生存者バイアスと言えばこれですね。
第二次世界大戦中、連合軍はどうやったら戦闘機を撃墜されずに済むかということに頭を悩ませていました。基地に帰還した戦闘機は、敵の攻撃によって機体のあちこちに穴が空けられていたのです。
機体をどのように補強したらよいかについて、軍はエイブラハム・ウォールドという統計学者にアドバイスを求めました。
ウォールドはさっそく生還した戦闘機の弾痕をすべて記録し、機体のどの箇所が被弾しているかを図に表しました(下の図)。
この図を見た軍の関係者は、ウォールドに尋ねました。
「そうか!この被弾が多い箇所を補強すれば良いのだな?」
「いいえ、そうではありません。補強すべき箇所は被弾の少ないコックピット周辺と尾翼周辺です。」
「?」
「基地に帰還した戦闘機は、コクピットと尾翼の被弾が少なかった。それは逆から考えると、コクピットと尾翼に被弾した戦闘機は帰還できなかったのだと考えられます。だから補強すべきなのは、コクピットと尾翼です。」
脚注
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