https://news.yahoo.co.jp/articles/1f9ae0c00cf9d195d2912c3b85d5d96d5830bacd
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将来宇宙輸送システム(Innovative Space Carrier:ISC、東京都中央区)は3月24日、金属3Dプリンターで製造した推進薬タンクの耐圧試験や気密試験を実施したことを発表した。金属3Dプリンターで製造したタンクとしては国内最大規模という。 2022年5月に創業したISCは、「2028年を目標に、人工衛星の軌道投入を目指す」という野心的な目標を掲げており、開発効率を飛躍的に向上させる手段として金属3Dプリンター技術を活用したアジャイル型の開発を進めている。 その一環として、同社は「WAAM」技術で世界的知見があるという英クランフィールド大学、同大学からスピンオフした英WAAM3D、日本の愛知産業(東京都品川区)と2024年7月に業務提携した。 WAAM(Wire-Arc Additive Manufacturing)は、金属同士をつなげるアーク溶接の手法を応用し、溶接中に凝固した金属を積み重ねていくという技術。米国防総省が潜水艦の部品を造形するために導入するなど、大型構造物の造形が可能として注目を集めていると説明する。 従来の開発手法では、大型ブロック材の確保や専用加工機の準備に長いリードタイムが必要となる。WAAM技術を活用することで材料調達が容易となり、必要な形状を直接造形できるため、短期間で開発できるという。 金属3Dプリンターでの開発は設計変更に柔軟に対応できるとともに、修正を即座に反映し、迅速に新しく造形できる。この特長を生かし、開発サイクルを短縮するとともに、設計の自由度を向上させられるとしている。 ISCは2024年3月にロケットの後部構造モックアップ製造を経て、同年4月からフライトモデルの推進薬タンク開発に向けたプロダクト要件の策定、設計や製造プロセスの検討を進めてきている。同年7月の3者との業務提携を皮切りに国内最大規模という推進薬タンクの製造を開始した。 金属3Dプリンターで製造した推進薬タンクの耐圧試験と気密試験を2025年2月に実施した。耐圧試験では目標とする0.76Mpaに耐えられることを確認。気密試験では目標とする0.69Mpaで漏れなどがないことも確認している。 今回の試験結果を踏まえ、4者での協力のもと金属3Dプリンターの活用を進め、実際のロケット機体で使用する推進薬タンクのほか機体構造を作っていくとしている。
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