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公開日時 2020/03/23 04:51
中外製薬は3月19日、親会社であるスイス・ロシュが関節リウマチ治療薬・アクテムラ(一般名:トシリズマブ(遺伝子組換え))について、新型コロナウイルス感染症による重症肺炎を対象に臨床第3相試験を開始すると発表した。米国を含むグローバル試験として、全世界で330人の患者を登録し、安全性・有効性を検討する。4月上旬にも患者登録を開始する計画だ。同剤は、中外製薬が大阪大学と共同で研究し、創成した日本発の医薬品。同社は国内での臨床試験の実施は、「検討中」としている。
臨床第3相試験は、「COVACTA」は、新型コロナウイルスによる重症肺炎患者330人に標準療法を実施したうえで、プラセボを対照に同剤の安全性・有効性を検討する。主要・副次評価項目には、臨床状態、死亡率、機械的人工換気、集中治療室(ICU)での治療などを置く。ランダム化から60日間をフォローし、早期に中間解析で有効性を検討する予定という。
◎IL-6遮断で一部の過剰な免疫反応に効果 中国では投与認可も
同剤は、炎症サイトカインであるIL-6の受容体を遮断することで効果を発揮する。CAR-T細胞療法の副作用であるサイトカイン放出症候群(CRS)の適応を有するなど、一部の過剰な免疫反応に対して効果があることが知られている。このため、新型コロナウイルスへの有効性も期待されている。
中国などでは医師主導臨床試験が実施されており、有効性に関連する症例報告も複数ある。こうした状況を踏まえ、中国では3月から同剤の新型コロナウイルスへの投与を認可している。
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