精させて近縁のミナミシロサイの雌に移植し、キタシロサイの子を誕生させる道が開けた。
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