中国メディア・東方網は28日、「中国には日本語を聞き取れる少数民族がおり、日本人の祖先はここから生まれたとの説もある」とする記事を掲載した。

 記事は「日本の歴史上の発展は、中国と深い繋がりを持っている。そして、日本の起源についても中国にかかわる様々な説が出ており、例えば秦の始皇帝の医師だった徐福が祖先といった説や、東南アジアから逃げて来た移民が祖先という説もある。しかし近年、日本の学者が日本人発祥の地として四川省の山岳地帯にある涼山を挙げたのだ」と紹介した。

 そして、日本の歴史学者が長年の研究の末、日本の言語や習慣が四川省の涼山に住むイ族とかなりの部分で似ていることを発見したと説明。実際に現地調査に訪れたところ、現地のイ族の人たちは日本語の発音に違和感を覚えず、一部の発音は日本語とほぼ同じであり、いくつかの日本語の意味も理解できたことから歴史学者が大いに驚いたと伝えている。

 また、現地には「火把節」という1000年単位で伝承されている有名な祭りがあり、これが日本の伝統的な祭りである「火祭」と関係性を持っているとの説も出たと紹介。一方で「現時点でわれわれは客観的な姿勢で更なる研究結果を待たなければならない。完全に否定される説ではないが、同時に日本人の祖先が四川省の山間に住むイ族であると完全に認めることもできないのだ」とし、あくまで仮説の1つにすぎないことを説明した。

 例え一部であっても、日本語に近いような発音体系や語彙を持っている外国の民族があると、何となく親近感を覚えはしないだろうか。実際にイ族の人びとがわれわれ日本人のルーツかどうかは分からないが、ぜひ友好的な関係は深めたいものである。(編集担当:今関忠馬)(写真は、四川省の山岳部。提供:123RF)