2015年7月3日金曜日

がん治療薬、効果的に患部へ 新タイプの「核酸医薬」、マウスで輸送確認


 大阪大などの研究グループは、新しいタイプのがん治療薬を効果的に患部に届ける方法を開発した。がん細胞の遺伝子の働きを抑えて、がんが増えないようにする「核酸医薬」を極めて微細な粒子の中に閉じ込めてがん細胞に送る。マウスでがんの治療効果を確認したという。
 核酸医薬は、がんなどの新たな薬として期待されている。ただ、核酸は血液中の酵素で分解されるため、そのままでは血管を通じて体内のがんに届きにくい。
 山本浩文・阪大教授や赤池敏宏・東京工業大名誉教授らのグループは、核酸をカルシウムイオンなどと混ぜるなどして、直径10~30ナノメートル(ナノは10億分の1)の微細な粒子を作った。この核酸を含んだ粒子を実験用のがんのマウスの血管内に入れたところ、がんを抑える効果が確認されたという。山本さんは「ヒトで効果があるかを見極める価値がある」と話す。
 (今直也)
(朝日新聞 2015年7月2日掲載)

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