常日頃より、アジ(鯵)並の価格(120円ぐらい?!)でカニを食べたいと妄想しています。今回は、カニの養殖について解説しました。
カニはもう養殖されている!
以前、上海ガニのさばき方を解説した際にも少しふれましたが、上海蟹など一部のカニは既に養殖されているんです。
「カニは養殖されてたの?!」と驚かれた方もいらっしゃると思います。なかなかカニの養殖はポピュラーな話ではないですからね。
ただ、後述しますがごく一部のカニだけです。
「養殖が可能なカニの種類は?」
など疑問もあると思いますので詳しく解説していきたいと思います。
お前はもう養殖されている!
タラバガニ・ズワイガニ・毛ガニ・ワタリガニ・上海蟹と様々な種類のカニですが、ごく僅かな種類のカニが養殖されています。
分かりやすく表にまとめました。
カニの名前 | 養殖技術の可否 | 実際の養殖の有無 |
---|---|---|
ズワイガニ | 〇 | 無し |
タラバガニ | × | 無し |
毛ガニ | 〇 | 無し |
渡りガニ | 〇 | 有り |
上海ガニ | 〇 | 有り |
【上記表の補足】
「〇」・・・すでに確立している。
「× 」・・・まだ確立していない。研究中。
渡りガニに関しては、完全養殖では無く種苗放流や蓄養が日本各地(有名なところだと三河、瀬戸内、有明)で行われています。
以上のようにごく一部のカニのみ養殖されています。
今後の養殖技術の発展で安価に?
現在、鯛や牡蠣など様々な海産物が養殖に携わった人々のおかげで以前とは比べものにならないほど安価に(輸入もありますが)私たちは購入しています。
ただし、現在も天然物と呼ばれる海産物はとても高価ですよね。
実際のところ高級品と呼ばれるものはなぜ高級品なのでしょう?
それは、需要と供給のバランスです。
昔(40年50年前)の一般的な家庭の朝食などに登場したイワシ(鰯)。
以前は大量に獲れたイワシですが年々漁獲量が減っていき、現在では、1匹(尾)で100円~120円などアジ(鰺)と同等の値段となっています。
これも需要と供給のバランスで高級化した魚の一つだと思います。
つまり、需要が高いのに供給が少ないと当然値段が高くなります。
話を戻しましょう。
「なぜカニがまだ安くならないのか?」
その理由は、お分かりの通り2つあります。
1つ目は、需要と供給の話。
2つ目は、養殖物が市場に出ていない為。
このように2つの理由から全体的にカニの値段が下がらないのです。
1つ目は、前述したように需要と供給のバランスによって価格(相場)が決まります。
2つ目は、上海蟹、渡りガニ以外は養殖のカニが市場に出回っていません。
現在、圧倒的な人気を誇るズワイガニ。
日本人の私たちにとって一番馴染みの深いカニですが、
流通(通販含む)しているズワイは、すべて天然ものです。
つまり、通販の『訳あり』とされるカニも天然です。
※『訳あり』に関しては、『訳ありの本当のワケ』で詳しく解説しています。
では、今後私たちの好きなズワイガニを安く食べられる日が来るのでしょうか?
次では、現在のズワイガニ養殖に関して解説していきたいと思います。
ズワイガニの養殖に関して
ズワイガニは、1970年代をピークに水揚げ量が年々減少していき一時期問題となり、日本人の多くが食べるズワイガニの水揚げ量が減り旬の時期にも食べられなくなるのでは?!と危惧されました。
そこで、「越前ガニ」などのブランド蟹で有名な福井県を中心に養殖の技術研究が始まりました。
しかしカニの養殖技術の確立は困難をきわめ、日本の優秀な技術者達により長年研究が進められ、ようやく34年の月日を経てカニの養殖が確立されました。
その4年後、韓国がこのズワイガニの養殖技術を3年で成果をあげたというニュースがありました。
しかしながら、その韓国の養殖技術で生育されたズワイガニは320匹。
日本が初めて成功した発表した生育されたズワイガニの量と比べると大幅に少なく、日本は韓国の技術を評価していますが、産業化は難しいといえるかもしれません。
日本では養殖技術が確立され、毎年1万匹ほどの稚ガニを生育している状態です。
以上、養殖に関して長々と書いてきましたがこれからの養殖技術の発展で、この養殖されたカニが市場に出回り、低価格でズワイガニが食べられる日が期待できそうです。
ただ食べ過ぎて通風になるのはコワイですね。
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