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鴻海はEVプラットフォーム事業を強化するためにパワー半導体の開発に力を注ぐ。写真は、同社のEV「モデルC」(写真:日経クロステック)
鴻海はEVプラットフォーム事業を強化するためにパワー半導体の開発に力を注ぐ。写真は、同社のEV「モデルC」(写真:日経クロステック)
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 台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業を中核企業とする鴻海科技集団が炭化ケイ素(SiC)を利用したパワー半導体事業を強化する。中でも力を注ぐのが電気自動車(EV)などの電動車両に向けたモジュール品である。傘下の半導体設計会社である台湾・能創半導体(PowerX)が2025年に製品化する。鴻海はEVプラットフォーム事業に注力しており、SiCまで取り込むことで、垂直統合化を推し進める。

鴻海は半導体設計子会社を立ち上げて、SiCの車載モジュールに力を注ぐ(出所:日経クロステック)
鴻海は半導体設計子会社を立ち上げて、SiCの車載モジュールに力を注ぐ(出所:日経クロステック)
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 PowerXの源流は、鴻海と台湾・国巨(ヤゲオ)が共同出資して2021年に設立した台湾・国創半導体(XSemi)にある。PowerXは、XSemiのSiCパワー素子や同素子を搭載するモジュール、ならびにIC(集積回路)の事業を買収したことで誕生した。この買収の発表は2023年5月で、同年夏から本格的に活動を始めたという。その成果として、同じ鴻海グループであるシャープが2023年11月に開催した展示会にPowerXはSiC製品を出展した。

 PowerXは、電動車両向けにSiCパワー素子を搭載したモジュール品、いわゆる車載モジュールと、小型パッケージに封止した「ディスクリート(個別)品」の2つを用意する。いずれも車載用途を主とする。加えて、パッケージに封止しない「ベアチップの提供も可能」(説明員)だという。自動車メーカーや大手車載部品メーカーの中には、ベアチップでの供給を望む企業がおり、それに応える。