https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1564859.html
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NTTは、「光電融合デバイス」の開発を強化する。30日にNEDO「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の実施企業に採択され、オール光ネットワークに加え、光電融合デバイスの研究開発事業に参画し、IOWN事業化の加速を目指す。四百数十億規模の支援を受け、研究開発を進める。
NTTが主導するIOWN(アイオン)は、光通信技術を中心にした次世代ネットワークを構築し、コンピューティング全体の性能も光技術で引き上げていく構想。今回の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」においては、「光チップレット実装技術」、「光電融合インターフェイスメモリモジュール技術」、「確定遅延コンピューティング基盤技術(助成)」の3点でNTTが採択された。うち、光チップレットと確定遅延コンピューティングはNTTが代表提案者となる。メモリモジュールはキオクシアが代表提案者(NTTは共同提案者)。
IOWNでは、広帯域・低遅延で動的変更が可能なネットワークの実現ともに、コンピュータアーキテクチャの変革も見込む。そのため、「光電融合デバイス」の研究開発に参画することで、IOWNの基盤を強化していく。
IOWNでは、光接続により従来のコンピュータよりも電力効率を大幅に向上する「ディスアグリゲーテッドコンピューティング」を提案しており、「IOWNコンピュータ」では、CPUやメモリ、GPU、ストレージなど、“必要なものだけ”を直結できるようにする。必要なものだけを使うため、電力効率を従来の8倍に向上できるほか、高速かつ低遅延を活かし、遠隔地と連携も可能なため、晴れている日には太陽光を使えるデータセンターの処理能力を優先的に使う、といった応用も可能となるという。そのためには、コンピュータアーキテクチャの大きな変更も必要となるが、その基盤技術として光電融合技術の活用を見込んでいる。
今回の採択では、その基盤技術となる「光チップレット実装技術」、「光電融合インターフェイスメモリモジュール技術」などの研究を進める。
光チップレット実装技術においては、光デバイス技術、シリコンフォトニクス技術、光チップレット・実装技術の開発を行なう。また、光チップレットのダイ間光接続(短距離)、ダイからの光接続(長距離)の動作検証、PoCの実施などを想定している。
光電融合インターフェイスメモリモジュール技術では、光ディスアグリゲーテッド環境に必須なメモリプール実現のため、テラビット級の高速光信号と低速メモリチップを接続する「Photonic MemoryGate」の研究開発を行なう。
IOWNでは、遅延を高い精度で確定できるため、新しいコンピュータアーキテクチャを実現できるとする。「確定遅延コンピューティング基盤技術」は、分散配置されるデータ処理手段を確定的な遅延で繋ぐ、コンピューティング基盤の実現などを検討する。
NTTでは光電融合デバイスのロードマップとして、'22年度にデータセンタ間接続を実現し、'25年にはボード接続、'28年度にチップ間接続、'32年にはチップ内光化を想定している。NTTは、共同提案者やIOWN Global Forumのパートナーとともに、IOWNの研究開発を進めていく。
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