https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2502/06/news107.html
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村田製作所は2025年2月3日、2024年度第3四半期累計(2024年4~12月)連結業績を発表した。売上高は前年同期比6.5%増の1兆3314億8900万円、営業利益は同8.9%増の2341億6100万円、純利益は同15.4%増の2013億2200万円で増収増益だった。AIサーバなどITインフラ投資が拡大する中、コンピュータ向けで主力の積層セラミックコンデンサー(MLCC)などが好調だった。
利益についても、製品価格の値下がりや固定費の増加などの減益要因はあったものの、操業度の回復や円安効果などによって増益となった。
AIサーバ向け中心にコンピュータ用途は予想上回る
業績をセグメント別でみると、「コンデンサー」はMLCCがコンピュータやモビリティ向けで増加し、売上高は前年同期比11.7%増の6304億100万円となった。「インダクター/EMIフィルター」はインダクターがスマートフォン、コンピュータ、モビリティ向けで、EMI除去フィルターはモビリティ向けで増加し、売上高は同12.7%増の1525億4800万円で着地した。
「高周波/通信」は、樹脂多層基板(メトロサーク)や高周波モジュールがスマホ向けで増加したものの、表面波フィルターおよびコネクティビティモジュールがスマホ向けで減少。結果として売上高は前年同期から横ばいの3465億3200万円になった。「エナジー/パワー」はリチウムイオン二次電池がサーバ向けで増加した一方、ゲーム機やパワーツール向けでは減少。電源モジュールも産業機器向けで減少し、売上高は前年同期比7.3%減の1183億7400万円だった。「機能デバイスは」アクチュエータやセンサーがコンピュータ向けで増加し、売上高は同9.7%増の737億3900万円に成長した。
用途別でみると、特にコンピュータについては、前年同期比43.6%増と好調で、AIサーバを中心に予想を上回る結果となっているという。

9~12月は前四半期比では売り上げ、利益ともに減少
2024年度第3四半期(2024年9~12月)の業績をみると、売上高は前四半期比3.0%減の4480億円、営業利益は同17.2%減の760億円となった。スマホの季節性によって部品需要が減少したほか、家電向けでリチウムイオン二次電池やコンデンサーが減少し減収となった。利益面では操業度の低下および、在庫に含まれる未実現利益の消去(約60億円)、引当金の増加などが減益要因だ。
なお、第3四半期売上高は、2024年度上期に部品需要の前倒しがあったことでスマホ向けで反動減になったものの、AIサーバ関連の部品需要が堅調に推移したことや円安の進行もあり、ほぼ想定通りだとしている(2024年4月の業績予想比)
2024年度第3四半期の受注高は、前四半期比で増加した。円安の進行が外貨建受注残の評価額を引き上げた影響によるものだ。なおスマホの季節性による受注トレンドもあり、実態ベースでは若干受注高は減少している。
コンデンサーのBBレシオ(出荷額に対する受注額の割合)は0.97となった。MLCCの生産設備の稼働率は、予定通り2024年度第3四半期および、第4四半期とも85~90%を維持する。
通期予想は据え置き、事業環境も大きな変調はなし
2024年度通期業績予想は2024年4月時点の予想を据え置いた。為替変動を含め、予想時典から市場環境に変化はあるものの「9カ月累計(2024年4~12月)業績を踏まえ、第4四半期見通しをシミュレーションした結果、決算発表時点で通期業績予想値に大きな変動はない」としている。
なお事業環境の認識としては、各市場のセット台数の見通し、AIサーバが堅調であることといった点は大きな変化はないという。バッテリー電気自動車(BEV)は成長が鈍化しているものの、モビリティの員数/高機能部品需要の増加トレンドが継続、製品価格値下がりについても「想定より緩やかに進んでいる」としている。
村田製作所社長の中島規巨氏は、来期においてもAIサーバを中心としたデータセンターおよびプラグインハイブリッドなど含む電動車(xEV)の2つの市場について「堅調に成長するだろう」と説明。スマホやウェアラブル、タブレットなどのエッジデバイスへのAI機能搭載を背景とした部品需要拡大にも期待を示しつつ「AI機能がどれだけマチュアに使われていくか。それによってアクセラレータの機能などが追加され、大きな部品需要につながる時期が2025年なのか2026年なのかはなかなか見当が難しい」と語っていた。
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