日本の常識が通じない場所、それが海外。だからこそ楽しいし、伸び伸びと生きることができる。だがしかし……その場所の常識を知っていないと、時として死ぬこともある。日本ではごくごく普通のことなのに、運が悪けりゃ即死だったりもする。
たとえばスマホでの写真撮影だ。それも単なる景色の撮影で、私(羽鳥)は銃殺されかけたことがある。場所は遠く離れたアフリカ大陸、ケニアの首都ナイロビだった。
・おしゃれなカフェ発見!
マサイ族の取材も終え、その日は特にやることがなかった。ケニア人ドライバーのチャオスと共に、「おみやげを買いに行こう!」と、ケニアでは有名な高級ショッピングモールに出かけた時のこと。駐車場にクルマを停め、モール内を歩いていると……
あら! 私の好きなケニアのコーヒー「JAVA HOUSE」のカフェがあるじゃないの。それも、オープンテラス的に、すっごいオシャレな雰囲気になっている〜!!
興奮した私は、サッとスマホを取り出し、少し離れた場所からカフェの外観を1枚パチリ……したその瞬間! 突如、「ピピピーッ!!」と笛がなった。すると──
またたく間に、2人の警備員がすっ飛んできた。まさに「すっ飛んできた」といった表現がふさわしいほどのすっ飛びっぷりであり、なにやら「ててて、てめーら、なにやってんだーッ!」的にスワヒリ語で怒り狂っている。えっ? な、なんで?
ドライバーのチャオスはケニア人なので、丁重に「写真を撮っただけです」的に説明したのだが、興奮さめやらぬ警備員は、すぐさま無線で応援部隊を呼んだ。すると──
今度は、2人の警察官がすっ飛んできた。さっきの警備員より屈強かつ武器も所持しており、警棒を片手に「貴様らは何者? このモールで写真撮るとは……いい度胸だ!!」と怒り心頭。どうやらモール内(駐車場)での写真撮影は禁止だったらしい。
私は英語で「す、スミマセン……い、1枚だけです……。すぐに消します……」とその場で2人の警備員&警察官らにスマホを見せながら削除しようとしたが──次の瞬間!!
「手を上げろ! 動くなーっ!!」
どこからともなく軍服の男2人が現れ、我々に機関銃「AK47」の銃口を向けたのだった。ドドド、ドッヒェーッ!! 今まで海外では様々な体験をしてきたが、実は拘束されたことも何度かあるが、銃口を向けられたのは初めてだったので正直ビビった。
どうなるんだろオレ。死ぬのかなオレ。逮捕じゃなくて殺されるのかなオレ。駐車場の敷地でカフェの外観をスマホで撮影しただけで銃殺されるのかな……アハハ(泣)
しかし、チャオスが何度も「写真を撮っちゃダメなんて知りませんでしたあぁ〜っ(泣)」と説明してくれたことにより、彼ら6人(警備員&警察&軍隊)も状況を理解。私が写真を削除したのを見届けると、やっとこさ解放してくれたのであった。
後にチャオスに聞いてみると、どうやら以下のようなことだったらしい。
・実はモールの駐車場に入るところに写真撮影禁止のマークがあった。
・チャオスはそれを見落としていた。
・2013年の「ケニアショッピングモール襲撃事件」以降、高級ショッピングモールの警備体制は究極レベルに厳しくなった。
・我々は警備員らに、テロリストの「下見のための撮影」かと思われた。
・チャオスはそれを見落としていた。
・2013年の「ケニアショッピングモール襲撃事件」以降、高級ショッピングモールの警備体制は究極レベルに厳しくなった。
・我々は警備員らに、テロリストの「下見のための撮影」かと思われた。
──てな感じで、チャオスはしきりに「オレもうっかりしてた……。すまんな……」と私に謝っていた。
ちなみに上の事件はソマリアのイスラム過激派組織『アル・シャバブ』によるもので、死亡者は民間人61人を含む67人。この凄惨なテロ事件をきっかけに、ナイロビは無論、ケニアは一気に警備を強化。その結果、「前よりも少しは治安が良くなった気がする」と、チャオスは JAVA HOUSEのコーヒーを飲みながら話してくれたのであった。
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
Photo:RocketNews24.
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