肌の「シミ」に悩む女性は多いだろう。シミは、肌の外側にある表皮細胞にメラニンが過剰にため込まれることでできると考えられているが、このメラニンのため込みをベニバナの花から抽出したエキスで防げることが、ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業による実験で明らかにされた。この成果は、同社の化粧品ブランド「オルビス」から今春発売されるスキンケア化粧品シリーズに活用されるという。
ため込み助けるタンパク質の量が減少
肌の色の決定やシミの発生には、表皮細胞とメラニン産生細胞が関わることが知られている。表皮細胞にはメラニン産生細胞で作られたメラニンを取り込む性質があり、これがシミの原因となっている可能性が指摘されているという。
同社の研究グループは、このメラニンの"ため込み"を助ける「PAR2」と呼ばれるタンパク質に着目(図1)。シミの部位ではPAR2の量が増え、過剰なメラニンがため込まれることが分かっていることから、メラニンの産生を低下させるだけでなく、PAR2の量を減少させることでメラニンのため込みを防ぐ方法を探した。
その結果、ベニバナエキス(キク科ベニバナの花から抽出)に表皮細胞内のPAR2量を減少させる作用があることを発見(図2)。メラニンの代わりに蛍光ビーズを表皮細胞に取り込ませる(ため込ませる)実験を行ったところ、シミや日焼け部位を想定してPAR2を意図的に増やした条件でも、ベニバナエキスを加えると蛍光ビーズがため込まれなくなることが確認された(図3)。同社は「ベニバナエキスを配合した化粧品を使用することでメラニンのため込みを防ぐことができ、シミを改善できる可能性が期待できる」としている。
(あなたの健康百科編集部)
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