日本から輸送のプルトニウム受け入れを拒否、米の州知事
2016.03.26 Sat posted at 15:57 JST
(CNN) 米サウスカロライナ州のニッキ・ヘイリー知事は26日までに、米エネルギー省に書簡を送り、日本からの輸送が決まったプルトニウムを同州の核関連物質の保管、処理施設に運び入れる計画の中止や州外での処理などを要求した。
CNNが同州知事室から入手した23日付の書簡コピーによると、ヘイリー氏はエネルギー省のアーネスト・モニズ長官に対し州内への輸送は同州を核物質の恒久的な廃棄場所にしかねないリスクがあると指摘。住民と環境の安全を期すため今回の輸送拒否は避けられないとの考えを示した。
書簡によると、運ばれる予定のプルトニウムは兵器化が可能で、その量は約331キロとしている。
今回のプルトニウム輸送計画は、日米両国が2014年の核保安サミットで合意したもので、核の国際的な安全管理対策の向上や核物質などの備蓄量削減を狙う措置の一環だった。米ホワイトハウスは当時、日本から輸送されたプルトニウムは米国で兵器化出来ないように処理されるとの声明を発表していた。
ヘイリー知事の今回の要請は、この日米合意に異議をはさむ形となっている。米ワシントンでは今月下旬、核保安サミットが開催される。
エネルギー省の原子力安全担当部局の報道担当者は知事の発言を受け、治安対策上、核物質輸送作業の詳細には言及出来ないと指摘。その上で核物質をテロリストの手から遠ざける重要性は現在、かつてなく明白になっているとし、同省は米国の安全を守るための責務の遂行は今後も続けると述べた。
サウスカロライナ州とエネルギー省は、州内に既にある別のプルトニウムの州外への移送についても法廷闘争を今なお続けている。同州は、エネルギー省は州内から運び出す方針を示したにもかかわらず実行していないとして提訴していた。
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