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ダイヤモンド半導体の研究で目覚ましい成果が次々と出ている。写真はOrbrayの口径55mmウエハー(写真:日経クロステック)
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 ダイヤモンドは非常に優れた材料特性を備えながら、半導体素子としては課題が多く、実用化はまだまだ先――。そんな状況を覆すような研究成果が次々と出てきた。各社がパワー半導体でライバルの炭化ケイ素(SiC)を超える特性を備えた半導体素子の試作に成功しており、ウエハー口径はSiC並みをうかがうまで拡大してきた。早ければ2025年にダイヤモンドのパワー素子製品が登場しそうだ。

ダイヤモンド半導体において、素子や素子応用、ウエハーなどで成果が出ている(出所:日経クロステック)
ダイヤモンド半導体において、素子や素子応用、ウエハーなどで成果が出ている(出所:日経クロステック)
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 ダイヤモンドは優れた材料特性を備えることから、「究極の半導体材料」と称される。例えば、パワー半導体として見た場合、バンドギャップが広く、絶縁破壊電界と熱伝導率が非常に高い。パワー半導体材料の指標とされる「バリガ性能指数」はSiCの80倍以上、窒化ガリウム(GaN)の10倍以上と目されている。移動通信の基地局で利用する高周波素子やセンサー素子の材料としてもダイヤモンドは期待されている。

 ただし、半導体素子にするとこれまで期待したほどの特性が出ず、材料の高い潜在力を引き出せていなかった。加えて、素子の製造に必要なダイヤモンドウエハーの口径が小さく、実用には不向きだった。こうした課題の解決につながる成果が次々と出てきた。