アメリカで長距離トラックドライバーは、年間4万ドル(約400万円)程度の中流の給与を学歴不問で得ることができる唯一の職業です。一方で、 Uberが自動運転トラックのスタートアップ「Otto」を買収して物流の自動化を推進するなど、自動運転トラックの運用が現実的なものになりつつあり、もし自動運転トラックの運用が始まれば、アメリカに180万人ほど存在する長距離トラックドライバーが職を脅かされることになるわけですが、そんなトラックドライバーの未来についてVoxがつづっています。
1.8 million American truck drivers could lose their jobs to robots. What then? - Vox
http://www.vox.com/2016/8/3/12342764/autonomous-trucks-employment
American Trucking Association(アメリカトラック協会)によると、アメリカ国内を走る何百台もの貨物輸送トラックはアメリカ経済の一翼を担っており、2015年にアメリカ国内の貨物輸送の67%、年間92億トンもの貨物を輸送したとのこと。大学教育を必要とせずに比較的高給を得られるトラックドライバーは、同条件で同じ給与を得られるような代替できる職業も存在しないのですが、自動運転トラックの登場により、180万人のトラックドライバーの失職が始まる可能性が出てきています。
すでに多くの自動車に自動で走行速度や車間距離を維持する オートクルーズ機能などの運転サポート機能が搭載されていますが、完全な自動運転カーはまだ登場していません。これらの自動運転機能は高速道路であれば比較的問題なく動作しますが、都市部での自動運転が難しいという問題があります。一方で、トラックには乗用車よりもはるかに多くのセンサーやカメラ類を搭載できることから、自動運転カーよりも自動運転トラックの方が先に実用化することが予想されています。
すでにいくつかの自動運転トラックは国家道路交通安全局(NHTSA)の定める自動化レベルで5段階中「3」に達しており、ドイツの大手自動車メーカーであるダイムラーもレベル3の自動運転トラックの公道テストを行っているほか、Ottoも同レベルの自動運転トラックで公道テストを行っています。
Ottoは自動運転トラックの商業化の時期を「すぐ」と述べているのですが、具体的には1年~2年以内になる見込み。さらにUberに買収されたことで開発スピードが加速することが予想されます。しかし、Ottoの自動運転トラックは貨物の搬送を自動化できるわけではなく、ムービーでもドライバーが乗車する必要があることを示しており、まだしばらくは人間の手が必要とされそうです。
なお、実際にOttoの自動運転トラックが走っている様子は以下のムービーから見ることができます。
Otto – Self-Driving Trucks - YouTube
2016年8月29日月曜日
自動運転トラックの登場で大量のドライバーが失職の危機
7:30
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