2016年12月18日日曜日

島ラッキョウに抗酸化成分 リセットジャパンと沖縄高専 商品化、来月サプリ発売


経済
 
2016年12月17日 10:29
  
島ラッキョウからアリルシステイン抽出の成功と、サプリメント「譽」をPRする(左から)玉城喜次さん、藏屋英介さん、小花一夫さん=16日午後、名護市の国立沖縄工業高等専門学校

 リセットジャパン(今帰仁村、玉城喜次社長)と沖縄工業高等専門学校の藏屋英介技術室副技術長(分析化学)の研究チームは16日までに、強い抗酸化作用を持ち美容に効果があるとして注目を集めるアリルシステインを島ラッキョウから抽出することに成功した。従来はニンニクにしか含まれないとみられていた成分で、アリルシステインを高濃度に含む製品の開発は県内で初めて。

 エキスを抽出する過程でラッキョウ独特の匂いを減らす独自技術の開発にも成功し、来年1月27日からエキスを濃縮したサプリメント「譽(ほまれ)」の販売を始める。同社は北部の農家と契約し、1キロ700円で買い取ってサプリ生産を本格化する計画だ。玉城社長は「沖縄を薬草の島として全国、世界に発信したい」と意気込んだ。

 濃縮エキスは100グラム当たり6・4ミリグラムのアリルシステインを含む。ニンニクに含まれる量は科学論文に掲載されているものでも9・4ミリグラム程度という。生ニンニクにはほとんど含まれず、数カ月熟成させて化学変化で成分を増やして抽出される。島ラッキョウは収穫後すぐに抽出することができ、製造コストを大幅に減らせる。藏屋副技術長は「島ラッキョウにアリルシステインが含まれているとは思わなかった。水溶性で濃度も高いので、摂取しやすい」と特長を語った。

 サプリ1粒当たり、島ラッキョウ40個程度のエキスが濃縮されている。アリルシステイン以外にも、活力につながるアルギニンや、不安な気分を抑えるGABAなどの成分も多く含まれ、島ラッキョウのさらなる利用や普及が期待される。

 原料となる島ラッキョウは1キロ当たり数千円程度の高値が付くこともあれば、100円程度まで下がることもあり価格差が大きい。同社は安値のため栽培した島ラッキョウを捨てる農家がいることから、2年かけて研究開発を進めた。玉城社長は「環太平洋連携協定(TPP)もあり、農業の厳しさがささやかれているが、やり方次第で沖縄でもすごいことができると思う。特定保健用食品や、機能性表示食品を目指したい」と語った。「譽」は1袋60粒入りで3千円以下での販売を目指している。問い合わせはリセットジャパン(電話)0980(56)5574

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