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本日の話題は非常にホットな状況になっているウクライナ情勢についてです。
簡単に現状を説明しますと、現在、ロシア側は、ウクライナ国境周辺にロシア軍部隊を10万以上も展開していて、いつでもウクライナに攻め入ることができる状況にあります。
それに対して、アメリカ側はロシア軍部隊の撤収を求ました。しかし、ロシア側は逆に、西側が“不穏な動き”をしているから撤収しないということで要求を拒否しました。では、不穏な動きとは何なのでしょうか?
ウクライナ問題の本質は?
この問題は日々新しい状況が国際ニュースで入ってきます。皆さんもテレビやインターネットでよく目にされると思うんですけれども重要なのは、この問題の本質は何なのか、ということです。
もちろんロシアという国が強権発動の国、そして陸軍大国で、とにかく自分の国の周りを軍事力で制圧したいと思っている国であるということは事実です。
しかし、現実問題として今のロシアにはウクライナに攻め入ってそしてNATOと戦争をするだけの経済的余力はありません。そしてこの戦争はロシアにとっても非常に大きな冒険政策になるわけです。
ロシアは、2014年のクリミア併合から経済制裁をかけれられていますのでそれがボディーブローとして結構効いているわけです。経済的にはかなり疲弊しているということです。
そのような状況を考えると、ロシアとしてもウクライナに一方的に攻め入ろうと考えているわけではない、経済再建がうまくいかなくなってしまっては元も子もないと考えている、これも事実としてあるわけです。
ではウクライナ問題の本質とは何か。これははっきり言って、天然ガス問題なのです。天然ガスと原子力の問題ですね。
天然ガスを送るパイプライン:ノルドストリーム
昨年、ノルドストリーム2という天然ガスのパイプラインが完成しました。これは、ロシアの天然ガスをドイツに輸出するためのものです。しかし、これは稼働していません。
どういうことかというと、ドイツの当局が、このガスパイプラインはドイツの国内法に抵触すると言って止めているということです。
設備としては完成しているけども、動いてはいないということです。実は、ノルドストリーム1というのもありまして、これは以前から稼働しています。
それに対して、今回のノルドストリーム2というのは2本目ということです。もし、これが稼働すれば、今の2倍の天然ガスを運搬することができます。ロシアはより多くの天然ガスをヨーロッパで販売できます。
そして、これをやられるとヨーロッパの原子力産業は全滅します。というのも、原子力の方は今、コスト高になっております。そこに、非常に安価な天然ガスが大量に入ってくるわけですから原子力発電が負けちゃうんですね。
ノルドストリーム2を止めたいのは誰?
・アメリカ大統領バイデン氏
・フランス大統領マクロン氏
・英首相ジョンソン氏
アメリカ、フランス、そしてイギリス、それぞれの国のトップ3名ですが、実はみんな原発復活派です。そして、地球温暖化と叫んでいる人たちはまず間違いなく原発推進派の人たちです。
原子力を推進するためにこの地球温暖化と言うことを言ってます。つまり、地球温暖化を防ぐといえば、CO2排出を防ぐということになり、火力発電をしてはいけないとなります。
こうなると、発電で一番頼れるのは原子力発電になるはずです。当然ですが、自然再生エネルギーだけの発電だけではとても足りませんから。
しかし、今それを補うために一番多く大量使われているのが原発ではなく、火力発電なんです。自然再生エネルギーによる太陽光発電とか風力発電は安定しません。
そんな状況なので、電力が足りなければすぐに出力を増やす、余ってるならすぐに減らすということができる火力発電が一番いいということです。
そして天然ガスは燃やしてもクリーンですし、空気も汚しません。そしてその燃料となる天然ガスをロシアがヨーロッパに対して大量供給しようとしているわけです。
原発復活派のシナリオは?
ロシアとすれば、国内のガタガタになったインフラを再整備したいし、経済的な発展を図っていきたいので天然ガスを供給することによって安定した外貨収入を得たいわけです。
そもそもロシアは、エネルギーを売る以外に稼ぐ方法がない国です。しかし、ロシアの安い天然ガスが大量に入れば欧州の原発は全滅です。
ですので、原発を復活したい人たちとしては米ロ冷戦をとにかく先導して、けしかけて、そして、ヨーロッパに反ロシアの流れを作ることができれば、ロシアから天然ガスは買うなと言って、輸入の大元であるノルドストリームを潰す、という状況に持っていけるわけですね。
それによって原発を復活させる、こういうシナリオを描いているのだと思います。
国際政治学者 藤井厳喜
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