一刻を争う治療のために…ノルウェー空軍の戦闘機が医療機器を運び、患者の命を救う
ノルウェー空軍の戦闘機が医療器具を届けたおかげで、患者の命が救われたというエピソードが話題となっている。
医療機器を備えた病院までは450kmも
当時、その患者は病状が悪化したため、肺や心臓への特別な治療法である体外膜型酸素供給(ECMO)を緊急に行う必要に迫られていたという。
しかし患者が収容されていたノルウェー中部のボードーという町の病院には、その治療を行うための医療機器はなく、それを扱うスキルをもった関係者もいなかったそうだ。
残された選択肢は他の病院から機器を借りること。ただしそれを備えていたTrondheim’s Saint Olaf病院は450kmも離れていた。
病院関係者が空軍に緊急要請
一刻の猶予を争う状況において、時間をかけて運んでいては手遅れになりかねない。そのため連絡を受けたTrondheim’s Saint Olaf病院の関係者は4月1日、ノルウェー空軍に医療機器を届けて欲しいと要請。
その時の状況をTrondheim’s Saint Olaf病院のAnders Wetting Carlsen氏は「彼ら(空軍関係者)は機器の大きさがどのくらいかという質問以外、一切しませんでした」とAFPの取材で語っている。
幸運にもF16戦闘機に外部格納庫が
要請を受けた空軍基地では当時、2機のF16戦闘機が離陸の準備をしていたそうだ。しかも幸いなことにそのうちの1機は外部格納庫を装備。やがて戦闘機は医療機器を積みボードーへ向け発進。無事に送り届けることに成功し、患者の命も救われたという。
空軍のBorge Kleppe中隊長はノルウェー紙の取材に対し「通常、我々はこの距離なら35分かけて飛行します。しかし運搬物の特別な事情を考慮してパイロットが加速したため、目的地には25分弱で到着しました」と語っている。
1人の人間を救うためにはできる限りの協力は惜しまないという、命を大切に思う姿勢がこのような行動に結びついたにちがいない。
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