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昨日はブログを通じてお知り合いになった四国の先輩マニアのオーディオルームにベンプレ妻共々お邪魔してきました。
お目当ては写真の巨大なクリプシュホーンです。
このスピーカーは、ベンプレ親父が紅顔の美少年であったころ(大学生の頃)、秋葉原のヤマギワ電気で一回だけ聴いた事のあるものです。
当時のヤマギワはマッキントッシュの輸入代理店もやっていて、高級オーディオに力を入れていました。
この巨大折り返しホーンはヤマギワオリジナルのフラッグシップモデルです。見てお分かりの様に、人の背丈ほどもあるモンスターホーンで、10セット程度生産されたように聞いています。
当時のステレオサウンドにヤマギワが広告を出し、学生の私は平日の午後に買えもしないのに出かけて行き、お店が空いていた事もあり、店員さんにこのスピーカーで一曲聞かせてもらいました。
テラーク盤のチャイコ4番第一楽章でした。
このスピーカーはウーハーがガウスの46cm、4882(8842)、ドライバーがバイタボックスのS2、ホーンが同社の8セルホーンCN121、ツィーターがエレクトロボイスT350でした。
ネットワークはヤマギワオリジナルだったと思います。
店員さんは「バイタCN191コーナーホーン(バイタボックスの家庭用再高級機)を超えています」と断言。
CN191と直接聞き比べはしませんでしたが、同意できるスケールの大きな凄い音でした。
CN191が38cmウーハー(AK156)をクリプシュホーンに押し込んでいるのに対し、こちらは46cm+クリプシュホーンです。
クリプシュホーンは家庭に本格的な低音ホーンを持ち込むために開発された各種ホーンの中で最も成功したホーンと言われ、オリジナルのクリプシュ社の他、バイタボックス、エレクトロボイスに採用されていました。
クリプシュ、バイタボックスは38cmユニット。エレボイはザ・パトリシアン、後継機のパトリシアン600(故・山中敬三先生の愛機)でさらに大型の46cmウーハーをクリプシュホーンに押し込み、同機は世界最高峰のスピーカーとして君臨していました。
パトリシアン、度外れた超大型機でしたが、このスピーカーは本来エレボイ社の開発ではないそうです。
エレボイの社員のマニア氏が、自社のユニットを使って自宅で組み上げたモンスタースピーカーの音が素晴らしかった為、エレボイ社がこのマニア氏のスピーカーに目をつけ製品化したそうです。
つまり、所謂「商品」としては非常識なスピーカーだった訳です。
私が学生時代、パトリシアンは既にディスコン、その後に復刻されたパトリシアン800、パトリシアンⅡは共に76cmウーハーを用いたもので低音ホーンは採用されておらず、ついに46cm入りクリプシュホーンが生産されることはありませんでした。
それはそうでしょうね。とにかくものすごく手間のかかる木工製品ですから。
このモンスターを復活させたのがヤマギワでした。
ウーハーはガウスの46cmシリーズから4882(=8842)が採用されました。
ガウスは型番の最後の番号が用途を表しているそうで(中部地方の先輩から教えてもらいました)、0番が楽器用、2番がホーン用、3番がバスレフ・密閉用だそうです。
このヤマギワ・クリプシュホーン、ヤフオクに出品されたものです。
偶然でしょうが、ヤフオクに同時に別な出品者からバイタボックスの46cmウーハー二個がオクに掛けられました !!
バイタボックスに46cmがあるらしい事、カタログにはありませんでしたが、どうやら少数造られた形跡がある(ワンオフ品?)事はネット情報で掴んでいました。
ヤマギワホーンにバイタ46cmを入れて、上にS2ドライバーとホーンを乗せたら凄い事になる、世界一のバイタボックスが聴けるかもしれないと、ベンプレ親父ポチリそうになりましたが・・・
とにかく価格も大変なものだし・・・
この巨大なホーンをバスビンとロンドンウエスタンの鎮座するベンプレ亭書斎に押し込むわけにも・・・
ベンプレ妻の頭に角が生える事は確実だし・・・
脂汗を垂らしながら呻吟しておりますと、バイタCN191を使用されている四国の先輩マニアから電話が。
「ヤマギワホーンとバイタ46cm、行こうかと思うんだけどどう思う?」
そりゃもう、先立つものと、スペースと、妻の機嫌さえ良ければコッチが行きたいブツでしたから、一も二もなく「行くべきでしょう」と。
四国の先輩は無事に落札されました。
その後また電話があり、「バイタCN123も手に入っちゃった。ツイーターはどうしよう?」
ヤマギワではツィーターはエレボイT350を組み合わせていましたが、私はT350を6本所有している事をお話しすると、1ペアお分けする事になりました。
その後暫くして再度TEL。「バイタ46cm、もう一つの様な気がする。ヤマギワで組んでいたガウスの4882はどこかに無いかなぁ」
ベンプレ親父、中部地方の先輩から分けて頂き、JBLの大きなバスレフに入れたガウス8842を2本持っていたんですね。アルテックA4のサブウーハーについ先日まで使用していました。
(アルテックをロンドンウエスタンに変更した時サブウーハーはエラック2090に取り換えました)
という訳でお分けする事に。46cmとなると大きいため適当な宅急便用の箱もありませんし、四国は高速を使えば案外近いので持参する事にしました。
オイシイお昼ご飯を御馳走になり、少々昼酒を頂き(帰りの運転は飲んでいないベンプレ妻にお任せw)、オーディオルームへ。
部屋は二階にあるため、このヤマギワホーンを担ぎ上げるのは大変だったそうで、大の大人が5人がかりだったそうです。
ベンプレ亭書斎のアルテック210、バイタ・バスビンでも4人で二階に上げられましたから、このヤマギワホーンの無茶ぶりが判ろうと言う物w
四国の先輩はジャズの人で(現役のアマチュアジャズドラマーで、コンサートもされています)、CD、LPでジャズを中心に聴かせて頂きました。
先輩はベースの音階が弾まないと不満を言われておられましたが、スケール感のある素晴らしい音だったと思います。
写真でお判りでしょうか、アンプ類は進藤ラボ、パワーアンプは300Bシングルです。LPはリンのLP12、針はオルトフォンのSPU-A、CDはやはりリンのCD12でした。
写真には写っていませんがLPの昇圧トランスがウェスタンの618Bという超レア・超高級品です。
やはりLPの方が断然良かったですね。
ガウス8842で更に上手く鳴るようになったら、また聴かせて下さい。ベンプレ亭書斎の音も是非聴いてやって下さいませ。写真は進藤ラボ特注のLCネットワークです。貫禄ありますね~
昨日は30数年前に一度だけ聴いた思い出深いスピーカーに再会でき、大変楽しく過ごさせて抱きました。
有難う御座いました。
奥様にも宜しくお伝えくださいませ。
カーブドコーン設計を採用しており、2.5kHzまでの再生が可能です。
8842はバスレフ型エンクロージャーでの使用も可能です。
機種の定格
型式 | シングルコーン型ウーファーユニット |
口径 | 45.72cm(18inch) |
インピーダンス | 8Ω |
定格入力 | 200W |
周波数特性 | 25Hz~2.5kHz |
出力音圧レベル | 103.6dB |
fo | 30Hz |
VC径 | 10.46cm |
有効磁束 | 278,000maxwell |
磁束密度 | 12,000gauss |
ボイスコイル材質 | エッジワイズ巻き銅リボン |
奥行寸法 | 22.2cm |
取付けサイズ | フロントマウント:42.4cm リアマウント:41.5cm |
重量 | 11.9kg |
Qo | 0.31 |
Mo(振動系等価質量) | 116g |
https://audio-heritage.jp/VITAVOX/speaker/s-2.html
VITAVOX S-2
¥78,500(1台、1970年代前半頃) 解説
業務用大型システムの高域用として開発されたドライバーユニット。
振動板には7.6cmアルミ合金製ダイアフラムを採用しています。
磁気回路にはチコナルGマグネットを採用しています。
機種の定格
方式 ドライバーユニット 定格インピーダンス 15Ω 再生周波数帯域 200Hz~20kHz ダイヤフラム アルミ合金 ダイヤフラム口径 7.62cm 適合ホーン CN-157、CN-481、220Sシリーズ 入力 40W 磁束密度 16,000Gauss 総磁束 150,000Maxwells 外形寸法 直径127x奥行135mm 重量 6.1kg
型式 | ホーン型ツィーター |
周波数特性 | 3.5kHz~15kHz ±3dB 3.5kHz~23kHz(1972年頃) |
クロスオーバー周波数 | 3.5kHz以上 |
最大許容入力 | 5W(長時間平均) 50W(ピーク) 100W(ピーク、1972年頃) |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル | 107dB/W/m 109dB/W(1972年頃) |
マグネット | 0.45kg、アルニコV |
ヨークカバー径 | 8.9cm |
外形寸法 | 幅73x高さ191x奥行125mm |
重量 | 3.2kg |
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