2015年7月25日土曜日

副作用は無くなる?がんを90%破壊する、画期的な薬の仕組みとは…


がん治療には大量の抗がん剤が必要…その常識が変わるかもしれません。アメリカで開発された「全く新しい」新薬は、少しの量でほとんどのがんに効果があるといわれていますが…

プロタック  抗がん剤 副作用

今までの薬との違いは?

アメリカ・エール大学などの研究グループは、
「全く新しい仕組みで効果を発揮する薬」
を開発したと発表しました。
薬の名前はプロタック(PROTAC)
これが実用化されれば、副作用の少ない抗がん剤や、これまで治せなかった病気の治療薬が次々開発されてくる可能性があります。

これまでの薬、例えば抗がん剤なら、原因となるタンパク質・がん細胞に結合して働きを妨害します。ところが効果が出るまでには大量の薬が必要で、使いすぎれば副作用も引き起こします

研究グループはこの原因タンパク質をもっと的確に狙えるような仕組みを開発しました。

病原タンパク質に目印を

プロタックには

  • 病原タンパク質を見つける
  • 病原タンパク質に『ユビキチンE3リガーゼ』という酵素をくっつける

という二つの働きがあります。
病原タンパク質にはユビキチンE3リガーゼの働きで『ユビキチン』というタンパク質が集まってきます。ユビキチンは、タンパク質にとって「自分を分解して下さい」というサイン。このサインを見つけて、体の中にもとから備わっている『タンパク質分解酵素』が集まり、病原タンパクを分解していきます。

つまり、体の中にもともとある働きを利用してがん腫瘍を倒していくのです。

低容量でもがんに効く

さらにプロタックは、近くのタンパク質に次々と移動し、何回もユビキチンを付けていくため、低用量であっても体中に効果があるといわれています。
マウスの実験では、2種類のがんを90%以上分解することが出来ました。

「タンパク質を分解する」という性質を利用すれば、がん以外にも、これまで治療法が無かったさまざまな病気にも応用が期待されています。
研究グループが
「この10年で最高の研究成果」
だと語るプロタック。これからが楽しみです。


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