治療薬の進歩やエビデンスの蓄積により、慢性疾患を抱える女性も妊娠が可能になってきた。画像検査も「1回のCT撮影なら問題ない」ことが示されている。「病気があるから」「放射線を浴びてしまったから」と妊娠、出産を諦めさせないため、医師ができることを紹介する。 |
|
「全ての女性は、疾患の有無にかかわらず、『子を産むか、産まないか』を選択する権利を持つ」。こう語るのは、日本産科婦人科学会特任理事の水主川純氏だ(関連記事)。 |
日経メディカル Onlineの医師会員の約3人に1人は、妊娠中も治療継続が必要な慢性疾患のある若年女性の診療に携わっている。ただし、そのような医師の約3人に1人が、「妊娠について気をつけるべきことを伝えていたのに、守ってもらえなかった」というトラブルを経験していた(調査結果)。医師側は説明したつもりでも、患者側にきちんと伝わっていないことがあり得るわけだ。では、このような事態をどう回避したらいいのだろうか。 |
まず、慢性疾患を有する女性の妊娠・出産を支える上で、患者やその家族に伝えるべきことを整理したい。その大原則は「病気を理由に妊娠を諦めなくてもいいこと、ただし、病状が安定してから妊娠すること、妊娠中も治療を継続する必要がある」だ(図1、関連記事)。 |
| 図1 慢性疾患を有する女性に伝えるべき大原則 (取材を基に編集部作成) |
|
まさに、患者との共同意思決定(SDM)が求められるわけだが、10歳代に診断に至った場合などは、いつ、妊娠・出産についての話をすべきか迷うケースもあるだろう。 |
0 コメント:
コメントを投稿