2021年10月31日日曜日

HPEが構築、AMDのCPUとGPUを搭載。工業大学がCPU×GPUのスパコンを導入 なぜ「GPU」なのか?2021年9月16日

スウェーデンの工業大学Royal Institute of Technologyでは、スーパーコンピュータの刷新が進んでいる。新しいスーパーコンピュータはCPUとGPUを積載するという。その理由とは。

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 スウェーデンの国立研究機関Swedish National Infrastructure for Computing(SNIC)はHewlett Packard Enterprise(HPE)の協力を得て、スウェーデン王立工科大学(KTH:Royal Institute of Technology)のスーパーコンピュータを刷新している。KTHは同国有数の工業大学で、理工学研究にスーパーコンピュータを使用している。

 新たに導入したスーパーコンピュータの理論上の演算速度は、最大13.5P(ペタ)FLOPS(FLOPS:1秒当たりの浮動小数点演算回数)だ。このスーパーコンピュータは、学術研究者が演算を実行するために使用する大規模なCPU群と、処理負荷の高い作業をサポートするためのGPU(画像処理プロセッサ)群で構成される。SNICはこのスーパーコンピュータを、KTHのキャンパスにある学術研究向けHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)サービス提供組織PDC Center for High Performance Computingに設置する。

なぜ「GPU」なのか

 KTHのスーパーコンピュータは「Dardel」と呼ばれる。この名は、スウェーデン人の著名な小説家だった故トーラ・ダルデル氏と、その最初の夫でありポスト印象派の画家だった故ニルス・ダルデル氏の姓にちなんだ。

 「最近、研究者がGPUを中心としたアクセラレーターを利用するケースが急増している」と述べるのは、SNICでディレクターを務めるハンス・カールソン教授だ。カールソン氏は、DardelのGPUを利用することで、アクセラレーターの需要に対処できるようになると話す。Dardelのおかげで大規模な演算を必要とする研究の速度が「飛躍的に向上する」と同氏はみる。

 Dardelは、HPEのスーパーコンピュータ「HPE Cray EX」をベースに、AMD(Advanced Micro Devices)のCPU「AMD EPYC」とGPU「AMD Instinct」を搭載する。インターコネクト(内部ネットワーク)には専用の「HPE Slingshot」も採用した。SNICは、KTHの既存システム「Beskow」をDardelに置き換える。

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