高市氏 総裁選 立候補表明「日本をもう一度世界のてっぺんに」
高市経済安全保障担当大臣(63)は岸田総理大臣の後任を選ぶ自民党総裁選挙に立候補することを表明し、総合的な国力の強化が必要だとした上で「経済成長をどこまでも追い求め、日本をもう一度世界のてっぺんに押し上げたい」と述べました。
高市氏は9日午後2時から、国会内で記者会見しました。冒頭、「総裁選挙に立候補する。国の究極の使命は、国民の生命と財産、領土・領海・領空・資源、そして国家の主権と名誉を守り抜くことだ」と述べました。
その上で「総合的な国力の強化が必要だ。それは外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力であり、すべてに共通する人材力だ。何よりも経済成長が必要だ。経済成長をどこまでも追い求め、日本をもう一度世界のてっぺんに押し上げたい」と強調しました。
そして、危機管理分野への投資によって国民の安心と安全を確保し、成長分野などに戦略的な財政出動を行って、強い経済を実現すると説明しました。
さらに安全保障政策をめぐり、宇宙やサイバー空間などを含めた国防体制を構築するほか、主体的な外交によって同盟国や同志国との連携を進める考えを示しました。
また、北朝鮮による拉致問題について「解決が困難になっている現状は否めないが、あらゆる手段を尽くしてすべての被害者の帰国を追い求めていく」と述べました。
一方、政治とカネの問題を受けた党改革をめぐっては「カネの入りと流れから属人性を徹底的に排し、使途の公平性と公正性を担保できる仕組みをつくる」と述べました。
収支報告書に不記載のあった議員を次の選挙で公認するか問われたのに対しては、「党の調査で決着した処分を総裁がかわったからといって、ちゃぶ台返しをするのは独裁だ。党で決めた処分をひっくり返すような行動は取らない」と述べました。
さらに党に適材適所の人事システムを整備するとともに、総理大臣や閣僚の給与を廃止する考えを示しました。
また「令和の省庁再編」に挑戦するとして、インテリジェンスの司令塔となる「内閣情報局」や、サイバーセキュリティー対策などに一元的に取り組む機関の設置に意欲を示しました。
憲法改正については「自衛官の名誉と誇りを守り実力組織として揺るぎない位置づけをするため、憲法を改正する。少しでも早く国民投票ができる環境をつくるため頑張りたい」と述べました。
皇位継承をめぐっては「1つの血統のもとで126代も続いた皇室は日本にしかない宝物だ。皇統をお守りするため皇室典範を改正する」と述べました。
そして総理大臣になっても靖国神社に参拝するか問われ、「国策に殉じられ自分たちの祖国を守ろうとした方に敬意を表し続けることは希望するところだ」と述べました。
一方、「選択的夫婦別姓」については、過去に旧姓を使用できる環境整備を国などに義務づける法案を作成したことに触れ、「法案が通ればほとんどの不便は解消される」と述べ、導入に慎重な姿勢を示しました。
高市氏が総裁選挙に挑戦するのは、前回・3年前に続いて2回目です。
また今回の選挙に、女性が立候補を表明したのは初めてです。
高市氏のこれまで
高市氏は、衆議院奈良2区選出の当選9回で63歳。無派閥で現在は経済安全保障担当大臣を務めています。
総裁選挙への挑戦は前回・3年前に続き2回目です。
大学卒業後、松下政経塾で学び、アメリカ連邦議会での勤務やテレビ番組のキャスターなどを経て、1993年の衆議院選挙に無所属で立候補し、初当選しました。
旧新進党などに所属したあと、1996年に自民党に入党。
その後、2003年の衆議院選挙で議席を失いましたが、2年後の選挙で郵政民営化に反対した相手候補の「刺客」として立候補し勝利しました。
保守的な政治信条で知られ、初当選が同期の安倍元総理大臣とも近く、2006年の第1次安倍内閣で沖縄・北方担当大臣として初入閣しました。
2012年に発足した第2次安倍内閣では、政務調査会長に就任。その後、総務大臣を歴代最長の在任期間となる1438日にわたり務めました。
前回・3年前の総裁選挙では、安倍氏の支援も受けて初めて立候補し、1回目の投票で岸田総理大臣、河野デジタル大臣に次ぐ3位でした。
岸田内閣の発足に伴って再び政務調査会長に就任し、おととしからは経済安全保障担当大臣として、重要な情報へのアクセスを限定する「セキュリティークリアランス」制度の創設などに取り組んできました。
今回の総裁選挙に向けては、去年11月から自身に近い議員らと定期的に勉強会を重ねてきていて、先月末にはその内容をまとめた書籍を出版するなど準備を進めていました。
ヘビメタバンドのドラム担当も
奈良県内の共働きの家庭で育った高市氏は、地元の県立高校を経て神戸大学へ入り、アルバイトで学費を稼ぎながら学びました。
目標とする政治家はイギリスのサッチャー元首相。「不人気な政策でも、国家のために必要と思ったら信念を持って取り組む姿勢が好きだ」としています。
熱心な阪神ファンで去年のリーグ優勝時、記者会見で感想を聞かれた際には「18年ぶりということで、死ぬまでにあと何度こういう経験ができるか数えた」などと満面の笑顔で応じ、笑いを誘っていました。
趣味は音楽、オートバイ、ドラマ鑑賞など多岐
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