2021年10月24日日曜日

マーケティングオートメーション(MA)は「顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化する」ツールのことです。

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2018/04/16
マーケティングオートメーション(MA)ツールとは?基礎知識や活用手法、選定方法などをまとめて解説

最終更新日:2021年10月15日(エムタメ!編集部)

 

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マーケティングオートメーション(MA)は「顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化する」ツールのことです。見込み顧客自身の固有情報や見込み客から収集した各種情報の一元管理、育成、さらにはホットリード(購買意欲の高い見込み客)の絞り込みまでの活動を自動的(効率的)に行う役割を果たします。

 
新規顧客を開拓するには、それぞれの見込み客が持っている興味や関心、その行動に対して「最適な情報」を「最適なタイミング」「最適な方法」で提供するマーケティング活動が求められます。そのプロセスの中でマーケティングオートメーション(MA)ツールがとても役に立つのですが、具体的な機能や活用イメージが浮かばない方も多いのではないでしょうか。


そこで今回は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの初心者向けに、概念からツールの選び方、導入事例などを一挙にを解説します。今後のマーケティング活動にお役立てください。


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1.マーケティングオートメーション(MA)とは?

改めてになりますが、マーケティングオートメーションとは「顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化するツール」のことです。

(エムタメ!:第1回:マーケティングオートメーション(MA)ツールとは?より)

新規顧客を開拓するには、それぞれの見込み客が持っている興味や関心、その行動に対して「最適な情報」を「最適なタイミング」「最適な方法」で提供するOnetoOneのマーケティング活動が求められます。

参考動画:無料から使えるマーケティングオートメーション「BowNow」

しかし、これを実現するには多くの人員が必要です。見込み顧客をフォローしたくても手が回らないと悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。 そこで、人的なマーケティングのオペレーション部分を効率化・自動化するために開発されたのが、「マーケティングオートメーション」です。

特に昨今(加筆:2021年現在)は、営業活動のデジタル化の一環としてマーケティングオートメーションツールを導入するケースが増えています。コロナの影響で従来の営業活動が実施できなくなったこともあり、テクノロジーを活かした営業活動のひとつとして、こういったツールの重要性が高まっているのが理由の1つです。

①何をオートメーション(自動化)できるのか?

マーケティングオートメーションツールによって自動化できるものとして、おもに次の5つの作業があります。

リスト作成

マーケティングオートメーションを用いることで、自社サイトに訪問したユーザーの企業名や企業情報、個人名を取得でき、さらにそのユーザーがサイト上でどういう行動をとったかというログを分析・管理することができます。

リスト作成

これらの情報を用いて「1週間以内に製品Aの資料をダウンロードした」「キャンペーンページを見た」「従業員501~1,000人以上」など、特定の条件で見込み客を抽出し、リスト化が可能です。

特定のアクションや条件ごとに分類することで、見込み客の興味・関心のありそうな情報を想定しやすくなるため、見込み客へのアプローチや既存顧客への提案が行いやすくなります。また、適切なターゲットにアプローチをすることで、受注率の向上も見込めます。

マーケティングオートメーションは単に自動化を行うだけではなく、顧客接点ごとの提案のきっかけづくりや生産性の向上にも役立つのです。

 

メール配信

マーケティングオートメーションが担う領域であるリードナーチャリング(見込み客の育成)の手法の一つとして、メールマーケティングがあります。メールマーケティングとは、メールを戦略的に配信することで見込み客のステータス(検討度)を上げていく活動のことです。

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マーケティングオートメーションを戦略的に用いれば、ユーザーの反応に合わせたメールコンテンツの配信を自動化することができます。

たとえば、通常のメール配信ツールではユーザーの実際の行動までは把握できないため、ステップメールを送る場合、ユーザーの行動を予想して配信スケジュールを組むことになります。

実際は検討段階が進んでいなかったり、前段階のステップメールを見ていない場合も、次の段階のステップメールが配信されてしまうケースもあるため、ユーザーに響かないコンテンツを送ってしまう可能性があります。

一方、マーケティングオートメーションを使うと、ユーザーがメールを開封したかどうか、どのURLをクリックしたか、またWebサイトのどのページをいつ閲覧したかといったことまでわかるので、「このページを閲覧したユーザーには製品事例のコンテンツを送る」「製品事例を見てくれたユーザーには特典の案内を送る」といった設定をしておくことで、ユーザーが欲しい情報を欲しいタイミングに合わせて提供することができるようになります。

こういったメール送付を事前に設計することで自動で行うことができるのもマーケティングオートメーションの魅力です。

営業への通知とアサイン

マーケティングオートメーションは本来マーケティングが部門が使用するものですが、マーケティング担当者だけでなく営業担当も活用できます。

その理由は、ホットリードを検知したら条件に合わせて営業担当をアサインし、自動でアサインメールを送信するということも可能なツールだからです。 なかには、提案中の見込み客や過去案件の見込み客がWebサイトに訪れていることを検知して、担当している営業にアラートメールで通知を出すといった機能を有しているツールもあります。

こういった機能を活用することで、それまで人的に行っていた営業への通知やアサイン業務の自動化も可能になります。

SFAやCRMを利用している企業であれば、マーケティングオートメーションを一緒に管理することで現在その見込み客がどういう状態なのかをお互いに把握することができ、案件確認の手間も省くことができます。そういった意味で、各部門が連携するためにもシステムの統合は非常に重要です。

リードの選別

多くの企業が抱えている課題として、見込み客がアツい(検討度が高い)かどうかが、営業担当の感覚や過去のやり取りの記憶などの曖昧な要素のみの判断になってしまう、というものが挙げられます。特にBtoBの企業で、これからデジタルを取り入れていこうと考えている企業に多い悩みです。

そこへマーケティングオートメーションを導入すると、属人的な情報に加えて、ツールによる見込み客がどういった行動をしているか数値的な分析ができるので、「こういうアクションがあったから検討度が高い」と客観的な評価基準によるリードの選別が可能となります。

1つわかりやすい例をあげると、検討段階に達していないと見ないようなページ・資料に触れたユーザーを条件検索し、アツいリードを抽出するといったことも可能です。

具体的には、「お問い合わせページを訪れたユーザー」で条件を絞ると、「お問い合わせページまで来たがお問い合わせに至らなかった=検討はしているが問い合わせまではしない」という比較的温度感の高いユーザーを抽出することができるのです。

そもそも名刺自体を営業マンが個々で管理していたり、一部の部門でアナログに管理していることもまだまだ多いので、アプローチの基準が決まっていないこともあります。マーケティングオートメーションを導入することで、決められたアプローチ基準に沿った営業活動が可能となるため、マネジメントもしやすくなります。

レポーティング

マーケティングオートメーションを用いて施策を行い、「コンバージョン数/率」や「ページ閲覧数」、「セミナー申込み数」「資料ダウンロード数」などのデータを収集することで、その施策の効果を自動的に測定することができます。

また、その結果をグラフにすることで、わかりやすく可視化することもできます。これまで個人が感覚で管理していたデータがシステムでわかるようになるため、マーケティング活動の成果も明確になります。

注意点として、マーケティングツールやシステムよくあるのが、ダッシュボードやレポートを複雑に組みすぎてしまうことです。担当者が使えなければ意味がないため、しっかりと”使える”レポートづくりを心がけましょう。

②「SFA」や「CRM」との違い

「SFA」と「CRM」も営業プロセスを効率化するツールですが、マーケティングオートメーションと役割を混同してしまっている方もいるかもしれません。

ここで、「SFA」と「CRM」この2つのツールの特長を解説します。

「SFA」や「CRM」との違い

前述したデマンドジェネレーションの活動プロセスは上の図のようになっています。

マーケティングオートメーションは先ほども紹介した通り「営業案件を創出するためのツール」で、「SFA」や「CRM」よりも前の工程で利用するケースがほとんどになります。

SFA(セールス・フォース・オートメーション)は営業支援システムです。
既存顧客や見込顧客の営業活動に関連する情報を記録・管理することができ、過去の商談の履歴や、現在進行中の案件の進捗状況、営業活動で得た重要な情報、アポイントメントや期限といったスケジュールなどの多くの情報を管理・一覧表示・編集することができます。

CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)は、顧客関係を管理するツールです。
最終的に売り上げアップを目指すという点では同じですが、顧客との接点を軸に再販を行ったり類似企業へのアプローチを強化することが目的となることが多いです。 顧客とのエンゲージメントを高めてリピーターやロイヤルカスタマーを育成するために用いられることも増えてきています。

MAとSFAとCRMとの違い

それぞれのツールは機能的には近いものを有している場合もあり、混同しやすいのですが、役割は異なります。生産性を高めたり、見込み客を育成したり、そもそも案件数を増やすという目的に寄与できるのが、マーケティングオートメーションの特徴です。

また、マーケティングオートメーションとSFAやCRMは併用して使うケースも多いです。特にSFAはMAとシステム連携すると、リード創出から営業商談までを管理できるので、非常に便利になります。

2.マーケティングオートメーション(MA)ツールが必要な理由

ここまでの説明で、「マーケティングオートメーションは便利なもの」というイメージを持っていただけたかと思いますが、そもそもなぜマーケティングオートメーションが必要なのでしょうか?

ここで、BtoB企業の営業活動においてマーケティングオートメーションが必要な理由をご紹介します。

(エムタメ!:第2回:マーケティングオートメーション(MA)ツールが必要な理由より)

①時代による営業スタイルの変化

マーケティングオートメーションが必要となった背景として、営業スタイルの変化が挙げられます。

まずは営業スタイルの遷移を振り返りながら、マーケティングオートメーションの必要性について説明します。

アナログ型

インターネットが普及する以前、営業は個人の営業力や経験に基づいて成果を上げることが一般的でした。
とにかく数をこなす戦略が主流の時代です。たとえば、1日に飛び込み営業を数百件したりテレアポを100~200件もかけたり、既存顧客を数十件回ったりして商談獲得件数の目標を実現していました。

営業担当が、リスト作成からアプローチ、商談、追客、アフターフォローまでを一人で行うため、業務が属人化してしまい、忙しさに比例して放置されてしまう案件が増え、営業成果の格差は広がるばかりでした。

すべての業務を高いレベルで、かつ生産性も高く実行するのは非常に難しいことです。 特に追客(顧客育成)に関しては、時間もかかるうえに成果が直ぐに出にくい傾向にあるため、真っ先に削られてしまう業務だったといえます。

アナログ型営業スタイル

集客型

インターネットの普及により、見込み客は自らの手で情報を探し出すようになりました。 そのため、企業はマーケティング部門を作り、ホームページに力を入れて検索順位を上げようと努力したり、広告で自社サービスを認知させるための施策を打つようになりました。

マーケティング部門が設けられ、展示会やホームページやSNSなどからリードを獲得して顧客情報を営業部門に渡すことで、プッシュの営業活動の負担が減り、より追客や提案に力を入れることができるようになりました。

しかし、マーケティング部門ができたことにより「供給される商談」や「見込み客の数」が増える企業がほとんどでしたが、「供給される商談の質」がバラバラで検討レベルが低い見込み客を供給された営業担当は「マーケティング部門への不満」が募り、供給される見込み客リストの重要度が下がってしまうケースも出てきました。

前述した通り、追客活動は成果が出るまでに時間がかかるので、営業部門としても今すぐ検討してくれそうな案件にのみ時間と労力を使い、そうでない案件は放置してしまうという流れが激化していきました。
結果的に見込み客の総数は増えましたが、放置されてしまう見込み客の数も比例して増えていくことになります。

経営層や営業部門が追客の重要性を理解してはいても、かける時間に対する見返りが少ない(ようにみえてしまう)ため「なかなか解消できない課題」となってしまっていました。

集客型営業スタイル

情報活用型

この放置問題を解消する方法として、これからの時代に求められるのが分業と情報活用型の営業活動です。
追客業務が得意な営業担当者を追客専任に据えて、放置されてしまう見込み客を組織的かつ戦略的に育成していくことで、営業部門に供給されるリードの質と量をコントロールしていく活動といえます。

属人的だった見込み客情報を、しっかりとログデータとして取得・分析できる技術が発達したため、過去の履歴からユーザーの趣味嗜好や行動を把握し、ユーザーが求めている情報を配信することが可能になったことも大きな要因です。

そして、そのデータを蓄積・活用し見込み客をナーチャリング(育成)する追客専任担当はインサイドセールスと呼ばれており、現在はこの組織を新たに設ける企業が増えています。 ナーチャリングとは見込み客の検討度を上げていく活動のことですが、営業部門がナーチャリングの済んだ見込み客のみを担当できるようになれば、追客や中長期的なアプローチの時間を削減でき、かつ、ナーチャリングに必要な知識やノウハウを覚える必要もなくなります。

結果的に、営業は商談のみに集中できるようになるため、成果が個人の営業力に偏ることが少なくなり、安定した強い営業組織を作ることができるようになります。

※インサイドセールスの詳細は以下の記事を参照ください▼
インサイドセールスとは?BtoBマーケティングにおける必要性

情報活用型営業スタイル

このような情報活用型へとシフトするためには、マーケティング部門とインサイドセールス部門の新設や増員といった組織編制(リソース)や見込み客の行動や動向を蓄積・分析するためのツールの導入が必要になります。

このためのツールとして最適だといわれているのが、マーケティングオートメーションです。


②ログデータの取得・分析技術の向上

マーケティングオートメーションを設置しているサイトに見込み客が訪問すると、訪問者の企業名や個人名だけでなく、資本金や従業員数といった企業データまでを取得可能な場合があります。

さらに、その見込み客がサイト上でどういう行動を取ったのか、閲覧ページや閲覧順、滞在時間、ページ読了率、流入元情報、訪問回数などの詳細な分析まで取得できます。

マーケティングオートメーションにはメール配信機能がついているものも多く、メール開封率やURLクリック率だけでなく、メールをクリックしてサイトに流入した見込み客のサイト上の行動も分析可能です。

さらに、データを取得するだけでなく、先述したデータをグラフや分析レポートとして可視化できるので、自分たちが行っている施策に効果があったのかを検証するために分析機能は非常に有効です。

3.マーケティングオートメーションのメリット(効果)・デメリット

ここまでで、マーケティングオートメーションが世の中に求められる理由についてご理解いただけたのではないかと思いますが、まだ、自社に導入の必要があるのかどうかを判断するには材料が足りないかもしれません。

ここでは、マーケティングオートメーションのメリット(効果)とデメリットをご紹介しますので、判断材料として役立ててください。

【メリット(効果)1】見込み客に嫌われずに購買意欲を高めることができる

見込み客の検討段階がわからないと、的外れなタイミング・内容でアプローチをしてしまう可能性が高いですが、マーケティングオートメーションを使って見込み客の行動ログに合わせた情報をメールなどで送ることで、より興味がある内容を提供して購買意欲を高めることができます。

情報の爆発と言われて久しいですが、顧客は毎日膨大な量の情報を受け取っています。押し売りが嫌われるのと同じで、適切なタイミングで適切な情報を届ける必要性がますます高まっています。

そんな時に、マーケティングオートメーションは非常に役立ちます。

【メリット(効果)2】見込み客の取りこぼしを防げる

お問い合わせをしてくれたが契約には至らなかった見込み客、名刺交換をしただけの見込み客、メールマガジンに登録してくれた見込み客などは、こちらからコンタクトを取らずに放置すれば、自社の顧客になってもらえないどころかそのまま競合他社の顧客になってしまう可能性があります。

見込み客の動きがなければ、製品・サービスに興味がなくなったと考えられますが、マーケティングオートメーションで見込み客のアクション(メールマガジン内のURLをクリックした、Webサイトの製品ページを閲覧したなど)が把握できれば、製品・サービスに興味があること、さらに、どういった情報を求めているのかまでがわかるので、アプローチしやすくなり、取りこぼしを防げます。


特にBtoBの顧客は検討のフローも複雑で、動き出したと思ったらあっという間に業者選定が終わっている、ということも多々あります。取りこぼしのないようにアプローチするためにも、マーケティングオートメーションはとても有効です。

【メリット(効果)3】属人化しない営業組織を作れる

営業マンにも受注率の高い人とそうでない人がいて、教育などでその差を埋めようとすれば時間と労力がかかります。

マーケティングオートメーションを導入してインサイドセールス部隊が見込み客のナーチャリングを終えたところで営業部(フィールドセールス)にパスすれば、検討度の高い段階にいる見込み客ばかりなので、営業力の弱い人でも受注しやすくなり、営業組織全体の生産性が上がります。

また、先述の通り客観的な判断軸でアプローチをするような仕組みづくりが可能なので、マネジメントもしやすくなります。その名の通り”オートメーション”できるところは自動化し、属人性の低い営業体制をつくっていくことが可能です。

【メリット4】受注率・案件化率が向上する

メリット3でご紹介した内容と近いのですが、マーケティングオートメーションを用いてナーチャリングし終わった見込み客は、極端にいえば「誰でも受注できる」状態です。もともと営業の強い人に加え、弱い人も受注が取れるようになるため、受注率・案件化率が上がります。

また、過去のWebサイトの閲覧履歴なども確認できるので、顧客が関心を持っているトピックを把握することも可能です。メインで提案しているサービス以外のクロスセルにもつながり、受注単価の向上も見込めます。

【デメリット1】費用対効果が出るまでに一定の期間が必要

一見魔法のツールのようなマーケティングオートメーションですが、当然デメリットもあります。

まずは、マーケティングオートメーションを使って上記メリットでご紹介した成果が出るまでには、時間がかかるという点です。ナーチャリングには、ある程度の期間がかかり、その間のナーチャリング用コンテンツ作成費や作業工数(人件費)といったコストが、先行して出ていきます。

そのため、短期的な利益だけではなく、中長期的な視点で戦略が必要です。特に決裁者や経営層が理解をしていないと、成果が出る前にツールの解約にもなってしまうので、しっかりと全社的に理解を得るようにしてください。

【デメリット2】コンテンツがないと施策が回らない

マーケティングオートメーションを導入するとOne to Oneマーケティングができるようになります。ですが、見込み客一人ひとりのナーチャリングを成功させるためには、見込み客の検討段階に応じて与える情報=コンテンツが必要不可欠です。そして、見込み客の各層に興味を持ってもらい、メリットに感じてもらえるコンテンツをつくるにはそれ相応の労力が必要になってきます。

マーケティングオートメーションに限らずですが、マーケティング施策にはコンテンツが不可欠です。まずは顧客に対してコンテンツを提供することで、自社への信頼感や高感度が向上してい、商談へと繋がっていきます。

その労力を惜しんでしまっては結果にも繋がらないので、注意するようにしましょう。

【デメリット3】リストのデータ化・移行・クレンジングが必要

マーケティングオートメーションを導入したら、まずは過去に名刺交換したりメルマガ登録や問い合わせのあった見込み客などをリードとして登録していきます。ただし、名刺など紙ベースで管理してきた顧客情報くぉ1件ずつ入力していく手間がかかり、データとして持っていたとしても、移行にはそれなりの手間がかかります。

また、一度登録した見込み客情報は、異動や組織変更、退職などで担当名が変更になることもあるので、継続的にクレンジング(更新)する必要があり、これが手間となります。

作業によっては外注業者を活用するということも可能です。自社のリソースで実施することが難しい場合は、専門業者に依頼するようにしましょう。

【デメリット4】リード獲得の仕組みを作る必要がある

マーケティングオートメーションの導入後も、新規リードの獲得もコンスタントに行えなければ、リードが不足していきます。リード獲得の仕組みとして、たとえば、Webサイトからの流入数を増やし中間コンバージョン(お問い合わせなどの最終コンバージョンの前段階として、ホワイトペーパーダウンロードなど)を設定しておくなどを用意しておく必要があります。

展示会などのイベントや社内の営業名刺を回収することで一気にリードを集めることも可能ですが、コストがかかるのと、できるのは初めのうちです。ツールだけの力に頼るのではなく、しっかりとWebの施策も強化するようにいたしましょう。


中間CVに関しては下記の無料資料も参考にしてください!

> 中間コンバージョン活用法

4.マーケティングオートメーションの活用方法

BtoB業界におけるマーケティング活動では、「デマンドジェネレーション」という考えが重視されるようになりました。 デマンドジェネレーションとは、次の3つのステップを段階的に進めながら商談へつなげていく手法のことです。

  1. リードジェネレーション(見込み客を集める)
  2. リードナーチャリング(見込み客を育てる)
  3. リードクオリフィケーション(見込み客を選別する)

マーケティングオートメーションとは?

マーケティングオートメーションは、見込み顧客自身の固有情報や見込み客から収集した各種情報の一元管理、育成、さらにはホットリード(購買意欲の高い見込み客)の絞り込みまでの活動を自動的(効率的)に行う役割を果たします。

デマンドジェネレーションについては、こちらの記事もご覧ください。

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①リードジェネレーション(見込み客を集める)

リードジェネレーション(Lead Generation)とは、見込客を獲得するマーケティングプロセスのことです。自社の商材を認知していない層を含む潜在顧客の中から、購入・契約に関心のある層=「見込客」を抽出します。

具体的な手法としては、広告出稿やWebサイト運用とSEO対策、展示会への出展、セミナー開催などがあります。先ほど紹介した「中間CV」などもリードジェネレーションを行う施策の1つです。結局のところ接点がなければオートメーション化するものもないので、まずはリード獲得の施策に注力するようにしてください。

上記の方法で集客した見込客データをリード情報として、マーケティングオートメーションへ登録しましょう。

リードジェネレーションについては、こちらの記事もご覧ください。

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②リードナーチャリング(見込み客を育てる)

リードナーチャリングとは、リードジェネレーションで獲得した見込客のうち、すぐには受注に結びつかない検討段階の低い層に対し、情報提供を行って検討段階を進めてもらうマーケティングプロセスのことです。

特にBtoBの場合は検討フェーズが長いため、リードナーチャリングに力を入れ、見込客との信頼関係を構築しながら疑問や不安を取り除くことが重要です。

マーケティングオートメーションには、メール送信機能が付いているため、ステップメールやセグメントメールなので、見込客の検討度などに応じた情報をタイムリーに届けることができます。

また、フォーム作成機能も付いているため、ホワイトペーパーで情報提供を行い、その情報に興味を持っている見込客を抽出するのもスムーズです。最後はセミナーに集客し、無料相談から相談につなげる、という流れも鉄板になります。

注意点としては、顧客の動きは複雑で全てが想定通りに進んでいくことは稀です。まずは各ステップで必要であろうコンテンツを適切な場所に用意することから始めると良いでしょう。

リードナーチャリングについては、こちらの記事もご覧ください。

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よろしければこちらも併せてご利用ください。

>BtoB企業向けメールマーケティングガイドライン(無料)

③リードクオリフィケーション(見込み客を選別する)

リードクオリフィケーションとは、リードナーチャリングにより検討度が高まった見込客の中から、確度の高い層を選別するマーケティングプロセスのことです。抽出したホットリードは、営業部門へパスして商談フェーズへと進めます。

マーケティングオートメーションには、スコアリング機能やログ機能があり、自社にとってのホットリードの定義(条件)を設定して自動抽出する機能が備わっています。

たとえば、「ITツールベンダーで従業員数100名以上の企業、展示会でブースを訪問してくれていて、かつメールのURLを3回以上クリークしており、Webサイトでは「導入の流れ」のページを閲覧してくれた」層をホットリードとして設定しておき、すべての条件を満たしたら通知してくれるようにする、といった活用ができます。

このルールを明確にしておくことで、アプローチの基準のばらつきなどもなくすことができるため、営業マンごとの商談数も安定させることが可能です。

リードクオリフィケーションについては、こちらの記事もご覧ください。

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5.マーケティングオートメーション関連の用語集

ここで、マーケティングオートメーションを利用する際に知っておきたい用語をまとめてご紹介します。

ホットリード

興味関心の高い見込み顧客のこと。
情報収集が本格的になっており、自社に対しての接触も多く、商談につながりやすい状態にあります。

MQL

MQLとはMarketing Qualified Leadの略で、マーケティング活動によって創出された案件で、営業に引き渡すだけの価値があると判断されたリードを指します。

参考記事:MQLとは?SQLとの違いやリードの種別を解説!

SQL

SQLとはSales Qualified Leadの略で、MQLの中でもインサイドセールスか営業部門が対応をし、案件化するかどうかを見極める必要があるリードを指します。

SAL

SALとはSales Accepted Leadの略で、MQLの中でも訪問する価値があると判断された営業部門が欲しがるリードを指します。

スコアリング

ユーザーの行動に対して点数をつけてその点数が定めた点数までいくとホットリードと認定する方法のことです。

ABM

ABM(アカウント・ベースドマーケティング)とは「自社にとって価値の高い顧客を選別し、顧客にあわせた最適なアプローチをする」という概念です。

参考記事:ABMとは?手法・メリット・目標・ツールなど知っておきたい知識をまとめました!

ステータス

見込み客の見込み度の高さによって設定されたランクのことです。

ポテンシャル

「どの業種のどれくらいの規模で、どういった担当が成約率または売上が良いのか」といった狙いたいターゲットの設定のことです。

6.マーケティングオートメーションで解決できる課題

マーケティングオートメーションの代表的な機能には以下のようなものがあります。

  • リード管理機能
  • Webサイト構築機能(サイト・ページ・フォーム)
  • トレース(アクセスログ、アクションログ、企業IP取得)機能
  • スコアリング機能(またはホットリード抽出)
  • メールマーケティング機能
  • シナリオ作成機能(キャンペーン)
  • 分析・レポート機能(BI)
  • 広告管理・分析機能
  • パーソナライズ化(コンテンツの出し分け)
  • 各種ツール(SFAやCRM)との連携

これらの機能を活用して、以下のような課題を解決することができます。

  • 課題1 商談創出数(営業部門への案件パス数)が少ない
  • 課題2 創出した商談(パスした案件)の質が低い
  • 課題3 過去のリードを有効活用(リードナーチャリング)できていない
  • 課題4 商談創出活動の生産性が低い
  • 課題5 情報を蓄積・活用するためのツール活用体制やルールが未整備

課題1 商談創出数(営業部門への案件パス数)が少ない

「ホームページからのお問い合わせがないから、営業部門へ案件がパスできない」と思ってはいませんか? もちろん、お問い合わせの量を増やすためにはホームページの改良も必要ですが、それ以外にも増やす方法はあります。

たとえば、メールマーケティング機能を活用すると、メールアドレスを獲得しているお客様にキャンペーンや新サービスの告知を行い、幅広くアプローチすることができます。 また、その後、メールを開封してくれたかどうかなど、個人の行動に合わせて送るメールの内容を変えることで、一人ひとりに最適な情報が届けられ、ニーズを喚起しやすくなるのです。

さらに、トレース機能を活用してユーザーの行動から「ニーズが芽生えたかどうか」を判断していきます。どんな行動が望ましいか、あらかじめ営業と認識をすり合わせておくと、条件に合致したユーザーを営業部門にパスできるようになります。

課題2 創出した商談(パスした案件)の質が低い

まずは質の高い案件はどういった条件なのか、しっかり定義する必要があります。そして、その条件をスコアリング機能(またはホットリード抽出)に当てはめていきます。こうすることで質の高い案件をMAが高得点で出力してくれるので、質の低いものに対応していた時間が軽減されます。

あとは高得点で出力された案件が本当に質の高いものだったか、成約率は上がったかどうかを営業自身で精査していき質の定義をブラッシュアップしていくと、精度の高いMAツールに仕上がります。

また、スコアリングまではいかなくとも、BtoBの業界によっては商談化率が高い条件が見つけられることがあります。スコアリングは設計がとても難しいため、そこまでの複雑なものが必要ない場合は、安価で最低限の機能がついたマーケティングオートメーションで十分かもしれません。

この辺りは、複数の専門業者に相談をして決めるとよいでしょう。

課題3 過去のリードを有効活用(リードナーチャリング)できていない

リードを有効活用できてない要因として、下記のような例が挙げられます。

  • 展示会やセミナーで交換された名刺の管理ができていない
  • ニーズの有無を個々の営業マンが判断している
  • 獲得したリードにすべて同じ手法でアプローチしている

このようなマーケティング活動を行っていると、直近でニーズが高かった企業へのアプローチは行えても、長期的に検討をしている企業へのアプローチが継続できず、最終的に多くの名刺が机の中に埋もれてしまうことになります。

そこへマーケティングオートメーションを活用すると、それぞれ以下のような変革を起こすことができます。

展示会やセミナーで交換された名刺の管理ができていない

「リード管理機能」を活用して解消します。
まず、今まで接点を持ったお客様の数を把握しましょう。長期的にアプローチすべき案件が、母数に対してどの程度あるのかを可視化すると、今後の追客活動もスムーズになります。

ニーズの有無を個々の営業マンが判断している

「トレース機能」「スコアリング機能」「分析・レポート機能」を活用して解消します。
ユーザーがWebサイトに訪れる回数や見ているページの情報が蓄積されるので、個人の主観的な判断ではなくデータに基づいてニーズを判断することができます。

獲得したリードにすべて同じ手法でアプローチしている

「シナリオ作成機能」「パーソナライズ化」「メールマーケティング機能」「スコアリング機能」を活用して解消します。接点を持ったすべてのユーザーに電話でアプローチしていませんか?検討段階によってユーザーが欲しいと思う情報・コンテンツが異なるように、最適だと感じるアプローチも異なってきます。

たとえば、シナリオ設計とメールマーケティング機能を組み合わせることで、あるアクションをとったユーザーにはAというコンテンツをメールで配信し、アクションしていないユーザーにはBのコンテンツをメール送信する、などの施策が行えます。

同様に、パーソナライズ化機能で、ユーザーごとに「AというコンテンツをWeb上で見せる・見せない」という設定ができます。さらにスコアリング機能を活用し、高得点のユーザーでもメールだけではニーズの把握がしづらいときには電話でヒアリングするという方法も取れます。

こうした施策で、ユーザーに嫌われない良好的なコンタクトを継続的にとっていくことができます。

課題4 商談創出活動の生産性が低い

前述した課題3と重なる部分もありますが、これまで顕在層へのアプローチを中心に行っていると、今後も常に顕在ユーザーへアプローチを続けるという自転車操業に陥ってしまいがちです。さらに、顕在ユーザーの母数は限られたものです。

マーケティング手法が変化したいま、情報収集するユーザーが増えてきていることを考えると、いかに潜在ユーザーを囲い込めるかが大事になっていきます。 芽生えたニーズを刈り取るだけでなく、しっかり育てるところから考え、潜在ユーザーが欲しいと思うコンテンツは何かを分析・レポートしていく必要があります。

マーケティングオートメーションを活用することで、潜在層の中長期的なナーチャリング活動が可能となるため、安定した商談創出を実現することができます。

課題5 情報を蓄積・活用するためのツール活用体制やルールが未整備

「マーケティング部門が施策(展示会やセミナーなど)を行ったあと、アプローチを担当するのは営業部門なので、トータルの費用対効果を把握できていない」 こんな経験はありませんか?

そんなときは、まず、施策の可視化を行うことからスタートしてみてはいかがでしょうか? マーケティングオートメーションはマーケティング担当のみが活用すると思われがちですが、そんなことはありません。営業部門も個人のアカウントを持ち、活用することができます。

すると、営業自信の追客案件の状態を把握できますし、動きのあった案件には情報更新を行えば、ツールを介し双方で顧客の施策状況を把握することができるようになります。

可視化しようとすると、共通のルールが必要になってきます。 課題2でお伝えした通り、前提に各部署の定義(ルール)を決めることは非常に大切になります。ルールがないと、どんなツールを導入しても活用できないままに終わってしまいます。

現状のマーケティング状況を把握し、自社に合ったスタートは何かを見定めてください。

7.マーケティングオートメーションのKPI・KGI例

ここまで、これまでマーケティングオートメーションの基礎部分について触れてきましたが、ここからは、マーケティングオートメーションのKPI・KGIの立て方例をお伝えします。

マーケティングオートメーションの導入時に押さえておきたいKPI・KGIとは?

まず、そもそものKPI・KGIという用語について簡単にご紹介します。

KGI(Key Goal Indicator)は、直訳すると「重要目標達成指標」となりますが、簡単にいうと「目指すべきゴール」のことです。ゴール(目標達成)したかどうかを明確にするために数値で判断できる要素を設定することが多く、売り上げやシェア率などがKGIになるケースが多いです。

KGIを設定せずにマーケティング活動を行うと、どこに向かうため・何を解消するための活動なのかが不明確になってしまい、施策を決定・精査する際に正しい判断ができなくなってしまいます。

次にKPI(Key Performance Indicator)です。こちらも直訳すると「重要業績評価指数」ですが、簡単にいうと「ゴールへの進捗を表す指標」となります。最終的なゴールに対する中間地点を決めておくというイメージです。

Webマーケティングで使われるKPIには、アクセス数や問い合わせ件数、商談数が設定されるケースが多いです。MAツールを使用するとなると、メールからのセミナーの申し込み率や、過去のリードからの案件か率なども重要なKPIとなっていきます。

KPIを設定せずにマーケティング活動を行うと、最終的な結果(KGI)のみで判断せざるを得なくなるので、施策のPDCAを回すタイミングが大幅に遅れてしまうだけでなく「何が起因して、どの部分が改善されたか」も曖昧になってしまいます。


KPI・KGIを明確に設定することで、実施する施策の優先順位をつけたり、良し悪しをつけることも可能です。 逆に曖昧にしてしまうと、方向性にブレが生じてしまうので、必ず最初に決めるようにしましょう。


より理解を深めたい方は以下の記事も参照ください▼
【わかりやすく解説】KPI(指標)とKGI(目標)とは?マーケティング分野での設定方法や決め方など

マーケティングオートメーション導入の目的

ここまでの説明ですでにイメージが湧いている方もいらっしゃるかもしれませんが、良いKPI・KGIを設定するためには、そもそもの活動の目的をしっかりと定義する必要があります。 つまりマーケティングオートメーションの導入目的から逆算してKPI・KGIを設定すべきなのです。

では、一般的にはどのような目的でマーケティングオートメーションを導入することが多いのでしょうか?

本質的な導入目的は「売上アップ」だと思いますが、さらに焦点を絞ると、

  1. 商談創出数(営業部門への案件パス数)の増加
  2. 創出した商談(パスした案件)の質の向上
  3. リードナーチャリング(見込み客育成)による過去リードの有効活用
  4. 商談創出活動の生産性向上(自動化)

の4つに分類されるのではないでしょうか?

「どの部門が利用するのか?」「どのくらいの予算やリソースを使えるのか?」によって、比重は変わってくるかと思いますが、上記の4つを組み合わせてKPI・KGIを考えていきましょう。

マーケティングオートメーションのKGI例

ここでようやく本題となります。
マーケティングオートメーションのKGIとして、以下のような例が挙げられます。

  • マーケティング活動から創出された売上の比率
  • マーケティング活動が創出した売上
  • マーケティング活動が創出した商談数
  • パスした案件の案件化率、受注率
  • ナーチャリングによって創出された商談数
  • (ブランディング目的の場合)NPSの顧客満足度指数
  • CPA(コンバージョン獲得単価)、CPO(顧客獲得単価)
  • CAC(Customer Acquisition Cost)顧客獲得に要した営業・マーケティングの人件費や間接費も含むトータルコスト

※利用する組織や目的によっては、KPIに該当しそうなものもKGIとして設定することもあります。

マーケティングオートメーションのKPI例

KPIの例としては以下のようなものが挙げられます。
※マーケティングオートメーションを利用する場合に初期設計として、コアターゲットやステータス(ランク)を定義することがありますので、今回はそちらが定義されている前提でKPI例を紹介します。

  • マーケティング活動が創出した商談数(案件パス数)
  • ステータスアップ、ランクアップ数
  • 特定のステータス(ランク)のユーザーのランクアップ数とランクアップ率
  • パスした案件の案件化率、受注率
  • マーケティング部門から創出した受注の平均単価やLTV
  • CPA(コンバージョン獲得単価)、CPO(顧客獲得単価)
  • マーケティング活動のROI、ROAS
  • webサイトへのアクセス数、CVR(コンバージョン率)
  • メール配信数、開封率、URLクリック率
  • シナリオ作成数
  • スコア◯○点以上のユーザー◯○人
  • 特定のキャンペーン(イベントやデモ参加など)への申込数
  • 保有リード数

マーケティングオートメーションに限らず、マーケティング活動や営業活動において、KPI・KGIの設定や見直しは非常に重要な要素です。

しかし、マーケティングオートメーションの利用目的だけでなく、利用する会社や担当者のリテラシーもさまざまです。その結果、正しい目標が設定されず施策もブレてしまうケースも多く見られます。そこで、どのような目的で利用するかという大枠の部分からプロに依頼することも一つの手法です。

どんな機能や管理画面のマーケティングオートメーションを選定するべきかも目的やリテラシーによって異なってきますので、このあたりを迷われていらっしゃる方は一度エムタメのコンサルタントにご相談いただければと思います。

8.マーケティングオートメーション運用のためのカスタマージャーニー

マーケティング活動やマーケティングオートメーション運用を成功させるためには、「カスタマージャーニーマップ」を作成する必要があります。ここでは、カスタマージャーニーとは何か、またその必要性、作成方法などを説明していきます。

カスタマージャーニーマップとは?

ターゲットとなる見込み客が自社製品やサービスを認知する段階から発注するまでの段階のなかで、ユーザーの感情や行動を時系列に沿って可視化したものをカスタマージャーニーマップといいます。

カスタマージャーニーの作り方とテンプレートは下記からダウンロードできます▼
>「カスタマージャーニーの作り方」を無料でダウンロードする。

カスタマージャーニーマップ

なぜカスタマージャーニーマップが必要なのか

ユーザーの心理行動を把握したうえで施策を打たなければ、マーケティング活動の効果が薄くなったり、逆効果にもつながりかねません。

たとえば、良くないマーケティング例として、課題があり解決策を模索しているユーザーに対し、いきなり自社製品のキャンペーンメールを送ってしまうと見てもらえる可能性が低くなったり、もしユーザーに合わない製品であれば逆効果になってしまう可能性が高いです。

そのような売り手の考えだけではなく、ユーザーの検討度合いや心理、行動に合わせた情報提供などのマーケティング施策を行う必要があることがなぜカスタマージャーニーマップが必要な理由です。

カスタマージャーニーマップの作り方

それではカスタマージャーニーマップの作り方を順番に説明していきます。

ペルソナ設定

ペルソナ設定とは、具体的なターゲットの人物像を想定することです。
たとえば、仕事面では部署や職種、会社での役割、仕事への接し方、周りから評価、調べ事をする時の手段を、プライベート面では、休日の過ごし方や家族構成、趣味などの具体的なターゲット像を想定します。

フェーズの想定

設定したペルソナが実際に貴社製品を認知し、導入に至るまでの経路を細分化します。 マーケティングオートメーションは、ユーザーの検討度合いによって適切なアプローチ手法や情報を提供する必要があるため、MA運用する際には必ず行ってください。

【例】
フェーズ1無関心
フェーズ2課題認識
フェーズ3ニーズが高まる
フェーズ4課題模索
フェーズ5用件定義
フェーズ6導入検討
フェーズ7業者選定
フェーズ8購買

導入フローの想定

BtoCであれば本人の購入意思があれば購入までのフローは短いことが多いですが、BtoBの場合、担当で決済が下りることは少なく、購入までのフローが長くなる傾向があります。
法人が製品を導入するとなると、情報収集する人や、実際に使う人、意思決定を行う人、決済を行う人などさまざまな人物が関わります。 したがって、購買担当が課題認識から購買に至るまでの社内フローを確認する必要があります。

たとえば、情報収集を行って上司に相談を行い、部署単位で検討して、要件定義を作り、各社の提案を受け、業者選定を行い、稟議の承認を得て、購買するといったフローが挙げられます。これは、業界やターゲットごとに異なってくるので、自社のターゲットを分析したうえで想定する必要があります。

行動の想定

導入フローを可視化することができたら、次に購買担当が具体的にどのような行動を行うか想定する必要があります。この行動の想定を行うことで、最適なアプローチ手段や販促手段を把握することができるのです。

【フェーズ1】
無関心
・ネットで情報検索、・Web広告の閲覧・ブログやお役立ち情報を閲覧して情報収集。
【フェーズ2】
課題認識
・社内相談、・メルマガ登録、・お役立ち情報の確認
【フェーズ3】
ニーズが高まる
・資料請求、・セミナー参加
【フェーズ4】
解決模索
・自社体制で改善可能か確認、・お問い合わせ、・商談
【フェーズ5】
用件定義
・用件定義書類の作成、・担当部署のヒアリング
【フェーズ6】
導入検討
・商談、・Webサイトで製品の詳細情報、導入事例、お客様の声などの確認
【フェーズ7】
業者選定
・Webサイトで発注から導入までの流れを確認、・比較資料の作成、・会社概要の確認
【フェーズ8】
購買
・購入、・サポートページの閲覧

思考、感情の想定

担当の発注までの流れの想定ができたら、次にフェーズごとの感情を想定します。 たとえば、検査装置の検討を行っているユーザーを例に挙げると下記のようになります。

【フェーズ1】
無関心
・業界の最新情報を知りたい。 ・研究効率を上げたいが改善の手立てはないか?
【フェーズ2】
課題認識
・最近、世の中が食品に対して敏感になっていて怖いな。 ・自社の生産ラインは導入後、10年近く経過しており、検査基準を満たしているか不安だな。
【フェーズ3】
ニーズが高まる
・この検査装置はどういうものか? ・検査装置のメリットは?デメリットは?
【フェーズ4】
解決模索
・検査装置を導入する際のチェックポイントはどこか? ・検査装置を導入した際の具体的な効果は何か?
【フェーズ5】
用件定義
・要件定義の際に気をつけるポイントはどこか?
【フェーズ6】
導入検討
・自社の社員は装置を使いこなせるだろうか? ・自社に近い事例はあるのだろうか?
【フェーズ7】
業者選定
・導入後のアフターフォローはどうなっているのだろうか? ・今後、長い付き合いになるが、会社の将来像は大丈夫だろうか?
【フェーズ8】
購買
・操作方法でわからないところがある。 ・他社はどのように活用しているのか気になる。

検討フェーズと行動フローと思考、感情を図にすると以下のようなイメージになります。

検討フェーズと行動フローと思考

求める情報と具体的なコンテンツの想定

このように、担当の購買までの流れを「フェーズ、思考・感情」で具体的に洗い出せたら、次に、担当がフェーズごとにどんなコンテンツを閲覧するかを想定します。

具体的なコンテンツの想定

このように具体的にコンテンツを考えてみると、ユーザーの検討度合いによって閲覧するコンテンツはかなり変わってきます。 具体的な閲覧コンテンツを把握することで、ユーザーの検討促進を行うコンテンツがなかったり、ユーザーがどのフェーズに位置しているかわからなかったりと、自社のWebサイトで不足しているコンテンツを可視化できます。 マーケティングオートメーションはユーザーの行動ログから検討度合いの見極めを行うので、Webサイトで不足しているコンテンツがあると、MAツールはうまく機能しません。

最後に、マーケティングオートメーションは、ユーザーへ適切なタイミングで適切な情報提供が行えたり、検討しているユーザーを営業に提供でき、便利で効率的なツールですが、「カスタマージャーニーマップ」を作成しないと、効果が薄かったり、逆にユーザーに悪影響を与えてしまう可能性があるので、マーケティングオートメーションを運用する際には必須項目であることを改めて強調しておきます。

自社ターゲットのカスタマージャーニーマップを作成して、マーケティングオートメーションの運用を進めていきましょう。

カスタマージャーニーについては、こちらの記事もご覧ください。

9.マーケティングオートメーションの運用方法

マーケティングオートメーションを導入したら、運用フェーズに移ります。

運用は、「シナリオの設計・実施」と「効果測定」を繰り返すことで進めていきます。

①シナリオの設計・実施

マーケティングオートメーションにおけるシナリオとは、セグメンテーションしたリード(見込客)、ある行動を取ったリード(見込客)ごとに、次に取って欲しいアクション(例:メール開封、特定のWebページへの訪問、サンプル請求など)を促すための施策のことです。

たとえば、「Webサイトを3回以上訪れていて、お問い合わせのないリードに、オンラインセミナーの案内を送る」「展示会に何度も足を運んでくれているのに個別の問い合わせがないリードに、個別相談会の案内を送る」といったシナリオを設計し、マーケティングオートメーションに設定します。

ただし、まだリードを獲得できる段階になかったり、ハウスリストがな買ったりする場合にはシナリオが有効でないこともあります。まずは自社のリードを集めるところから初め、少しずつステップアップしていきましょう。

参考記事:リードがないのにいきなりMAのシナリオ機能で成果を出そうとしていませんか?

②効果測定

シナリオを実施したら、効果測定を行い、改善点を次のキャンペーンにフィードバックします。

効果測定の指標としては、メール開封率、メール内URLのクリック率、新規リード獲得数などがあります。

「マーケティングオートメーションのKPI・KGI例」でもご紹介していますが、これらの目標に対し、どれだけ達成できたかを確認し、届かなかったものについては重点的に施策を見直しましょう。

10.マーケティングオートメーションのシェア・認知度ランキング~調査結果まとめ~

ここで、実際にマーケティングオートメーションの選定に移る前に、現在、世の中にマーケティングオートメーションとして認知されていて人気の高いものには、どんなものがあるかを押さえておきましょう。
DataSign、ジャストシステムの調査結果から、それぞれベスト3をご紹介します。

DataSignの調査結果

株式会社DataSignが2018年4月に調査したレポートに、利用されているマーケティングオートメーションランキングが掲載されています。上位5位までをピックアップすると、下記の通りです。

出展

>国内約18万サイトで利用されているWebサービス調査(2018年4月度)

MAツールの認知度ベスト3(ジャストシステムの調査結果より)

ソフトウェアベンダーであるジャストシステムは、自主調査結果を公開するメディア「Marketing Research Camp」を運営しています。そのなかでマーケティングオートメーションの認知度についての調査結果が取り上げられており、順位は以下の通りでした。

  • 1位 Patdot
  • 2位 SATORI
  • 3位 Adobe Marketing Cloud

出展

>マーケティングオートメーション利用実態調査 MAツール認知度No.1は「Pardot」、2位は「SATORI」 MAは、知名度よりも、費用やサポートなどの条件で選ぶ

11.マーケティングオートメーションの選び方

上記でご紹介したほかにも、国内でのマーケティングオートメンション(MA)ツールベンダーは増えており、さまざまなマーケティングオートメーションが存在します。 どういった機能を有するツールが自社にとってもっとも効果を発揮するのか、「導入したけれど使いこなせない」という最悪の事態を防ぐためにマーケティングオートメーションの選定ポイントをご紹介します。

【マーケティングオートメーションの業者選定シートが無料でダウンロードできます。】 

こちらの資料も合わせてご活用ください▼
「MAツール業者選定シート」を無料でダウンロードする

目的を決める

マーケティングオートメーションを選定する際に陥りがちな失敗は、機能の充実を理由に選定してしまうことです。機能の充実しているマーケティングオートメーションを選定すること自体は悪くありませんが、目的を明確にしたうえで導入しないと、導入後の運用でどのように行うべきか、何をすべきかがわからないままで、実際のパフォーマンスが落ちてしまいます。

導入する前に、マーケティングオートメーションを使ってやりたいことを決め、使用目的を明確にしてから選定しましょう。

コンバージョン(CV)を決める

コンバージョン(CV)とは、WEBサイトにおけるゴール達成を指します。
たとえば、お問い合わせや資料ダウンロード、会員登録やメルマガ登録、セミナー申し込みなどが該当します。どのポイントにどれだけ比重を置いていくかを設定しましょう。

コンバージョン(CV)ごとにフォームが必要であれば、フォームの作成数によって料金が変わるサービスもあるので、大体の想定をしておくと正しく料金比較ができます。


CVに関しては下記の無料資料も参考にしてください!

> 中間コンバージョン活用法

ターゲットについて考える

ウェブサイトに訪れるユーザーフェーズは、無関心フェーズ、ニーズが高まるフェーズ、要件定義フェーズ、業者選定フェーズ、使用フェーズなどさまざまです。
そして、それぞれのユーザーに対して行う施策も異なります。基本的には、一段階上のフェーズに上げるための施策を行うことになります。

キャンペーンについて

キャンペーンとは、ユーザーの購買意欲を高めるための施策のことです。具体的には、ユーザーにどのタイミングでどのようなコンテンツを届ければユーザーの購買意欲が上がるかを考え、施策を行っていきます。

ユーザーの状態を把握するためのモデルがいくつかあるので、ご紹介します。

スコアリングモデル

ユーザーの属性・行動ごとに細かくスコアリングし、その内容に合わせて情報提供・営業活動を行うモデルです。

具体的には、「メールを開封(2点)、URLをクリックしてHPへ流入(2点)、特定の製品ページを見る(3点)、製品に関するデータをダウンロードする(5点)」のように設定しておき、行動に対して点数をつけて、ユーザーごとの点数を算出し、このスコアでユーザーを把握する施策です。
次で紹介するトリガーモデルに比べ、点数決めなど複雑なシナリオを考える必要があるため作成までにかなりの時間と工数がかかります。

トリガーモデル

スコアリングモデルのような複雑な設定はせずに、特定のユーザー行動ごとに次のフェーズへと移行させるモデルのことです。

具体的には、「1ヵ月の間に10回以上Webサイトを訪れており、かつ、会員になったユーザーにはこの内容のメールを送る」といった施策のことです。

マーケティングオートメーションを運用する組織体制

マーケティングオートメーションにはさまざまな機能があり、これらを使ってやりたいことが増えれば、それだけ時間もかかります。特に、スコアリングやシナリオ設計、ステップメールを送るなど高度な機能を使用して施策を行う場合は、それに合わせて運用体制の整備も必要になります。


BtoB企業の社内体制に関しては下記も参考にしてください!
>BtoB企業がWebマーケティングを実施するための社内体制について

自社に合ったマーケティングオートメーションとは

自社に合ったマーケティングオートメーションを選ぶためには、自社が以下の4フェーズのなかでどこにいるのかを把握することが一つの判断基準となります。

フェーズおすすめのMAツール
マーケティング成熟度が高く、リソースや予算も豊富にあるスコアリング機能、シナリオ作成機能、分析・レポート機能、パーソナライズ化、SFA・CRMとの連携など、豊富な機能を備えた高性能ツール
マーケティング成熟度は高いが、リソースや予算は少ない上記プラス、コンサルティングの導入検討が必要
マーケティング成熟度は低いが、今後、リソースや予算をしっかりと確保する予定があるまずは、マーケティングの運用そもそもを強化する必要があるので、ユーザートレース機能やメールマーケティング機能が簡単に実行でき、かつ、今後も拡張性のあるツール
マーケティング成熟度が低く、リソースや予算も少ないまずは、マーケティング活動のボトルネックを把握して、何から始めるのがもっともROIが高くなるのかを考える必要がある。
マーケティングオートメーションのメーカーやコンサルティング業者、Webサイトのコンサルティング業者に相談してみるのもおすすめ。

無料ツール

有料のツールが多いなか、数は少ないながら無料で利用できるマーケティングオートメーションもあるのでご紹介します。

Mautic

【Mautic】https://Mautic.com/

こちらは、クラウド上で利用できるーケティングオートメーション(MA)ツールで、もともと英語表示なのですが日本語での表示が可能です。サポートは英語のみですが、日本語のマニュアルがあり、Facebookのグループもあるので、わからないことはこちらで解決できます。

※18年12月で無料版終了(関連記事:Mautic無料版が12月15日に終了。データ消失を防ぐためにはMautic Cloud ProかSandbox有料版へのアップグレードが必要。

【BowNow】https://bow-now.jp/

無料で利用できるのはデモ版のみ(期間限定)というツールが多いなか、BowNow(バウナウ)は無期限で利用できるフリープランを提供しています。ホットリードの抽出に優れ、利用企業様は人員を増やすことなく、Webサイト改修の必要なく、保有している見込み顧客リストを使ってミニマムスタートできる点が大きな特徴です。

12.マーケティングオートメーション選定のための業者比較シート

マーケティングオートメーションのベンダーを数社ピックアップし、コンペや相見積もりを行ったら、最終的に1社を選ぶわけですが、その際に役立つのが「業者比較シート」です。

各社でバラバラの項目の見積書を比較してもわかりにくいため、基準を統一してそれぞれの業者を評価することで、優劣をつけたりどこが一番自社のニーズに合っているかを見極めたりすることができます。以下のリンクから業者比較シートをダウンロードできますので、使ってみてください。

>業者比較シートダウンロード

13. マーケティングオートメーションの導入スケジュール

実際にマーケティングオートメーションを導入し、見込客のナーチャリングを行う場合は、準備期間として6ヵ月間をみておいてください。
おおまかなスケジュールは以下の表の通りです。

~ヵ月目タスク(大枠)タスク(詳細)備考
1課題認識課題認識解決したい課題の洗い出し
現状確認
2目的設計目的の明確化
マーケティング計画行いたい施策の洗い出し
3要件定義データ設計登録するリストのリード(過去訪問、展示会、問い合わせなど)の精査
想定シナリオ設計/想定キャンペーン設計
機能精査
運用部署の範囲確定部署をまたいだ社内調整が必要
ツールベンダー選定
4業者選定コンサルティング業社選定
契約
目標設定
5準備運用体制の確立
ツール実装

・フェーズ設定
・スコアリング設定
・シナリオ設計
・コンテンツ整備

6導入データ連携データクレンジング
トレーニング
キャンペーン実施
運用効果測定

1ヵ月目 課題認識

まずは、現状を把握します。自社の課題を把握しなければ、改善のしようもありません。 そもそもリードの獲得が弱いのか、リードはたくさん抱えていても案件化数が少ないのか、など、自社の営業に関する課題を洗い出すのが先決です。
以下のリンクから、記入していくだけで自社の現状が把握できるチェックシートをダウンロードいただけますので、ご活用ください。

>マーケティングオートメーション導入確認シート

2ヵ月目 目的設計

自社の課題が把握できたら、それに基づいてマーケティングオートメーション導入の目的を明確にします。複数の課題がある場合は、優先順位をつけて一つずつ着手していった方が良いでしょう。

目的に合わせて最適な施策を洗い出し、マーケティング計画を立てます。たとえば、Webサイトへのアクセス数が少ないのならコンテンツを増やす、アクセスはあるのにお問い合わせが少ないのなら、中間コンバージョンとしてホワイトペーパーを設置する、といった具合です。

3ヵ月目 要件定義

要件定義は、(1)データ設計、(2)想定シナリオ設計/想定キャンペーン設計、(3)機能精査、(4)運用部署の範囲確定の4ステップに分かれます。

(1)データ設計では、登録するリストのリード(過去の訪問、展示会、問い合わせなど)を精査し、どれをリードとするのかを定義しておきます。

(2)想定シナリオ設計/想定キャンペーン設計では、ツールの導入後、見込み客の検討レベルを上げるためのシナリオを作っていきます。

誰に対して実行するのか

【BtoBにおける例】
  • 顧客のセグメント別(業種や企業規模、職種や役職などの顧客属性)
  • 顧客の検討レベル別(見込み度合いやステータス)
  • 特定のアクションを起こした人(特定のメールやページを閲覧した、閲覧回数や参加したイベントなど)
  • 特定の条件を満たす、または除外した人(既存顧客、過去提案実績、営業担当者、条件の掛け合わせ)

いつ情報を届けるか?

「開始するタイミング(起点となる行動)を何に設定するか?」には、トリガーとスコアの2つの方法があります。トリガーは、見込み客が何かの行動をしたら情報を届け、スコアでは、一定の点数を超えたら情報を届けます。

【BtoBにおけるトリガー例】
  • 会員登録
  • 購入
  • 問い合わせ(見学や相談、見積もり依頼も含む)
  • 資料DL
  • 特定のwebページやメールの閲覧
  • セミナーやイベントの参加
  • ステータスの変更
  • 閲覧回数(総数や一定期間内での回数、同一企業からの閲覧人数)

スコアの場合は、トリガーに記載したような行動や顧客属性によってスコアを増減させる設定を行い、スコアが一定量溜まったら配信を開始するという設計をします。

BtoBの場合、スコアで設計しようとしても、Webサイトやメールへのアクセス数が少ないケースが多く、スコアが貯まらずになかなか配信できなかったり、スコアは積算での計算をメインにすることが多く偏りやすいことから、トリガーによる設計の方がおすすめです。

何を実行(送信)するのか?

BtoBの場合、4つ「不」を解消するための情報をユーザーに届けることが基本です。

不信の解消

関係構築を行うための情報をユーザーに配信します。

○目的:「この企業から届く情報には価値がある」と感じてもらうことで不信を払拭します。
○例:業界の最新情報、事例、知識・ノウハウ系コンテンツ、技術情報、法令改正、自社への信頼感や親近感を高める情報

不要の解消

製品やサービスを導入する必要性を感じてもらうための情報をユーザーに配信します。

○例:成功事例、導入メリット、用途別・業界別活用方法、解消される問題

不適の解消

必要性を感じてもらった後に、皆様の製品サービスであるべき理由を納得してもらうための情報を配信します。

○例:価格の理由、品質の紹介、実績数の紹介、外部評価、お客様の声、専門性の訴求などに代表される強みの紹介。

不急の解消

「今、契約する理由」を作ることで不急を解消していきます。おもに検討促進や背中押しと呼ばれる情報がメインです。

○例:キャンペーン情報(お値引きや特典情報)、無料相談やデモ貸出し

ちなみにセミナーやホワイトペーパーといった施策と事例コンテンツは4つの不をバランスよく解消することも可能ですし、部分的に解消することも可能な汎用性の高い施策です。 そしてユーザーに配信するだけでなく、社内の担当者向けの通知やアラートとして利用するケースもあるので、何を実行するかは非常に奥が深いです。

どうやって配信するか

「どのくらいの期間で、何回くらい情報を届ける必要があるか?(例:検討レベルが低いターゲットには、週1回周期でメールを送信する)」に加えて、どのようなチャネル(媒体)に情報を配信するかも重要です。

【BtoBにおけるチャネルの主な例】
  • メール
  • 電話
  • アプリ(プッシュ通知)
  • SNS(配信や広告)
  • LINEやSMS
  • DM
  • ディスプレイ広告

(3)機能精査では、マーケティングオートメーションが持つさまざまな機能のうち、自社に必要なものを精査します。不要な機能がたくさんあっても、使いこなせなければただのコストになるからです。

ここまでの準備で、自社が使う機能をピックアップできるはずなので、把握しておき、後で出てくるベンダー選定の際に活用します。

(4)運用部署の範囲確定では、営業部門、マーケティング部門が中心となって運用するケースが多いと思いますが、新たにインサイドセールス部門を立ち上げる企業もあるでしょう。いずれの場合も、部署をまたいで連携するための社内調整が必要になるので、このタイミングで行います。運用に関わる各部門のネックを把握し、それを解消するのがこのときの基本的な考え方になります。

マーケティング部門へはROIや成功事例、必要なリソースと工数など、営業部門ならツール導入による案件増加数の見込みや営業部負担、経営層へは競合他社のツール活用情報や長期的なメリットといった情報を提供しましょう。

社内調整の方法については、こちらの記事もご覧ください。

4ヵ月目 業者選定

いよいよ、実際にどのベンダーからどのツールを導入するかという具体的な検討に入ります。予算と必要な機能を中心に、実績などを加味して選定していきましょう。

この際、ツール活用のコンサルティング業者も併せて選定しておくことをおすすめします。それは、マーケティングオートメーションを導入するには高いマーケティング知識が必要で、特に、初めて導入する場合はスムーズに活用できることは稀だからです。

設計の段階でつまずきオートメーション化できない、運用できないといったことが起こりがちですし、セグメントメールやコンテンツの制作がうまくいかないときに、アドバイスを受ける必要があります。

「うまく機能を使いこなせずに、費用対効果が取れない」といった最悪のケースを迎えないためにも、無理に自社だけで運用しようとせず、コンサルティングとセットで導入した方が安心です。

5ヵ月目 準備

4~5ヵ月目までの間に目標設定を行い、運用体制を確立しましょう。

目標設定では、マーケティングオートメーションを経由した[売上]をKGIに、KPIに[受注数][商談数][CV数][アクセス数]などを置くケースが多いです。

マーケティングオートメーション運用における目標設定については、こちらの記事もご覧ください。

運用体制については、下記6つのタスクを担当する人員が必要です。兼任できるところはして問題ありませんが、それでも必要な人数はなかなか多いものです。社内だけでは回せないケースも出てくるでしょう。そういった意味でもコンサルティングを導入することで、下記の責任者以外の部分をアウトソースする意義があります。

【運用フェースにおけるタスク】
  • 運営責任者
  • LPを含むWeb制作
  • メールマーケティング
  • 効果測定
  • マーケティングコミュニケーション
  • CRM(顧客管理)

6ヵ月目 導入

いよいよ、導入準備も最終月です。ここでは、ツールの実装やデータ連携など、実稼働に向けた直接的な準備を行っていきます。

ツールの実装では、フェーズ設定とスコアリング設定を行い、3ヵ月目までに作成したシナリオ設計をツールに設定していきます。また、見込み客に提供するコンテンツ制作も行っていきます。

データ連携では、やはり3ヵ月目までに整備したデータ設計に基づき、古いデータの更新や重複データの名寄せなど、データのクレンジングを行ってからツールにインプットします。

ここまでできたら、実稼働を想定したトレーニングを行いましょう。 デモ環境を利用して実際にキャンペーンを走らせてみて、きちんとアクションされるかを確認します。

実運用が始まったら、実際にツールを動かしながらシナリオ(キャンペーン)を実施し、効果測定を行って運用改善していきます。

14.マーケティングオートメーション活用のBtoBとBtoCの違い

企業がマーケティングオートメーションを活用する際に気をつけたいのが、BtoBビジネスなのかBtoCビジネスなのかで目的や指標が異なってくるという点です。

BtoCの場合は、ECサイトへの流入や実店舗への来店促進を目的とすることが多く、BtoBの場合は、商談の創出が目的となるケースが多いです。

BtoBの場合、ABM(Account Based Marketing:企業ごとに個別のマーケティング施策を行う手法)による営業活動が効果的なので、企業ごとのアクション(Webサイトの訪問、メールマガジン記載のURLのクリックなど)を把握するために、企業IPの識別や、企業名の自動表示といった機能は必須でしょう。

ABMについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

15.マーケティングオートメーションの機能

ここで、一般的なマーケティングオートメーションが持つ主な機能を紹介します。

主な機能一覧

セグメントメール送信機能登録した見込み客をセグメント化し、それぞれに適切なメールを送るための機能です。
Webサイト構築機能見込み客に情報提供する手段のひとつとして、Webページを追加するための機能です。
トラッキング機能(個人・法人)見込み客データと紐づけたIPアドレスをもとに、各見込み客がどのような行動をしているかを把握するための履歴をとる機能です。
スコアリング機能見込み客の行動に点数を設定しておき、一定の点数を超えたら特定の情報を送信するといった設定を行う機能です。
シナリオ作成(キャンペーン管理)機能マーケティングオートメーションで自動化するルール=シナリオを作成・設定する機能です。
SFA・CRM連動機能自社で導入済みのSFAやCRMの顧客情報を紐づけて管理するための機能です。
パーソナライズ機能見込み客一人ひとりの検討度に応じて、コンテンツの出し分けができる機能です。たとえば、Webサイトの初訪ユーザーと再訪者で異なるメインイメージを表示させたり、異なるデザインのバナーを表示させるといったことができます。
アクセスログ分析機能WebサイトやSNSなどへのアクセス解析を行うための機能です。
広告連動・広告管理機能広告を出稿した際に、見込み客が広告媒体にどのように触れたか、またその影響を把握するために広告と連動したり、広告出稿の詳細を管理するための機能です。

機能の比較表

ツール名MarketoEloquaPardotHubspotB⇒DashSATORI

SHANON
Marketing
Platform

KAIROS3List FinderBowNow
ベンダー名マルケトオラクルsalesforceハブスポットフロムスクラッチSATORIシャノンカイロスマーケティングイノベーションMtame
企業IP検知××××
スコアリング機能×
シナリオ設計機能××
ABM機能××××××××
プッシュ通知××××
ステップメール
広告連携××××
フォーム作成
ホワイトペーパー設置
CRM/SFA連携××

※比較表の情報は2018年4月16日公開時点のものです。

16.マーケティングオートメーション導入の失敗を回避し、成功させるポイント

せっかく時間と費用をかけて導入するのですから、活用を成功させ、成果を出したいものですよね。

ここでは、マーケティングオートメーション導入の失敗を回避し、成功させるための3つのポイントをご紹介します。

ポイント1.自社で使いこなせるマーケティングオートメーションを選ぶ

一つ目のポイントは、導入フェーズにも関わる部分ですが「自社で使いこなせるマーケティングオートメーションを選ぶ」ことです。

今や外国産・国産の多くのMAが提供されており、機能もそれぞれです。高額なMAほどさまざまな機能があり、実現できることも増えますが、その分、導入時の初期設定が複雑で時間もかかります。初期設定が済んだ後も、運用にはMAやマーケティングに関する高いリテラシーを持つ人材が必要になります。

マーケティング部門や営業部門全体のリテラシーやスキルで使いこなせるMAを選ぶことが、まず大切です。

ポイント2.マーケティングオートメーション運用の人的リソースを確保する

【デメリット1】でも挙げた通り、マーケティングオートメーションで成果を出すまでには、一定期間、試行錯誤する必要があります。

仮説を立てて施策を計画・実行し、効果測定を行って分析し、改善した施策を実行する…このサイクルを回しながら、自社や商材にとって最適なWebマーケティングを確立していくのでます。

改善のサイクルを回すには、時間のほかにも担当する人材が必要です。

MA担当者には、営業・マーケティング・ITの経験やスキル、知識が必要になりますが、運用が走り出してから勉強して身につけても構いませんので、意欲を持った人であることが大切です。

ポイント3.コンテンツをつくる体制を整える

マーケティングオートメーションを運用していくなかで、必ずコンテンツを制作する場面が出てきます。

メールやWebページに掲載するコンテンツ、ホワイトペーパー、SNSの投稿など、シナリオを実行するため、あるいはリードをセグメントするために、リードに対して情報を与え、反応を見る必要があるからです。

コンテンツ制作を内製できれば、コストも抑えられ、自社の専門性の高さや特色を打ち出せるためベストですが、ノウハウ不足や人的リソース不足でとてもまかなえないというところもあるでしょう。

そうした場合は、部分的に制作会社などに外注する方法も良いでしょう。ただし、クオリティのコントロールは自社でしっかり行う必要があります。

ポイント4.経営層の理解を得る

3つのポイントのすべてに共通することではありますが、マーケティングオートメーションの成功ポイントとして「経営層の理解」が挙げられます。ツール選びも、リソースも、体制も、現場の努力だけでは限界があります。

成果を最大化するために、経営層が積極的にMTGに参加し、デジタルマーケティングの全体像を理解する必要があります。

17.マーケティングオートメーションの導入事例

ここでは、マーケティングオートメーション導入企業のよくある事例として、成功例・失敗例をご紹介します。

【関連記事】

成功事例

導入準備段階で設定した目標(例:KGI・売上目標、KPI・アポ率、受注数、受注率、受注単価、商談数、CV数、アクセス数など)が上がっていれば、マーケティングオートメーションを通して行った施策が成功したといえます。

失敗事例

逆に、上記のような目標数値が上がらなかったり、それ以前の問題として、運用体制が確立できていない状態や、営業部門からの理解がない状態、施策を回すためのコンテンツ制作ができない状態などは、失敗と言わざるを得ません。ボトルネックを見つけ出して改善する必要があります。

BtoB

BtoB企業の事例として、社員総会や表彰式、株主総会などの企業イベントの企画・運営を手がけるマックスプロデュースの事例をご紹介します。 同社では、マーケティングオートメーションBowNowを活用し、見込み顧客へのメルマガ配信、ターゲット層(社内イベントの企画・運営の外注を検討する企業)が興味を持ちそうな事例コンテンツをWebサイトに掲載するなどの施策を行いました。結果的に、Webサイトからのお問い合わせ数を4.3倍、同受注数を3倍に伸ばすことに成功しました。

BtoC

本記事はおもにBtoB企業向けのため、BrtoCの事例は概要を参考程度にお伝えします。
商品単価が非常に高く、それに伴い顧客の検討期間(リードタイム)も長い傾向にあるといった特徴を持つ不動産・住宅販売において、マーケティングオートメーションの導入効果が上がっています。

【不動産・住宅販売の購入の特徴】
  • 商品単価が高価である
  • 見込み客の検討期間が長い
  • リピート購入が少ない
  • 在庫が有限である

【不動産・住宅販売の購入フロー】

1.広告やオーガニック検索からのWebサイト流入)

2.Webサイトからの資料請求

3.モデルルーム来場予約

4.モデルルーム見学

5.商談

6.契約

上記の特徴から、見込み客の多くが新規顧客である傾向が強い業界です。見込み客とのコミュニケーションにマーケティングオートメーションを用い、一人ひとりに対する個別のナーチャリングを行います。

それぞれの見込み客が検討している予算に合った住宅情報の提供を、スコアリングなどによるシナリオ設計に基づいて適切なタイミングで提供していくことで商談数・契約数を向上させています。

導入事例については、こちらの記事もご覧ください。

18.マーケティングオートメーションを学ぶための本・関連書籍

最後に、マーケティングオートメーションを学ぶために役立つ書籍を2冊ご紹介します。

マーケティングオートメーション導入の教科書
優良顧客を自動で育てる仕組みづくり(MdNコーポレーション)

マーケティングオートメーション導入の教科書

画像引用先:amazon

こちらは、マーケティングオートメーションの導入方法について、初心者向けに書かれた本です。手っ取り早くマーケティングオートメーションの全体像を掴みたい方におすすめ。複数著者による共著のため、マーケティングオートメーションをいろいろな視点から見るヒントにもなります。

マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方
(クロスメディア・マーケティング)

マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方

画像引用先:amazon

こちらは、より実践的な書籍です。実際にマーケティングオートメーションに設定して活用できるカスタマージャーニーを作成する方法を、事例の図やイラストを交えて解説しています。
マーケティングオートメーション「Marketo」を提供する企業、株式会社マルケトの代表も推薦している本です。

19.マーケティングオートメーションを学べるセミナー

本を読むのは少し苦手という方、本よりも対面でレクチャーを受けたいという方におすすめしたいのがセミナーへの参加です。

マーケティングオートメーションツールベンダーをはじめ、コンサルティング会社などが主催する無料セミナーが増えて来ています。

ここでは、定期的にマーケティングオートメーション関連セミナーを開催している企業をいくつかご紹介いたします。

 

Mtame株式会社

画像引用:Mtame株式会社

本サイト、エムタメ!を運営するMtame株式会社が展開する無料セミナー。
マーケティングオートメーションツール「BowNow」の提供のほか、Web制作・Webコンサルティングを行うMtameでは、MAツールの活用方法や、インサイドセールス、WebサイトなどとMAツールを関連づけた内容などで不定期にセミナーを開催しています。

→現在はクラウドサーカス株式会社のWebサイトにて、最新セミナーを公開中です。

>セミナー一覧ページはこちら



株式会社セールスフォース・ドットコム

株式会社セールスフォース・ドットコム

画像引用:株式会社セールスフォース・ドットコム

マーケティングオートメーションツール「Pardot(パードット)」を提供するSalesforce社も、Pardotの活用セミナーをはじめさまざまなセミナーを開催しています。パートナー企業の主催セミナーにもマーケティングオートメーション関連の内容が見つかりますので、チェックしてみてください。

株式会社パワー・インタラクティブ

株式会社パワー・インタラクティブ

画像引用:株式会社パワー・インタラクティブ

デジタルマーケティング全般のコンサルティングを手がける企業パワー・インタラクティブでは、MAの基礎知識やMAツールの活用方法を指南するセミナーなどを展開しています。

マーケティングオートメーション関連セミナーを開催企業についてもっと知りたいという方は、こちらの記事もご覧ください。

20.マーケティングオートメーションのよくある質問と回答(FAQ)

最後に、マーケティングオートメーションに関するよくある質問(疑問)と回答をまとめてご紹介します。 ここまでに解説済みの内容や、当社が提供するマーケティングオートメーション「BowNow」に特有の内容も含みますが、ご承知おきください。

Q.マーケティングオートメーションでは、何を自動化できるのか?

A.MAの種類によって自動化できる内容に差はありますが、営業リストの作成やホットリードの抽出、リードや顧客とのコミュニケーション(メール送信など)、条件を満たしたリードが出たら通知する、レポート出力などを自動化することができます。

これらの人手で行っていた作業が、設定に応じて自動化できるようになるので、業務効率化に貢献します。その分、ほかのもっと重要な業務に時間をさけるようになり、生産性向上にもつながるでしょう。

詳しくは、何をオートメーション(自動化)できるのか?をご覧ください。

Q.マーケティングオートメーションを導入したら、どんな効果が期待できるのか?

A.マーケティングオートメーションの最終目的は「効率良くホットリードを創出すること」なので、導入・運用を成功させることで営業にパスできるリードの割合が向上し、ひいては、売上アップという効果が期待できます。

最終目的に向かうまでの布石として、「リードナーチャリング(見込客の育成)の効率化」と「リードクオリフィケーション(見込客の選別)の効率化」があり、これを実現するためのさまざまな機能を有しています。

Q.マーケティングオートメーションが自社に必要なのかどうかがわからない。

A.「マーケティングオートメーションを導入するのは、マーケティング成熟度の高い大手企業や中堅企業だけだ」と勘違いしている方もおられるかもしれません。

もちろん、マーケティング成熟度が高かったり、予算・人的リソースが多い企業であれば、機能が豊富な高価なMAもうまく活用できるでしょう。ただ、MAにもさまざまなタイプがあり、マーケティング成熟度が低かったり予算・人的リソースが少ない企業でも成果を出せるツールがあります。MAのコンサルティングサービスを活用するという方法もあります。

ただ、共通していえるのは、リードの母数がないとMA活用は難しいという点です。もし、まだリードが少ない状態なら、MA導入は早いかもしれません。展示会への出展やWebサイトの改善など、リード創出の施策に注力した方が良いでしょう。とはいえ、リード創出からカバーしてくれるMAもあるので、リードが少ないからといってMA導入をあきらめる必要もありません。自社のマーケ・営業分野でボトルネックとなっている部分を洗い出し、改善するのに必要なツールを選んでください。

自社に合ったマーケティングオートメーションとはもご覧ください。

Q.マーケティングオートメーションを導入したら、すぐに効果を出したい。

A.【デメリット1】でもお伝えしましたが、MAを導入したら、PDCAサイクルを回しながら自社にとって最適なWebマーケティングの解を求めて改善を重ねていくことになるため、基本的には成果が出るまでに時間がを要します。特に、リードナーチャリングにはかかるものです。

ただ、短期的に小さくても確実な成果を出すことは可能です。たとえば、営業がアプローチすれば、すぐに商談化できるようなホットリードを抽出することなどがこれに該当します。

当社で提供しているBowNowでは、「ホットリード」の定義を細かく決めて設定する手間さえも省くことができる「ABMテンプレート機能を搭載しています。

Q.マーケティングオートメーションは、SFAやCRMと連携しないと効果を出せない?

A.MAは主にマーケティング部門で、SFAは営業部門で、CRMはカスタマーサポート部門で使うツールですが、顧客データは一元化されていた方が会社として一貫したコミュニケーションが取れるため、連携した方が良いです。営業にパスしたものの案件化しなかった顧客をマーケであたため直したり、購入があった顧客に対して時間が経過してからキャンペーン案内やリテンションを行うなど、その時どきで同一顧客に対応する担当部門が入れ替わることが多いからです。

また、効果測定に必要な数値が部署をまたいで複数存在するケースもあるでしょう。

ただ、SFAやCRMを未導入の企業や、連携に対応していない種類のツールを導入しているケースもあるでしょう。そうした場合は、SFA機能、CRM機能をもつMAを導入するか、データに特化したツールを導入するなど、同一顧客の複数データが混在しないような環境づくりを工夫してください。

 

21.マーケティングオートメーションのよくある誤解

マーケティングオートメーションについて解説してきましたが、最後によくある誤解についてお伝えします。それは、マーケティングオートメーションツールは魔法の道具ではない、ということです。


使いこなせば本当に便利なツールなので、導入しただけで成果につながりそうな気もするのですが、実際にはそれなりのリソースやコストがかかるため、本気で取り組む覚悟が必要です。

 

逆に言えば、しっかりと会社として取り組んでいけば中長期で成果に繋げられるものなので、まずは本気で取り組む覚悟を胸に一歩前に踏み出してみてはいかがでしょうか。弊社でも無料から使えるMAツールの提供と支援は行なっているので、お気軽にご相談ください。


【本記事と合わせておすすめ!】
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22.自社に合った最適なMAツール選びを!

以上、マーケティングオートメーションの基礎から導入するまでに必要な情報を一挙にお届けしました。この記事だけでもかなりの分量になりましたが、まだまだ学ぶべきことはたくさんあります。ぜひ関連記事なども参考にしながら理解を深めてください。

マーケティングオートメーション(MA)ツールの導入にあたっては目的の明確化や社内調整、ツールの選定と準備だけでも盛りだくさんですが、実際に活用をスタートしてからもPDCAサイクルを回して改善していく必要があります。事前の運用体制づくりに力を入れるとともに、コンサルティングの導入も視野に入れて検討してみてください。

そのうえで、自社に合った最適なツールを選ぶようにしましょう!

マーケティングオートメーションについての人気記事は以下もどうぞ

 



  • Written by
  • エムタメ!編集部
  • クラウドサーカス株式会社 マーケティンググループ

    プロフィール :

    2006年よりWeb制作事業を展開し、これまで2,000社以上のデジタルマーケティング支援をクラウドサーカス株式会社のメディア編集部。20,000社以上のユーザーを抱える「Cloud CIRCUS」も保有し、そこから得たデータを元にマーケティング活動も行う。SEOやMAツールをはじめとするWebマーケティングのコンサルティングが得意。

    メディア概要・運営会社→https://mtame.jp/about/

    Twitter→https://twitter.com/m_tame_lab

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