2022年9月21日水曜日

台風に強い プロペラが無い次世代マグナス式風力発電。コメント:騒音問題は、まだ未確認で御座います。新型のペロブスカイトのソーラーパネル発電やアンモニアエンジン発電や、1リットルの水で500Km走るバイクの応用の上水道発電や燃料が要らない上水道とバッテリーによるプラズマジェット発電などとメリットとデメリットなどを良く比較されてはいかがで御座いましょうか?





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既存の今までの風力発電は、台風で全滅、全壊するので、30年以内に粗大ごみとしての廃棄コストの方が遥かに高く付きますので、大損致します。

そこで、

プロペラがない風力発電機「マグナス式風車」の開発が進んでいる。 平たい羽根の代わりに自転する円柱が風を受け、強風下でも発電できるという特徴がある。 台風に襲われやすい離島の再生可能エネルギー電源として注目される。2021/12/13

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https://emira-t.jp/ace/2879/
 
台風のパワーを電力に!最強の風力発電への挑戦


トップランナー2017.9.13

台風のパワーを電力に!最強の風力発電への挑戦
株式会社チャレナジー 代表取締役CEO 清水敦史

9月といえば台風シーズンのイメージがあるが、自然災害を引き起こす台風をエネルギー源として電力を生み出そうというプロジェクトが進められている。特許を取得した独自の技術でこの壮大な計画に挑む株式会社チャレナジー 代表取締役CEO 清水敦史氏に話をうかがった。
INDEX




日本に適した風力発電を作りたい!

日本は年間十数個にも及ぶ台風が接近・上陸する台風大国。それは時に家屋や農作物などに甚大な被害をもたらし、内包するエネルギーも膨大だ。

「日本は風力発電大国になれるほどのポテンシャルがあるといわれています。一方で、風の強さや向きが変わりやすい環境のため、プロペラ式風車には厳しい環境であり、さらには台風による事故も起きています。そこで、台風でも安全に発電できる『プロペラのない風力発電』の実用化を目指しています」

そんな突拍子もないアイデアを語るのは、「台風発電」に取り組んでいるチャレナジー代表取締役CEO清水敦史氏だ。

これまでクリーンエネルギーのアイデアを競うコンテストなどで数多くの受賞・採択歴がある清水氏

台風が直撃している環境下で使える発電方法は現状ないと清水氏は語る。

「風力発電は、風が強ければ強いほど発電量が増えていきます。台風のような強風ではたくさん発電可能に思えるかもしれませんが、実際には秒速25mを超える強烈な風速下では、暴走や破損の可能性があるため停止する仕様になっています。

莫大なエネルギーがすぐ近くにあるのに、それを使えないのはもったいない話だと思いませんか?そこでどうにかして電力に利用できないか──という発想がチャレンジのきっかけでした」

元々は大手電機メーカーのエンジニアとして、産業用センサーなどの開発に携わっていた清水氏。環境意識については高かったが、風力に限らず再生可能エネルギーに関しては素人だったという。

「最初は再生可能エネルギーの入門書を読むところから始め、日本の風力発電の可能性について知りました。そこで疑問に思ったのは、世界では風力が再生可能エネルギーの主流なのに、日本での普及率はごくわずか。その理由は何なのか?ということでした」

理由はすぐに判明した。日本は山々が連なり、起伏に富んだ地形が多い。それゆえ風が吹く方向や強さが定まらず、乱流になりやすい。加えて、台風や暴風雨のような過酷な状況にも見舞われやすい。この自然環境こそが、風力発電の普及を妨げる一因だったのだ。

「欧州や中国のように、大陸で風が比較的安定した環境であれば風力発電を導入しやすいでしょう。欧州で粉ひき風車が大昔から利用され、風力発電としても100年以上前に開発されたのは、そうした地の利があったからだと思います。イメージvyskoczilova / PIXTA(ピクスタ)

しかし日本ではそうはいかない。現在主流のプロペラ式風車は風向きの変化に対応しずらく、強風下では破損や暴走のリスクがあるという欠点があります。日本で風力発電を普及させるためには、日本の環境に合った風車を新たに開発する必要があると感じました」

そこで清水氏は、風力発電に関する約5000件もの特許を片っ端から調べ、たどり着いた一つの答えが“マグナス効果”だった。

身近にあるのに知られていない、マグナス効果の潜在能力

マグナス効果についてごく簡単に説明すると、空気の流れ(風)の中に回転する円筒や球を置いたときに、流れの方向に対して垂直方向の力(揚力)が発生する現象のこと。

例えば、野球や卓球、サッカーなどの球技で、球を放出するときに回転を加えると、曲がったりあるいは浮き上がったりするが、これはマグナス効果によるものだ。自転する円筒や球を風の流れがある状況に置くと、風向きに対してマグナス力が垂直方向に働く。さらに円筒の回転数によりマグナス力の制御も可能。

画像提供:株式会社チャレナジー

この力を機械の動力に利用しようとする試みは、実は古くから行われてきた。1920年代には、胴体の脇に翼の代わりとなる円筒が付き、マグナス効果によって飛行する飛行機の開発が進められていたという。

「マグナス力の大きさは円筒の回転数により簡単に調整できます。回転を止めればゼロになり、回転数を上げれば、固定翼よりも大きい力を得ることができます。この試作飛行機も実際に飛んだそうですが、実験中に墜落してしまったそうです。そもそも、何らかの理由で円筒の回転が止まってしまうと、マグナス力がゼロになり墜落してしまいますから、現在、マグナス力を使う飛行機はありません」

垂直軸型マグナス風力発電機は、モーターにより円筒を駆動させマグナス力を発生させる。強風下であっても円筒の回転数を調整すれば、風車が暴走することなく、発電し続けることができるのだ。

万一の場合には、円筒の回転を止めてしまえばマグナス力がゼロになり、ブレーキなどを使わずとも確実に運転を止めることもできる。これが清水氏のいうマグナス力を風力発電に使うことのメリットだ。

マグナス効果を風力発電の新たな仕組みに活用しようと決めた清水氏の試行錯誤の末に誕生した「垂直軸型マグナス風力発電機」。

「さて、日本の環境に対応するためには、風向きにも左右されにくくする必要があります。一般的なプロペラ式風車のような水平軸の風車には向きがあり、正面を風に向ける必要がありますが、風向きの変化に追従しきれない場合があります。そこで、垂直軸の風車にしています。垂直軸の風車には向きがないので、風向きの変化に影響されません。

また、垂直軸型マグナス風力発電機は風車全体がゆっくりと回転するため、騒音が小さく、鳥が機械に巻き込まれるバードストライクなどの事故も起こしにくいと考えられます」EPIA先端技術館(東京都港区北青山2-8-44)に展示されている垂直軸型マグナス風力発電機の試作機

しかし、この方式には致命的ともいえる問題があったという。

「マグナス力の向きは、風向きと円筒の回転方向で決まります。単純に円筒を風車に複数個取り付け、時計回りに回して風車全体の回転で発電しようとすると、円筒が風上にあるときに発生するマグナス力は風車を時計回りに回す方向になります。風車が回転して円筒が風下に移動してもマグナス力の向きは同じなので、今度は風車を反時計回りに回す方向になり、相殺して風車の回転が止まってしまいます」

実は、これこそが垂直軸型マグナス風車がこれまで実用化されていない理由であり、この問題を克服しようとする特許が世界中で出願されているが、いずれも実用化には至っていない。

「物理法則だけにこの特性は変えられません。円筒が風下に回ったときのマグナス力をいかにして発生させないかが、マグナス力を発電に利用しようと試みる研究者共通の課題でした。私はこの問題を、2個で1組の円筒を組み合わせることで解決した……と思っていました」

清水氏は反対方向に回る2本の円筒を1組として据え付け、風に当たる円筒は常に同じ回転方向になる(風下側の円筒は風上側円筒の影に隠れる)方式を発明した。

「しかし、いざコンピューターシミュレーションしてみたら、発電効率が絶望的に低いということが分かったんです」初期垂直軸型マグナス風力発電機の概念図
画像提供:株式会社チャレナジー
思いがけずに革新的なアイデアを発見!
「それまでに考えた方式を、いったん白紙に戻して仕組みを根本的に考え直す必要がありました」
そう語る清水氏は、円筒の表面形状を変えるなどの工夫を施した。発電効率は改善したが、それでも実用化にはほど遠かった。一般的なプロペラ式風力発電機と同等のレベルになるには、さらに効率を高めるブレークスルーが必要だったのだ。

しかし、ここで奇跡が起こる。
マグナス力を計測する実験中、ある条件でトルクが変化することに気が付いたのだ。

清水氏自身、全く予想していなかった変化。早速、即席で試験機を改造し、再度測定すると確かに効果があることが確認できた。

「新しいアイデアをもとに再度シミュレーションしたところ、発電効率を30%程度まで高められることが分かりました。これはプロペラ式風車にも十分太刀打ちできる性能です」改良を重ねてたどり着いた最新の垂直軸型マグナス風車
画像提供:株式会社チャレナジー
そして、チャレナジーの台風発電プロジェクトは風車の研究開発を進めながら実証実験へ。2016年、沖縄県南城市に定格出力1kWのフィールドテスト機を設置し、発電量の変化や耐久性をテストしている。
沖縄県南城市にある沖縄試験場で試験稼働する垂直軸型マグナス風車

「台風直撃下での性能をテストするために沖縄を選びました。いざ台風が来たら、きちんと発電できるかと同時に、必要に応じて確実に止めることができるかもテストします」

これまで風洞実験やシミュレーションでしかテストできなったマグナス風車が、実際に屋外で稼働する。世界初の開発に執念を燃やしてきた清水氏にとっては、何物にも代えがたい喜びだっただろう。沖縄県南城市に設置されたチャレナジーの1kWフィールドテスト機。台風接近時に風速25m/s前後の状況下での安定稼働と安全停止を確認
画像提供:株式会社チャレナジー
抱く野望は“発生した台風に船で出向いてその場で発電”
現在、チャレナジーでは沖縄での稼働実験と並行して、より大きな出力が得られる定格出力10kWの量産機を開発しており、将来的には定格出力100kW以上の大型機の実用化を目標にしている。

実用化されれば既存の発電機に取って代わることも可能になるこの大型風力発電装置。今後普及するのだろうか?

「垂直軸型マグナス風車は、台風のみならず、あらゆる環境下で発電できる風力発電システムです。国や場所を選ばず、さらに既存のプロペラ式風車にないメリットがあるので、特に自然環境に対して意識の高い国々での普及が期待できます」

その中で清水氏が最も注目しているのがフィリピンだ。

「フィリピンは日本同様、年間にいくつもの台風に見舞われています。そして点在する小さな島ではほとんどの電力を小さなディーゼル発電機でまかなっているところも多いのですが、燃料の輸送も大変ですし、地球環境的にも望ましくありません。でも風力発電なら、そうした島々にもクリーンで十分な電力を提供できると考えています」今後の展望を語る清水氏。その表情が物語る通り、グローバルな視点で見ても垂直軸型マグナス風力発電機の未来は明るい

続けてさらなる可能性についても言及してくれた。

「将来的にはタンカーに大型の垂直軸型マグナス風力発電機を搭載し、台風の近くに出向いて発電。その場で海水を電気分解して水素に変換し、運んでくる。そんなことも実現可能かもしれません」

これぞまさに“台風発電”といえるだろう。

清水氏が心ときめかせる“マグナス力が持つ無限の可能性”が今、少しずつ形になろうとしている。地球が持つ巨大なエネルギーを電力に変える、革新的なチャレンジが始まった。



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text:田端邦彦 photo:安藤康之

今回のトップランナー: 清水敦史

しみずあつし●東京大学大学院修士課程を修了後、大手電機メーカーにてFA機器の研究開発に従事。その間独力で「垂直軸型マグナス風力発電機」を発明。2014年10月に株式会社チャレナジーを創業し、代表取締役CEOに就任。台風でも発電できる独創的なアイデアは、第1回 テックプラングランプリ(2014年3月)最優秀賞、TOKYO STARTUP GATEWAY 2014(2014年11月)ファイナリスト、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)「シード期の研究開発型ベンチャー」「スタートアップイノベーター」など数々のコンテストで受賞、助成プログラムとして採択されている。
https://challenergy.com/

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https://emira-t.jp/topics/10803/

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常識を疑え! スペイン生まれの羽根のない風力発電機が2020年に販売スタート

逆転の発想から生まれた、新しいタイプの風力発電の仕組みとは

世界で初めて風力発電機が造られたのは今からおよそ130年前。さらに揚水や灌漑(かんがい)目的としては、紀元前から風車が活用されていたという記録も残っている。このように2000年以上もの間、風の力を得る=プロペラを回すということは常識として考えられてきた。しかし、スペインのスタートアップ企業・Vortex Bladeless社が開発したのは、羽根のない風力発電機。常識を覆した、希代の発明品とその仕組みを紹介する。

世界の再生可能エネルギー事情から見る風力発電の今

昔に比べ、より一般的に知られるようになった「再生可能エネルギー」という言葉。水力や地熱、太陽光発電などが具体例として挙げられるが、まず頭に思い浮かべた身近なものはどれだっただろうか?

実はこれ、聞く国や地域によって答えが異なってくる。

資源エネルギー庁の調査によると、日本やカナダ、中国で最も供給されている再生可能エネルギーは水力発電。一方、ドイツやスペイン、イギリスでは風力発電といったデータがある。

世界各国の発電量において、その各種割合を示した図。カナダの水力発電を除けば、ヨーロッパが再生可能エネルギー先進国と分かる

出典:資源エネルギー庁

日本で再生可能エネルギーが明確に定義されたのは2009年。

エネルギー供給構造高度化法という法律によって、化石燃料に頼らない再生可能エネルギーの利用促進を狙ったものだ。

しかし10年の歳月がたった今も、先進諸国に比べて環境整備が進んでいるとは言い難い。先のデータによると、日本の総発電電力量に占める割合のうち、再生可能エネルギーは約16%。そのうち一番割合の多い水力発電でもわずか8%となっている。

一方、再生可能エネルギー先進国と呼ばれるヨーロッパでは、ドイツやスペイン、イタリアで30%超。中でも注目なのがスペインの風力発電だ。

中国、アメリカ、ドイツ、インドに続き世界第5位の風力発電容量(2018年の総発電量2万3484MW)を誇るスペインは、先の図でも分かるように国の総発電電力量に占める風力発電の割合が実に約18%。これは、世界トップクラスの占有率だ。

そんな風力発電大国スペインでは現在、新しい発想の風力発電機が開発されている。

それが、風力エネルギー系のスタートアップ企業・Vortex Bladeless(ボルテックス ブラデレス/以下、Vortex社)社製の羽根のない風力発電機だ。

創業者の一人ダヴィド・ヤネス氏とVortex社製の風力発電機の試作品

従来の風力発電機は、風車が地面に対して垂直に回る水平軸風車と、地面に対して平行で横に回転する垂直軸風車の2種類が存在した。主に商用化されているのは水平軸風車で、飛行機の羽根に似た3枚のプロペラが付いたものが一般的。プロペラを動力に内蔵、タービンを回しエネルギーを生み出す方式で、日本国内でも目にしたことがある人も多いだろう。

一方、Vortex社が開発中の風力発電機Vortex Tacomaは、小型ロケットのような形をした円筒形で、高さは約2.7m。軽さと強度を保つために炭素繊維とガラス強化繊維(FRP)素材を使い、振動する上部と地面に固定される下部に分かれている。商用化される際には、重さ約15kg、発電量100W/hを想定しているという。

筒の中にはコイルと磁石を用いた特許取得済みの発電装置が内蔵されており、上部が左右に振動することでエネルギーを生み出す仕組みだ。

Vortex Tacomaの試作品が発電する様子。筒の上部のみが揺れ、下部は地面にしっかりと固定されている

新技術開発の背景にあった意外なきっかけとは?

高効率な発電に重要となってくるのが、安定した振動を生み出すための“渦励振(うずれいしん)”という現象だ。

渦励振とは、各物体が持つ固有振動数と、風が円柱などの物質に当たって発生する空気の渦の周波数が一致した場合に、共振を引き起こし振幅が増大する現象。本来は建築物を造る際の厄介者として扱われ、1940年にアメリカのタコマ・ナローズ橋がこの現象により崩壊したことで広く知られるようになった。

羽根のない風力発電機のアイデアは、実は開発者の一人がこの橋の動画を目にしたことがきっかけ。“橋を壊すほどのエネルギーがあるのならば、コントロールして発電につなげられるのではないか”という逆転の発想だった。

タコマ・ナローズ橋崩壊の動画。崩れ落ちる部分は3:04くらいから

渦励振を捉えた様子。左側の円柱に当たった風が抜ける時に、渦状になっているのがよく分かる

とは言っても、簡単に渦励振を引き起こせるわけではない。空気の渦の周波数は一定でないため、渦に合わせて風力発電機側の振動数を変える必要があったのだ。そこでVortex Bladeless社は、自動的に発電機側の振動数を調整する独自のチューニングシステムを開発。これにより、風速3mからでも共振を引き起こし、発電を開始・維持できる仕組みを作り上げた。

その軽さや設置のしやすさから、自宅の屋根や庭などへの導入を想定しているVortex Tacoma。価格は1基あたり200ユーロ前後(日本円にして約2万4300円、6月21日現在、1ユーロ121円で計算)になる予定で、2020年中の販売を目指している。

今後は、さらに大きな1MWクラスの風力発電機開発を計画している同社。大型化した場合でも、従来の風力発電機に比べて製造コストは50%以上、メンテナンス費用は80%以上もカットできるという。

これは、従来のように複雑な部品を使わないため。メンテナンスに油を使う必要がないので、廃棄する際の費用も安くできるという。

これまでの風力発電機が抱えていたプロペラの騒音問題や鳥の巻き込み事故、膨大なコストを解決するVortex社の風力発電機。再生可能エネルギー先進国・スペインで生まれた新しい技術が、世界の風力発電事情を一変させるのかもしれない。

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