研究室学生の発表を前にデンソーITLABの研究者や東京科学大の教員が質問・議論する様子
研究室学生の発表を前にデンソーITLABの研究者や東京科学大の教員が質問・議論する様子
2025年3月11日にデンソーITLABで開催された「25春季DENSO IT LAB 認識・学習アルゴリズム共同研究講座研究会」でのポスターセッションの様子(出所:デンソーITLAB)
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 デンソーグループの先端基礎研究企業であるデンソーアイティーラボラトリ(東京・港、デンソーITLAB)は、2025年4月1日からの4年間、東京科学大学情報理工学院において「DENSO IT LAB認識・制御・学習アルゴリズム共同研究講座」を開設する。自動運転やロボティクス、工場自動化、循環経済(サーキュラーエコノミー)、MaaS(Mobility as a Service)などに有用な技術の研究及び開発を目指す。

 両者は、2020年4月1日から2025年3月31日にわたって、「DENSO IT LAB認識・学習アルゴリズム共同研究講座」を開設し、AI(人工知能)モデルの基礎研究や応用研究を実施した。

 今回の発表は、これに加えて新たに制御分野へ展開するものだ。両者は、知能化や電動化といったモビリティー産業の変革期において、AIと制御技術を高いレベルで融合することが、競争力のある次世代モビリティーのコア技術創出につながるとしている。

 共同研究グループを主導する東京科学大学情報理工学院特任教授兼デンソーITLABプリンシパルリサーチャの佐藤育郎氏は、「これまでの研究講座では、認識・学習ソフトウエアのみを対象としていたが、今後はAIのノウハウを基に、ものづくりメーカー(であるデンソーグループ)として動くものを作成・設計することが目標だ。ハードウエアの実用化では制御工学が必要だが、AIによって学術界も一変する瞬間に来ている。機械の知能化による社会への大きなインパクトを狙って、様々なプレーヤーが準備を進めている」としている。

共同研究講座のメンバー
共同研究講座のメンバー
前列左から東京科学大特任教授兼デンソーITLABプリンシパルリサーチャの佐藤育郎氏、同大情報理工学院教授の篠田浩一氏、同社代表取締役社長の岩崎弘利氏、同大特任准教授兼同社リサーチャの星野健太氏。デンソーITLABと東京科学大の8研究室が連携する(出所:デンソーITLAB)
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