2024年10月10日木曜日

“超”高品質な中古PC販売のQualitが「訳あり品」をスタート。Qualitの訳あり品ってどのくらい“訳あり”なの? ベースはQualit品質だから、掘り出し物があるかも!? text by 石川 ひさよし 提供: 横河レンタ・リース株式会社 石川 ひさよし撮影:若林 直樹(スタジオ海童)2024年5月21日 00:00

https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/usedpc_hotline/special/1589822.html


 高品質な中古PCの販売を行う横河レンタ・リースの「Qualit」。同サイトで新たに「訳あり」というカテゴリーが展開されるという情報をキャッチしたので、早速詳細を同社に伺った。

 動作については問題がないPCだとしても、いざ“訳あり”と言われると身構えてしまうもの。一方で、中古品・アウトレットなどでは“訳あり”にこそお買い得品アリ、というケースもある。いずれにせよ気になるのは「程度」だろう。厳しい品質基準でクラス分けされたQualitが言う“訳あり”とはいったいどんなクオリティのものなのか。実際に販売予定の製品も紹介いただいた。

従来の4段階+αの基準に入らないものの中から厳選した“掘り出し物”

 Qualitは横河レンタ・リースが運営しているPC・IT機器リセールサイトだ(詳細は過去記事も合わせてご覧いただきたい)。その特徴は、「レンタル大手を母体としたスケールメリット」、「法人向けのレンタルという(個人使用品と比べれば)比較的大切に扱われてきたPCであること」、そして「高い品質基準で外観ランク分けされた厳選中古品をていねいにリフレッシュして販売している」、という点だ。

Qualitの紹介ページ。多数のレンタル返却品から厳選された高い品質の中古PCを販売する

 まず従来の同社外観ランク分けを説明しておこう。Qualitの製品ランクはS/A/B/Cの4段階で、これに加えて外観チェックを省いた特殊な区分であるVランクがある。Qualitで販売する商品はS~Cランク+Vランクになるわけだが、中古販売用PC候補となる製品の中にはCランクに満たない商品、つまりQualitでは取り扱われないものというのも当然出てくる。

 これのランク外商品は、これまではオークションなどのほかの商流へと流れていたとのことだが、そんな「Qualitとしては販売しないアイテム」の中から、あまり目立たない軽微なキズやへこみがあるものの実用上は何も問題がない商品が、今回新たにQualitで取り扱いが始まる「訳あり品」になるのだという。

 「あまり目立たないキズやへこみ」というのがどの程度か、4製品ほどサンプルを用意していただいたのでまずはそれを見ていこう。

 1台目はデスクトップPC。HP EliteDesk 800 G6で第10世代Core時代のSFFモデルだ。

 この商品が訳ありとなった理由は底面。ひっくり返すとやや大きなへこみがあった。つまり、表からの見た目ではまったくの美品なので、この商品を通常の設置方向で運用する限りへこみを目にすることはない。もちろん動作に支障はない。

底面に数か所のへこみがある。横置きが標準のPCなのでそのままで使えば見えない。どうしても縦置きしたいという方は机の右側に置いて運用、あるいは底面を隠すように本棚などを配置するのがよいだろう

 2台目はノートPCで第8世代Core時代のLet'snote SV8。ぜひ全体写真を拡大して訳ありの理由を探して見ていただきたい。

 細部までよく見れば気付く方もいるかもしれないが、キーボードの左、左側面排気口とのエッジ部分に少し光の反射の加減が異なる部分がある。この商品が訳ありになった理由は、ここにヒビが入っているためだ。大きさとしては10mm弱だろうか。気になる方には気になるかもしれない。およそこの10mmというのが訳あり品におけるヒビの最大値ということだ。

左の写真(特にサムネイル)ではまだ気付かないかもしれない。さらに寄るとはっきり分かるヒビがあるが、側面なのでパッと見ではちょっと分からないかも

 続いて3台目はレノボのThinkPad L380。

 筐体がつや消しブラックということもあって4人がかりで隈なく探しても指摘されるまではまったく気付かなかった。左側ヒンジの付け根部分にごく小さなヒビ、そしてキーボード左側に若干の浮きがある。キーボードの浮きについては、繊細な方なら気になるかもしれないが、ヒンジ部のヒビはよほど注意深く見ないと分からないレベルだ。

小さなヒビがヒンジ部の横にある。ブラック塗装のモデルなのでなかなか気付けない
キーボードが少し湾曲している。普通に使っていてもまず気にならないレベル

 4台も同じくThinkPad L380。これも「訳ありとは!?」レベルの高品質。

 タッチパッドの左下に小さなヒビが入っていた。こちらも光を当てないと案外気付かないレベルだ。

タッチパッドの左手前角に小さなヒビがある。Qualitの訳あり品は基本的に補修されない。どうしても気になるという方は、自己責任となるが、瞬間接着剤などで補修を試みるのも手。必要性は低いと思うが……

 ここで気になってくるのが、通常のランク分けのCランクの商品との差だ。お話を伺った際にちょうどCランクとして販売される予定のものが作業中だったので見せてもらった。

 こちらのHP製ノートPCは、ディスプレイ表面にごく小さなキズ、パームレスト左手前角部分に微小な皮膜はがれ、液晶天板の“HP”ロゴに小キズ、といったあたりがCランクになった理由だと言う。たしかにキズの箇所は多めだが(とはいえ“よく見れば”レベルであるが)、外装にヒビやへこみがない、というのが訳ありとの違いとのこと。

実際どう売るの? 価格は? クリーニングは?気になるところを選別現場で聞いてみた

 このように、確かにいつものQualitの中古PCに比べれば“訳あり”ではあるが、比較的状態がよいQualit基準の“訳あり”であることは分かった。では、どのような基準でどのような販売形態になるのか、深堀りしてみた。

横河レンタ・リースの西村 幹雄氏(写真右)、クリーニング部門の大塚 眞由美氏(写真左)

――訳あり品についてはどのような基準があるのでしょうか

【横河レンタ・リース】レンタルアップ商品は返却後、検査ラインに運ばれます。合格品はノートPCの場合でおよそ20%。その大半はQualitで販売される商品になります(編注:通常はS~Cランク品となる)。

残り80%はQualit(本サイト)の基準を満たさない商品としてオークションに出品しているのですが、その80%中には、程度もよく「このくらいならお客様のニーズもあるのでは」と思える商品もありました。

最初の検査ラインでCランクに達しない商品の中から「動作はするがCランクの外観に達していない」という商品を選別したものが訳あり品です。また、検査ラインはパスしたものの、Qualitの厳重な外観チェックでCランクの基準を満たさないキズへこみが見付かった場合、その商品が格下げ、訳あり品となる場合もあります。

訳あり品として販売される商品はこの二つのどちらかということになります。

――価格的にはどのくらいを想定されているのでしょうか。

【横河レンタ・リース】現時点で訳あり品はCランクの同じ商品と比べて3割ほど安い価格を想定しています。

――保証などはどのようになるのでしょうか。

【横河レンタ・リース】通常商品では引渡日翌日からの12カ月保証が付与されますが、訳あり品については10日以内を初期不良期間とし、それ以降は保証なしとさせていただきます。

――サンプルを見た印象として、一つ一つ異なる状態、異なる箇所に訳ありの理由があるわけですが、販売サイトでは一つ一つ説明されるのでしょうか。

【横河レンタ・リース】QualitではSKU単位で販売ページを管理していますので、「こうなっている場合があります」といった注意書きはご提示できますが、個別に写真をご用意することはできません。外観検査の基準は今回のサンプルと同程度で揃えていますが、ある程度は運の要素もあります(ただし、ほかのランクの商品もSKU単位での販売ページなので同様ではある)。

――大塚さんによるクリーニングは行われるのですか。

【横河レンタ・リース】はい。クリーニングは行われますので、お手元に届く商品はキレイな状態です。

――Cランク商品との違いは分かりましたが、たとえばVランクの商品とどちらを選ぼうとなったとき、どちらがオススメと言えるのでしょうか。

【横河レンタ・リース】Vランクの商品は、およそCランクと同等の価格で販売させていただいていますのでそもそも訳あり品よりは若干高価です。そしてQualitの最終的な外観チェックは省かれますが、そもそも検査段階でS~Cランクのいずれかに該当すると判断された商品ではあります。どのランクの品に相当するのかはお手元に届くまで分からないにしても、訳あり品よりはキレイな外観と言えます。

 価格で言えば訳あり品のほうが低価格、一方Vランクは最低でもCランク相当、運がよければSランク相当をCランクの価格で買える(こともある)ため、お得感はVランクのほうがある場合もあります。

普段使いに問題ない「程度のよい訳あり」普段から安いCランクよりも安いなら断然アリ

 「中古の訳あり品」と聞くと、一般的には心理的なハードルが高くなりがち。しかし、品質重視のQualitの訳あり品のレベルはやはり高かった。販売開始前のサンプルを見せてもらった範囲では、Qualitの「訳あり品」は一般的な“訳あり”のイメージよりも程度がよい。外出先で横の席に座った人が気付くレベルとは思えないし(隣の席の人のPCをマジマジと見る人はいないだろう……)、会社でほかの人に「PC買い換えたんだよ」と紹介して見せたとしても、あえて言えば気付く人もいるかもしれないし、購入した本人としては相応の見た目と使用感として気に留めるまでもなくなりそう。

 とはいえ、ヒビやへこみがあるからこその“訳あり”なので、ここを許容できるかできないかは本稿のサンプルの写真を拡大表示して判断いただきたいが、筆者を含む取材スタッフの受けた印象は、訳ありと打ち出していても「普通に使えるし十分キレイ」というもの。求めるパフォーマンスレンジ、買い換えスパン、いろいろと検討するところはあるが、狙っていたパフォーマンス、狙っていたモデルで訳あり品が出ていたならチェックしてみよう。PCにかかる出費を大きく抑えてくれるはずだ。

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