2024年2月28日水曜日

ACCUPHASE A-80 or P-7500 試聴レポート


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DynamicAudio 5555 H.A.L.3

ACCUPHASE

純A級アンプ A-80 ¥1,540,000(写真左)

AB級アンプ P-7500 ¥1,485,000(写真右)

弊社ダイナミックオーディオがアキュフェーズ社の製品の取り扱いを開始したのが、2018年6月。
あっという間に6年目を迎えております。
改めてアキュフェーズ社、そしてお客様に感謝を申し上げたいと思っております。

さて取り扱いスタート時点ではプリアンプはC-2850、パワーアンプはA-70とP-7300、CD/SACD PLAYERはDP-720を展示しておりました。
それからすぐにA-70はA-75へ。DP-720はDP-750へ変わりました。

P-7300は昨年2022年4月にP-7500へ。そして今年2023年の9月にはA-75はA-80と進化しました。
ご存じの方も多いかと思いますがアキュフェーズ製品は約5年周期で新製品を発表しており、CD/SACD PLAYERはDP-720からDP-750、そして今月11月にDP-770が発売されました。

パワーアンプは現在はA級のモノラルアンプ A-300、A級のステレオアンプA-80、そしてAB級のステレオアンプP-7500がフラッグシップとなります。

今回は新製品A-80とP-7500のステレオアンプに注目をしてみます。



A-80

A-80 P-7500
仕様 純A級ステレオアンプ AB級ステレオアンプ
出力 65W(8Ω)
130W(4Ω)
260W(2Ω)
520W(1Ω) 300W(8Ω)
600W(4Ω)
900W(2Ω)
出力(ブリッジ) 260W(8Ω)
520W(4Ω)
1040Ω(2Ω) 1200W(8Ω)
1800W(4Ω)
ダンピングファクター 1000以上 1000以上
消費電力(無信号時) 210W 142W
消費電力(電気用品安全法) 530W 800W
スピーカー出力(同時出力) 2系統 2系統
メーター 電力の数値のデジタル型
/バーグラフ 対数圧アナログ
パワーメーター
入力切替 あり あり
ゲイン切り替え パネルオープン内 あり
OPERATION
NORMAL
BRIDGE
DUAL MONO NORMAL
BRIDGE
DUAL MONO
位相切り替え あり(背面) あり(背面)
サイズ(W×H×D) 465×240×515mm 465mm×238×515mm
重量 44.6kg 49.0kg
価格(税込) ¥1,540,000 ¥1,485,000
まず見た目ですの判断はメーターになってくるかと思います。
デジタルメーターがA級、そして針を使ったメーターがAB級になります。
(但し純A級アンプのA-48は針を使ったメーターになります。)

2モデルを見ると出力に違いがありますが、あくまでも参考ということでお考えいただければと思います。

この2モデルの共通はいくつかあります。



1)NORMALモード スピーカー2系統同時出力
バイワイヤー対応のスピーカーであればケーブル2セット使用することができます。

2)BRIDGEモード
BRIDGEモードでは1台のステレオアンプをモノラルアンプにして、出力を上げることができます。
この場合はスピーカーの接続の方法が変わりますのでご注意ください。
(Lチャンネル+にスピーカーケーブルの+、Rチャンネルの+にスピーカーケーブルの-)

3)DUAL MONOモード
Lチャンネルの入力に入った信号をRチャンネルのスピーカー出力に送ることができます。
Lチャンネルに高域、Rチャンネルに低域ということにすることでバイアンプという使い方ができます。
ステレオパワーアンプには2台のアンプが入っているというイメージをお持ちいただければと思います。

さてA-80を展示する前にA-75との比較をする為にアキュフェーズ本社にお伺いをしました。
スピーカーはB&Wの801D4を用意してもらいました。



アキュフェーズ試聴室にはA-300、A-80、A-75、P-7500がありましたので全て試聴することができました。
ただアキュフェーズ試聴室と4Fの試聴室では音のなり方が違い印象が変わることがあります。ただA-80の魅力はここでも感じることができました。このモデルを手掛けたエンジニアの方ともお話をすることができました。

今回はあくまでも4Fの試聴室で感じたコメントとさせていただきます。


A級アンプの良さは空気感のある音楽性と聴き疲れの少ないサウンド。AB級は楽器一つ一つのリアリティ感を感じます。例えばクラシックですと開放感や音の広がりはA級が良いと思う時が多いですが、ロック、ジャズなどのグルーブ感のある音楽はAB級の方が反応が良く気持ちよく感じます。

ただそこで語れないのが奥行き感や情報量といったところです。
私の中でもある部分でA級、AB級で線を引いているつもりですが、ここ数年アキュフェーズの新製品を聞いているとそうでもない気持ちになります。

A-70とP-7300の時代はA級、AB級解りやすかったように感じます。その後にA-75の発売、P-7500の発売、そしてA-80の発売とA級、AB級を飛び越えたオーディオクオリティと音楽感を感じるようになりました。
アキュフェーズの製品は一人のエンジニアを中心に製作しているのではなく、製品、製品によって責任者が変わっており、最終的に社内で音を確認して発売にいたります。
その方の音楽的な個性が良い意味で現代風にシフトいるようにも感じます。逆にいうと昔ながらのアキュフェーズサウンドをお好きな方にとっては必ずしも新製品が良くなったということにならないのかもしれません。
これはおそらくアキュフェーズ社内でも同様なことが言えると思います。
聞く音楽、生きてきた過程の中での音楽との携わり方でもやはり変わってくると思います。

今回A-80を試聴した時にはスピーカーの存在がさらに消え、後方展開するようになりました。非常に音の前後感も良くなり、さらに高さ表現もかなり向上しました。それとプラスして音楽的な要素が加わり音楽を聴いていてドキッとすることが増えました。クラシックを含めたライブ盤ではスケール感も上がり、その場にいる感じがかなり良くなっております。無音状態から出てくる一音目の感動。これが以前にも増して出てくるようになりました。低域に関しては量感がありますが、少し膨らむ傾向ではあります。ここはA級とAB級の違いなのかと思いますが、実に良いパワーアンプであることは間違いないです。

それと対比してP-7500は音楽感というアプローチではなく、音楽が過剰になることなく楽しめます。色付けがない分アーティストやエンジニアがこうしたいであろいうというのが解りやすいですし、楽器の位置関係はこちらの方がはっきり出るように感じます。音楽の聴かせ方がここまで違うと面白いですね。

既に多くのお客様が比較試聴に来られておりますが、ロックをメインで聞かれるお客様でもA-80が良いという方もいらっしゃれば、やはりP-7500の躍動感やリアリティはA-80では得られないという意見もあります。

ここ最近ではDUAL MONOで使用する方も増えております。ひとつにはAB級のモノラルアンプのフラッグシップモデルM-6200が生産終了となり、今のところ後継モデルは用意されておりません。
バイワイヤーのスピーカーが増え、P-7500を2台購入するというお客様もいらっしゃいます。
そうなるとモノラルのA-300とA-80 2台どちらが良いですかという質問もあります。買い替えを含めて実に頭を悩ませてくれるメーカーだなと思ってしまいます。
ただアキュフェーズの製品作りの進化というのは目を見張るものがあります。
A-80登場によりA-300の展示をいったん終了し、P-7500との比較をメインに行います。

是非新たなアキュフェーズの世界を感じていただければ幸いです。

DYNAMIC AUDIO 島 健悟


5555SHIMA
2023年11月5日
ACCUPHASE
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