https://japan.zdnet.com/article/35214321/
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筆者は、唯一無二な「Linux」ディストロを作り出そうとするさまざまな試みをほぼ全てチェックしてきており、強烈な印象を残すものにも時折遭遇してきている。最近出会った「blendOS」もそのようなディストリビューションの1つだ。
Deepinデスクトップ環境により、blendOSは美しい仕上がりとなっている。
提供:Jack Wallen/米ZDNET
blendOSは、開発元が「あらゆるLinuxディストリビューションをシームレスにブレンドしたもの」だと表現しているように、イミュータブル(変更不可能)なLinuxディストリビューションであり、開発者のこの言葉をほぼ具現化する素晴らしい出来となっている。
blendOSは、他のさまざまなディストリビューションに搭載されているパッケージマネージャー(「Arch」の「pacman」や、「Ubuntu」の「apt」など)や、blendOS独自のパッケージマネージャー「blend」を搭載している。また、このOSの使いやすさを向上させるためのレイヤーとしてのコンテナーランタイムである「Podman」や、ユニバーサルパッケージマネージャーである「Flatpak」も搭載している。それだけではない。ウェブアプリをインストール(またはお気に入りのウェブアプリを追加するよう要求)できるようになる「blendOS Web Store」も搭載している。
ただblendOSは、Fedoraの「dnf」や、openSUSEの「zypper」といったパッケージマネージャーを搭載していないため、「あらゆる」Linuxディストリビューションのシームレスなブレンドとは言い切れない。
とは言うものの、ソフトウェアのインストール手段が複数用意されているだけでなく、アプリケーションも豊富な選択肢の中から選べるようになっている。aptのリポジトリーで見つからないアプリでも、pacmanを使えば見つかるかもしれない。また、Flatpakを試してみることもできる。そしてコンテナー化されたOSを稼働させたいのであれば、Archや「AlmaLinux 9」「Crystal Linux」「Debian」「Fedora 38」「Kali Linux」「Neurodebian Bookworm」「Rocky Linux」「Ubuntu 22.04」「Ubuntu 23.04」の中から選択できる。
さらに、自らに合ったデスクトップ環境が稼働するblendOSのバージョン(「GNOME」や「KDE Plasma」「Xfce」「Cinnamon」「Deepin」「MATE」「LXQt」が用意されている)を選択することもできる。
筆者は本記事を執筆するにあたり、Deepinを選択したわけだが、そうしてよかったと思っている。このバージョンのblendOSは柔軟性が高いのみならず、美しいものとなっている。こうした美しさと能力を備えている一方で、blendOSは万人向けのOSとなっているのだろうか、それとも特定ユーザー向けのOSとなっているのだろうか。
その答えを知るには読み進めてもらいたい。
blendOSはどういった人に向けたOSなのか
筆者が選択したデスクトップ環境に基づく評価では、このOSは万人向けの素晴らしいものになり得るという第一印象だった。
しかし、その第一印象は正しくなかった。
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