ノートパソコンの小さいディスプレーだけでは、複数のウインドーを見比べながらの作業がやりづらい。いちいちウインドーを切り替えて仕事をしていては効率が悪く、ストレスがたまる。この問題の解決には、外付けディスプレーを取り付けてデスクトップ画面を拡張するのが有効だ。

 ジャパンネクストの「Tri-Screen(トライスクリーン)」は液晶パネルを2枚搭載したモバイルディスプレーだ。ノートパソコンに取り付けると、その左右にディスプレーを追加して「トリプルディスプレー環境」が簡単に作れる。

ノートパソコンの左右にディスプレーを追加できる、ジャパンネクストのモバイルディスプレー「Tri-Screen(トライスクリーン)」
ノートパソコンの左右にディスプレーを追加できる、ジャパンネクストのモバイルディスプレー「Tri-Screen(トライスクリーン)」
(出所:スタジオキャスパー、以下同)
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 コンパクトに折り畳んで持ち運べるので、自宅、コワーキングスペース、フリーアドレス制のオフィスなど、ノートパソコンを持ち運んで使う様々な場面で利用できる。パソコンとはUSB-CやHDMIで接続し、接続に必要なケーブル類が付属する。

 Tri-Screenはディスプレーのサイズが10.1型、11.6型、13.3型の3モデルがある。ジャパンネクストの直販価格は10.1型モデルが3万9800円(税込み、以下同)、11.6型モデルが4万2800円、13.3型モデルが4万9800円。例えば、13.3型モデルは13~16型ノートパソコンに向くなど、ノートパソコンのサイズによって推奨モデルがある。解像度は、13.3型モデルと11.6型モデルはともに1920×1080ドットのフルHDで、10.1型モデルは1920×1200ドットだ。

展開した状態。中央部分をノートパソコンのディスプレーにかぶせるようにして取り付ける
展開した状態。中央部分をノートパソコンのディスプレーにかぶせるようにして取り付ける
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 13.3型モデルを14型のノートパソコンに取り付けて、使い勝手を確かめてみた。重さは約1.5キログラムで、ノートパソコン1台分ほどだ。折り畳んだ状態の平面サイズも画面サイズが近いノートパソコンくらいで、奥行きに少し余裕のあるビジネスバッグならノートパソコンと重ねて収納して持ち運べるだろう。10.1型モデルは約0.84キログラム、11.6型モデルは約1.3キログラムである。

折り畳んだ状態。ノートパソコンと重ねて持ち運べる
折り畳んだ状態。ノートパソコンと重ねて持ち運べる
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 中央部分は左右に開くようになっていて、取り付けるノートパソコンのサイズに合わせて幅を変えられる。幅を合わせたらノートパソコンのディスプレーにかぶせ、上部2カ所と下部2カ所にあるツメで固定する。背面には伸縮するスタンドがあり、重みで倒れないように支える。

 注意したいのは、ノートパソコンのディスプレー部分の高さだ。高さが低いと、上部と下部のツメがうまくはまらずTri-Screenをぴったり取り付けられない可能性もある。

中央部分は左右に開いて、ノートパソコンに合わせて横幅を調節できる
中央部分は左右に開いて、ノートパソコンに合わせて横幅を調節できる
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重みで後ろに倒れないように、背面にはスタンドが付いている
重みで後ろに倒れないように、背面にはスタンドが付いている
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 取り付けができたら、次は配線だ。Tri-Screenは2台の独立したディスプレーを搭載しており、配線も2台分必要になる。側面には映像入力と電源入力が可能なUSB Type-C端子、電源入力用のUSB Type-C端子、映像入力用のminiHDMI入力端子が付いている。接続ケーブルは、「USB Type-C to C」「USB Type-C to A」「miniHDMI to HDMI」の3種類が2本ずつ付属する。

3種類のケーブルが2本ずつ付属する。接続に必要なケーブルがすべて付属するので親切だ
3種類のケーブルが2本ずつ付属する。接続に必要なケーブルがすべて付属するので親切だ
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 例えば、ノートパソコンに映像出力が可能なUSB Type-C端子があるなら、「USB Type-C to Cケーブル」で接続するだけでパソコンの画面を表示できる。HDMI出力とUSB Type-Aがある場合は、映像用に「miniHDMI to HDMIケーブル」で接続し、電源用に「USB Type-C to Aケーブル」で接続すればパソコンの画面を表示できる。

 接続したノートパソコンは映像出力が可能なUSB Type-CとHDMI出力を備えていたので、片側は「USB Type-C to Cケーブル」1本で、もう片側は「miniHDMI to HDMIケーブル」と「USB Type-C to Aケーブル」で接続した。接続するケーブルが多く、配線はかなりごちゃごちゃした印象だ。

左右のディスプレーには、それぞれ映像入力対応のUSB Type-C端子、電源入力用のUSB Type-C端子、映像入力用のminiHDMI入力端子が付いている。また電源のオン・オフとメニュー呼び出しを行うボタン、明るさ調整とメニュー表示時の操作ボタンも付いている
左右のディスプレーには、それぞれ映像入力対応のUSB Type-C端子、電源入力用のUSB Type-C端子、映像入力用のminiHDMI入力端子が付いている。また電源のオン・オフとメニュー呼び出しを行うボタン、明るさ調整とメニュー表示時の操作ボタンも付いている
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 配線し、電源を入れたらWindows OSの設定を行う。中央にノートパソコンのディスプレー、左右にTri-Screenのディスプレーが並ぶので、それに合うようにWindows 10なら「設定」の「システム」にある「ディスプレイ」の画面を開いて、「ディスプレイの配置を変更する」でディスプレーの並び順を設定する。

ノートパソコンに取り付け、トリプルディスプレーにした様子
ノートパソコンに取り付け、トリプルディスプレーにした様子
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 設定を行い、トリプルディスプレー表示にして作業をしてみた。明るさや発色のバランスは取り付けた14型ノートパソコンと遜色なく、違和感なく利用できる。

 ノートパソコンのディスプレーだけでは、複数のアプリを起動してもウインドーが重なってしまう。Excelの表やWebサイトを見たりするときに、いちいちクリックして前面に表示させるのは面倒だ。Web会議のときに、必要な資料と会議の画面をいちいち切り替えながら話すのも不便だった。

 Tri-Screenを使ってトリプルディスプレーにするとデスクトップ画面が左右に広がり、複数のウインドーを重ねることなく並べて表示できるようになり、快適に作業できる。例えば、左側のディスプレーにExcelの表やWordの資料を、右側のディスプレーにWebブラウザーをそれぞれ表示し、中央のディスプレーで書類を作成するといった使い方ができる。

 左右のディスプレーに資料を表示して、それを見ながらノートパソコンのディスプレーでWeb会議をすることもできる。ディスプレーを追加して2画面にするだけでも作業効率は大幅に向上するが、3画面にするとさらに向上することが分かった。

 手持ちのノートパソコンにぴったり取り付けられるかどうかという点、接続ケーブルが多くて配線が煩雑になる点には注意が必要だが、モバイルディスプレーで作業効率を向上させたいと考えている人は、導入を検討してみてはいかがだろうか。

湯浅 英夫(ゆあさ ひでお)
ライター
元ジャズミュージシャンのライター。PC、スマホ、ネットサービスなどIT関連を中心に執筆しつつ、たまにウッドベースやエレキベースを弾いている。音楽の守備範囲はジャズから古いソウル、ロック、AOR、MPBまで雑食。ジャズと楽器には少しうるさい。