(文=青山大樹)
食品スキャンダルが頻発する中国で、またまた新手の毒食品の実態が明らかになった。
「新浪新聞」(5月4日付)によると、広東省深セン市宝安区西郷街道にある豚肉加工工場で、違法な化学物質を使用しているという匿名の通報が地元当局に寄せられた。報道によるとこの工場では、豚肉加工のほか、豚の血を固めた血豆腐と呼ばれる食品を製造していたが、その過程で人体に有害な化学物質を大量に使用していたのだ。
同工場は、営業許可も得ず看板も掲げない典型的な闇工場だったが、製品の需要は高く、市内の卸売市場を介して広く流通していたという。
人気の秘密は圧倒的な安さだ。同工場の血豆腐の価格は、1kg当たり1元(約16円)以下。これは、正規品の相場と比べ、20分の1ほどである。
この安さを実現するため、同工場が採用していたのは、消費者の健康を完全度外視した製造法だった。
まず、毎日800kg以上の豚の血液を、食肉処理場からタダ同然で入手。これに凝固剤としてミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム)と、ホルムアルデヒドを防腐剤として大量に添加していた。ちなみにミョウバンの大量摂取は、腎臓や肝臓に障害を引き起こし、ホルムアルデヒドは発がん性も認められている有害化学物質だ。
同工場の血豆腐を食べた経験があるというネットユーザーは、メディアの取材に「ここの血豆腐は表面がザラザラしていて、粗っぽい感じがした。口にするとネバネバして、歯にくっつくんだ。見た目が真っ赤で不自然だった。本物の血豆腐は黒味があるのに」と証言している。
さらに工場の内部には悪臭が漂い、床の至るところに豚の血だまりが古くなって固まっているなど、衛生的にも劣悪な環境だったようだ。
中国食品の安全性が日本で取り沙汰されて久しいが、日本人の食生活が中国からの輸入品に頼らざるを得ない状況は変わらない。われわれにできることは、こうした猛毒食品が食卓に流入していないことをただ祈るばかりである……。
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