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無線LANの電波拡大による影響【前編】
無線LANをはじめ、さまざまな電波が私用の用途や公共サービスに使われている。「Wi-Fi 6」の拡張版である「Wi-Fi 6E」を使用する際は、従来の無線LANよりも特にその点に注意を払わなければならない。
無線LAN規格の「IEEE 802.11」は1990年代後半に登場した。それから20年以上にわたる技術アップグレードの中で、規格公称のデータ伝送速度は2Mbpsから「Gbps」級まで高速化した。IEEE 802.11は「IEEE 802.11a」「IEEE 802.11g」「IEEE 802.11n」「IEEE 802.11ac」「IEEE 802.11ax」という順で、新規格が出ている。こうして無線LANがより使いやすく、高速なものへと進化することで、仕事や日常生活も進歩している。
IEEE 802.11は、業界団体Wi-Fi Allianceが策定する製品認定プログラム「Wi-Fi CERTIFIED」の基になっている。IEEE 802.11axを基にした製品認定プログラムは「Wi-Fi CERTIFIED 6」だ。同団体はWi-Fi CERTIFIED 6で認定する無線LAN規格として「Wi-Fi 6」と「Wi-Fi 6E」を定めている。Wi-Fi 6EはWi-Fi 6よりも広い帯域幅を確保できる可能性がある。これには利点があるが、従来の無線LAN規格とは異なる懸念が生じる。
Wi-Fi 6Eの「進化」と「問題」とは?
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Wi-Fi 6の拡張版であるWi-Fi 6Eは、Wi-Fi 6が利用する2.4GHz帯と5GHz帯に加えて6GHz帯を利用する。Wi-Fi 6Eのデータ伝送速度や遅延などの基本仕様はWi-Fi 6と同じ。Wi-Fi 6Eは6GHz帯を利用できることで、より広い帯域幅を使った無線LAN通信がしやすくなる。6GHz帯は2.4GHz帯や5GHz帯と異なり、家庭内の電子機器が使用しない帯域であるため、そうした機器との干渉が発生しにくい利点がある。
ただしWi-Fi 6Eの周波数帯は衛星通信や放送サービスなどに使用されており、無線LANが同じ周波数帯を使う場合は、妨害を引き起こす可能性がある。米連邦通信委員会(FCC)は、Wi-Fi 6E機器を使用する際の評価要件を定めている。そうした基準を基にして、既存の電波との干渉を避ける工夫が求められる。
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