2021年10月24日 09:00 時事通信社
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写真 乳牛の飼育=北海道河西郡芽室町、2018年07月29日(時事通信フォト) |
世界全体の温室効果ガス排出量の推計では、二酸化炭素(CO2)が約64%を占め、メタンは約17%と2番目に多い。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告書によると、世界の平均気温が1850~1900年に比べ約1度上昇したうち、半分はメタンの影響とみられている。
新たな枠組みは、米国と欧州連合(EU)が共同で進める「グローバル・メタン・プレッジ」。世界全体のメタン排出量を2030年までに20年比で少なくとも30%減らす目標を掲げるが、削減量の国別目標は求めていない。今月末に英国で始まる国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で正式に発足。日本、英国を含め30以上の国・地域がこれまでに参加を表明しており、排出量は世界の約3割を占める。
日本はメタン削減で先行しており、総排出量は米国の約23分の1、EUの約15分の1。日本の排出量の8割は農業分野だが、水田から一時的に水を抜くことで土壌内に存在するメタン生成菌の活動を抑制する「中干し」と呼ばれる技術に強みを持つ。
日本は中干しのノウハウなどを各国と共有していく技術協力を進め、世界の削減を支援する。メタンの発生が少ない稲の品種開発も推進する。
欧米では農業分野の排出量に占める畜産の割合が日本と比べ高い。日本は、牛のげっぷに含まれるメタンを抑える餌の開発も進めている。参加国との共同研究で実用化を急ぎ、畜産分野の削減でも貢献を目指す。
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