Technics、 ペア 11 万 円の 小型 スピーカー。 22万円で システム完成
パナソニックは、Technicsブランドの新製品として新開発の同軸ユニットを採用した小型ブックシェルフスピーカー「SB-C600」を2022年2月25日に発売する。価格はペアで11万円。なお、同日には小型ネットワークCDレシーバー「SA-C600」(11万円)も同時発売され、組み合わせると計22万円でTechnicsの本格的なサウンドが楽しめるオーディオシステムが構築できる。
なお、ネットワークCDレシーバーSA-C600については別記事で紹介する。
新開発の同軸ユニットを採用
2ウェイ2スピーカーで、小型筐体のブックシェルフスピーカー。新開発の同軸ユニット「Advanced Phase Precision Driver」を搭載。サイズはウーファーが15cm径、ツイーターが2.5cm径のドーム型。クロスオーバー周波数は2kHzで、再生周波数帯域は40Hz~100kHz。外形寸法は、173×283×293mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約6.3kg(1本)。
ツイーターの前方に、高域の位相特性を補正するための「Linear Phase Plug」を配置。振動板のドームの高さに起因する位相差を補正するもので、到達時間の速い振動板中心部の波面の進行を遅らせ、振動板周辺部の波面と揃え、生成した球面波を整える3つの機能を持っている。これにより、同軸ユニットの位相ずれを補正し、「指向性が広く透明感のある高域再生を実現した」という。
ウーファー部には浅型振動板を採用。さらにエッジの形状によって高域の波面が乱され、周波数特性が劣化することを抑えるために、ウーファーの振動板からバッフルまでがスムーズにつながる形状とした。また、浅型振動板には振動モードや周波数応答解析に基づき、外周部に折り返しの補強構造を配置。中心部にサブコーンを追加するなどの工夫により、低い周波数で分割共振が発生しにくいようになっている。この「Smooth Flow Diaphragm」により、広いサウンドステージと滑らかで透明感のある中高域を実現している。
ウーファーとツイーターの振動板素材はどちらもアルマイト処理されたアルミニウム。音色の統一を図っている。
バスレフポートはフロント側に配置。壁などの反射影響を少なくし、壁際にも設置できるなど、レイアウトの自由度を高めている。バスレフポートの形状は、風切り音などを排除する設計になっている。
新開発のポート部分は「Smooth Flow Port」と名付けられており、航空機の翼断面形状に着目し、流体解析技術を基に空気の流れを最適化した断面形状を採用。出口付近の流速を均一にし、ノイズの発生源となる空気の渦の発生を最小限に抑えている。ポート表面の突起形状フィンは、航空機の翼面にあるボルテックスジェネレーターのように空気の渦を細かく分散することで、ノイズ発生や空気の流れの抵抗を低減。大振幅時のノイズを低減し、クリアでレスポンスの良い低域再生を実現している。
同軸ユニットの取り付け方にもこだわっており、バッフルに固定するのではなく、筐体内部に配置したスピーカーマウントバッフルという板に、磁気回路に近い部分を固定。ユニットの重心位置で固定する“重心マウント構造”を採用した。上位のフロア型スピーカーで採用している技術で、ブックシェルフスピーカーへの採用は初めて。ユニット自身の揺れを低減する効果がある。重心マウント構造と相まって、エンクロージャ全体の振動低減に寄与。従来のブックシェルフ型と比べ、設置したラックなどへの振動の伝播も大幅に低減されており、音や他の機器への影響を抑えると共に設置性を高めたとする。
またスピーカーマウントバッフルの追加により、キャビネットの剛性も向上。不要な振動を抑えて、粒立ちの良い、立体的な音場を再生できるという。
ネットワーク回路には、メタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサー、積層鋼板コア型コイル、OFCスピーカーケーブルなど、高品位なパーツを投入。スピーカー端子には 音質劣化を防ぐ金メッキ加工の真鍮削り出し品を採用する。
ボディはマットブラック仕上げ。フロントバッフルには艶消し塗料に粉末を配合したマット塗装を施している。同軸2ウェイユニットを保護するスピーカーネットは円形。ネットワークCDレシーバー「SA-C600」やターンテーブル「SL-1500C」とも共通する、四角と丸 を組み合わせたデザインとすることで、組み合わせて設置したときのまとまりの良さを演出した。
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