2016年03月18日 19時06分00秒



By Alper Çuğun

コンピューターやプログラミングの情報交換を行う「ナレッジコミュニティ」であるStack Overflowには常に世界中から多くの質問が寄せられ、さらにはそれに回答する書き込みが多く投稿されています。サイトでは8秒に1個の割合で質問が寄せられ、2015年には5万6033人もの開発者が質問に答えているのですが、Stack Overflowではそれら回答者に対して45個のアンケート調査を実施して、どのようなユーザーがサービスを利用しているのか調査を行いました。

Stack Overflow Developer Survey 2016 Results
http://stackoverflow.com/research/developer-survey-2016

この統計を発表するにあたりStack Overflowは「調査は完璧というわけではありません。サンプル数が多いために影響は少なくなっていますが、英語が使えない、または英語による調査を受けたくない層のユーザーがいるため、内容にはバイアス(偏り)が存在しています」とした上で数値を公表しています。

ということで、まずはStack Overflowを利用しているユーザーの分布。この統計は英語版のStack Overflowで撮られていることもあり、やはりアメリカに最大のユーザーがいる模様。次いでヨーロッパ各国とインド、オーストラリアなどと続き、あとは日本を含めてほぼ同じようなバランスで分布していることがわかります。


デベロッパの職種を見ると、フルスタック(あらゆる段階の仕事をこなせる)のウェブ開発者が26.0%と最も多く、バックエンドのウェブ開発者に続いて学生がランクインしていることがわかります。


職種別の人気言語を尋ねると、フルスタックはやはりというべきかJavaScript。


フロントエンドの人でもJavaScript。


バックエンドもJavaScriptですが、2位のSQLが大躍進。


モバイルはAndroidが1位ですが、Java、iOSもそれほど水をあけられていない状況。


数値関連やデータ関連になると、Pythonが一躍トップに。しかしやはりSQLが2位に。


学生だと、JavaScriptを抑えてJavaが1位となっています。


なぜか「スター・ウォーズかスタートレックか」という謎の質問も。結果は50代を境にして下の世代はスター・ウォーズ、上の世代はスタートレックというふうにキレイに分かれているのも面白いところ。


ジェンダー(社会・文化的性別)は男性が92.8%と圧倒的多数を占めているようです。


ジェンダー別の経験年数を見ると、男女ともに「経験2~5年」の人が最も多いのですが、経験年数が多い人は女性が多数を占めていることが見えてきます。


これは、北米でもほぼ同じことが言えますが……


南アジア地域に限定すると、6年以上の経験を持つ人がグッと減少しています。


女性の開発者の年齢分布はこんな感じです。


能力を身に付けるための教育について尋ねると、最も多いのは自分で学習するという人で69.1%。


年ごとの人気言語を比べると、2016年はJavaScriptが1位だったことがわかりますが……


2013年にさかのぼると、SQL(またはSQLサーバ)が1位だったことがわかります。


Stack Overflowでトレンドを示している言語はReact。そしてSparkSwiftと続きます。


逆に、トレンドから去った言語がこちら。下に行くほど下落率が多いことを示していますが、HaskellWindows Phone関連のアクティビティが減少しているようです。


アメリカ国内で「最も儲かる言語」のトップはSpark。


世界レベルで見ると、F#が最も効率が良い模様。なお、アメリカのグラフと世界のグラフは指数が違うものになっています。


職種ごとに最も儲かる分野の仕事は、フルスタックの場合はクラウド関連。


フロントエンドだとReact


数値関連だとScala


モバイル関連はやはりというべきかObjective-Cでした。上位にはiOSとSwiftも名を連ねているのも興味深いところ。


開発環境で最も使われているのが、Notepad++とMicrosoft Visual Studio


この開発環境も分野によって状況が変わります。フルスタックはVisual Studioを用いる人が多いのですが……


データ関連の技術者の場合だとVimが人気。


学生はNotepad++という風になっていました。


仕事を得るきっかけについても統計が出ています。アメリカでは知人の紹介が最もモノを言うようです。


これはドイツでも同じ状況。アメリカに比べて、企業に直接自分を売り込みに行く人が多い様子でもあります。


インドになると、知人の紹介も有力ですが、それ以上に「In-House Recruiter(社内リクルーター)」、つまり社内人事による影響が大きい模様。


仕事で重要な項目は、全世界レベルでもやはり給料がトップ。


アメリカもおおむね同じ状況。


しかしドイツは給料よりもワーク・ライフ・バランスを重視する人が多いという結果に。


給料を重視する人の割合(縦軸)と、実際の給料レベル(横軸)をグラフにするとこんな感じ。全体の傾向としては、給料を重視する割合が下がるほど、給料が上がっているという、実に興味深い傾向が見えています。


仕事で大変なものを挙げてもらうと、1位は「非現実的な期待」、2位が「粗末なドキュメンテーション」、3位が「不明瞭な要求」と、誰もが1度は経験したことがある項目が並んでおり、世界のどこでも同じことが起こっているんだなと納得させられます。


職種ごとの収入額を見ると、トップは重役クラスの人物で約15万ドル(約1700万円)。その下にはエンジニアリング・マネージャー、エンタープライズレベルのサービス開発者、モバイル開発者などが続きます。


仕事を好きという人の割合(縦軸)と給料の額(横軸)をグラフにすると、給料が上がるほど仕事が好きである、というわかりやすい結果になっていました。


これらの統計はあくまでStack Overflowにおけるユーザーの実態を示したものですが、なかなか興味深い実態に触れることができる貴重なデータと言えそうです。




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2016年03月18日 19時06分00秒 in メモ, Posted by logx_tm
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