仮想通貨におけるマイニングのブームが続き、秋葉原では一時期、グラフィックスカードが極端な品薄状態になるほどだった。最近ではかなり改善され、価格も落ち着いてきており、日本でのブームは一段落ついた印象であるが、COMPUTEX会場ではあちこちでマイニング関係の展示を見かけたので、依然として需要は根強いようだ。
  • 特に力を入れていたのがBIOSTAR。ブースにはこんな特設コーナーも
ASUSは、なんとグラフィックスカード20枚を接続できるというマザーボード「H370 Mining Master」を出展、実際に稼働しているデモ機でアピールしていた。すでに、PCI Express x1スロットを3列配置することで、合計19スロットに対応した製品は発売されていたが、このモデルはUSBコネクタを流用することで、4列×5段の高密度実装を可能にした。
  • ASUSの「H370 Mining Master」。サイズは通常のATXとなる
  • ズラリと並ぶUSBポート。形状はUSBだが、信号はPCI Express x1だ
デモ機では、Radeon RX 470×12枚と、P104×8枚を搭載。ドライバの制約のため、こういった2種類構成にならざるを得ないが、この制約は他の製品でも同様である。気になる日本での発売時期は未定とのこと。
  • 電力供給のため、基板上には3つの24ピン電源コネクタが用意される
  • ラックに20枚のグラフィックスカードを搭載。発熱はかなり大きかった
BIOSTARは、ゲーミングとマイニングを合わせた「GaMiner」というコンセプトを打ち出し、アピールしていた。通常はマイニングPCとして利用するが、せっかくハイエンドGPUを使っているのだから、たまにゲームもしよう、ということらしく、マイニングPCのMODマシンを展示していた。
  • 実用一点張りで見た目を気にしないマイニングPCだが、MODもアリ?
  • 構成はたしかにマイニングPC。しかしこれはちょっと無理があるような……
またマイニング向けのマザーボードとしては、「TB360-BTC D+」を展示していた。基板上に、PCI Express x16形状のスロットを8つ搭載(帯域はx16が1つで残りは全てx1)。基板は変則的な長い形になるものの、ライザーを使わずに、2スロット厚のグラフィックスカード8枚を直接搭載できるというメリットがある。
  • BIOSTARの「TB360-BTC D+」。写真下側には6ピン電源コネクタが並ぶ
  • このデモ機は従来モデル「TB250-BTC D+」だが、こんな感じで利用できる
ちょっと変わったところでは、Cominoというキプロスの企業が展示していた水冷マイニングPC「N1」が面白かった。P106-100グラフィックスカードを8枚内蔵するが、水冷化したことで、45.9×63.5×17.5cmというコンパクトなボディを実現、家庭にも導入しやすいとアピールする。価格は4,999ユーロで販売中。
  • Cominoの「N1」。通常のデスクトップPCと同じようなサイズだ
  • 1つの水冷ブロックを2枚のグラフィックスカードで挟んで排熱