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ヤマハ発動機が研究開発を続けている水素エンジン船外機
素材分野で天然由来追求
国内のマリン市場で電動化や環境対応への取り組みが加速している。23日までの4日間、横浜市内で開かれたボートや船外機などの展示会「ジャパンインターナショナルボートショー2025」では、主力市場の欧米で先行公開し、今回が国内初披露となった新製品の展示のほか、自社の環境貢献活動を訴求する動きも目を引いた。マリン業界でも環境負荷低減が一段と求められている中、関連企業が需要の波を捉えようとする動きが活発化している。(浜松支局長・本荘昌宏)
ヤマハ発動機は2024年12月期までの前3カ年中期経営計画期間から取り組むカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に向けた方針「マルチパスウェイ」の成果を披露した。今回、国内初展示となった水素エンジン船外機は実用化の時期は未定だが、「いつでも出せるように準備を進めている」(井端俊彰上席執行役員マリン事業本部長)という。また欧州で先行発売した電動船外機「ハルモ」は6月に日本市場にも投入する。電動ならではの環境性や静粛性を生かし、生活環境に近い運河などでの需要を狙う。
素材分野でも環境対応を模索する。水上オートバイの部品に、玄武岩を溶かして紡糸する「バサルト繊維」と植物由来樹脂の複合材料の応用の可能性を探る。
25年に船外機の発売60周年を迎えたスズキは、つや消しのマットブラック仕上げの船外機「ステルスライン」シリーズ7機種を展示。主に米国で人気を得ているが、近年は日本でも注目され「漁師からの引き合いも増えている」(スズキマリン〈浜松市中央区〉の石谷幸司社長)という。
また、海洋マイクロプラスチックゴミの回収装置を搭載した船外機の開発などを含む環境活動も紹介した。
ホンダは米国の展示会で初公開した4ストローク船外機「BF250」「BF150」を国内で初展示した。350馬力の「BF350」のデザインコンセプトを継承した高級感のある外観が特徴で、燃費や環境性能も向上している。
トーハツ(東京都板橋区)はホンダと共同開発している電動船外機「MBE4A」を出展。トーハツがギアケースなどのフレームを、ホンダが電動パワーユニットを担う。
今後、一般消費者も含めて世界的に環境意識が高まっていく中で、国内のマリン関連企業にとって環境対応の製品開発や活動の重要性が一層増していきそうだ。
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