三菱化学が手がける植物由来の原料を使った樹脂「バイオプラスチック」を自動車部品に採用する動きが広がっている。石油由来の樹脂より高額だが、環境にやさしく、塗装が不要になるなどコスト面のメリットも注目されている。
マツダは、22日に発売する小型スポーツカー「ロードスター RF」の後方の窓枠部分などの外装パネルに、バイオプラスチック「デュラビオ」を採用した。トウモロコシの粒から抽出した糖分で化学合成し、耐熱性や透明性などが高い高機能樹脂だ。これまで使ってきた石油由来の樹脂では両立できなかった「強度」と「色落ちしにくさ」の特性をあわせ持つという。着色剤を混ぜて部品を成型できるので、塗装工程を省けるのが売りだ。
2014年にスズキの軽自動車「ハスラー」の内装カラーパネルに採用されたのを皮切りに、今年6月には仏ルノーの新車のメーターカバーに採用。シャープ製のスマートフォンの前面パネルにも使われた。
三菱化学の石塚博昭社長は「電子機器など他の産業にも広げていく」と話す。年5千トンの生産体制を、20年までに2万トンに高める計画だ。(宮崎健)
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