~バイワイヤリング接続とは?~
近年発売されるスピーカーの多くが、スピーカー端子が低域側(+/-)と高域側(+/-)の4箇所あり、バイワイヤリング接続対応となっています。
通常は+側、-側それぞれがジャンパープレートで接続されており、+と-を間違えなければ低域側・高域側のどちらに繋いでも音は出ます。
(このつなぎ方をシングルワイヤ接続と言います)
バイワイヤリング接続は、ジャンパープレートを取り外し、低域側と高域側を独立させた状態で、それぞれのスピーカー端子にケーブルを接続する方法になります。
2芯のスピーカーケーブルの場合は片側で2組必要になります。
4芯のケーブルでしたら、1芯ずつ割り当てれば1組で対応できます。
~バイワイヤリング接続の効果~
シングルワイヤ接続では、低域用ウーファーが動いた時に発生する「逆起電力」が、ジャンパープレートを通じて高域側ツィーターに流れ込むため、音を濁らせてしまうと言われています。
バイワイヤリング接続にすると、ウーファー部で発生した逆起電力がスピーカーケーブルを伝わりアンプまで戻り、再度アンプからスピーカーケーブルを伝ってツィーターへ流れることになります。
ジャンパープレートで繋いでいた時(シングルワイヤ接続)よりも長い距離を伝わることになりますので、逆起電力が減衰し、影響が小さくなります。
~バイワイヤリング接続で聴いてみた~
使用スピーカー:B&W 805D3
シングルワイヤからバイワイヤリング接続に変更すると同じボリューム位置ですが音量が少し小さくなったように感じます。
どうやら付帯音が少なくなるようで、S/Nがよくなったように思います。
シングルワイヤとバイワイヤリングの違いを感じることができました。
JBL 4429(以前試した時のメモから流用します)
明らかに音が変わります。
スッキリ感が増し、音の混濁感が減りました。
また、高さの表現力も向上しました。
バイワイヤリング接続の4429は、実にニュートラルで大人なサウンドといった趣きとなります。
往年のJBLのガッツがあるワイルドな音とは明らかに異なりますが、こちらもいい音です。
4429のオーナーの方は、バイワイヤリング接続を試してみることを強くお勧めいたします。
~バイアンプ接続とは~
バイワイヤリング接続の進化形といえるのが低域/高域を完全に別のアンプで駆動するバイアンプ接続です。
低域/高域それぞれの影響を排除したスピーカー駆動が可能となります。
プリメインアンプやパワーアンプでは2台使用して低域/高域に分けて接続します。
近年のAVアンプでは、設定でスピーカーの繋がっていない空いている内蔵アンプを活用してバイアンプ駆動が可能なモデルが多くなっています。
~バイアンプ接続で聴いてみた~
DENONのAVアンプ AVR-X1500HとMONITOR AUDIOのスピーカー Silver200で聴いてみます。
ジャンパープレートを外してシングルワイヤからバイアンプ接続に変え、アンプの設定をbi-ampに変更します。
同じボリューム数値で試聴しましたが、違いは明らかでした。
シングルワイヤ接続だと塊で飛んでくるように聴こえる音がバイアンプ接続ではしっかり分離しています。
またバイワイヤリング接続時に感じたように、ノイズが減って静かになったように感じます。
高域の鮮明さはバイアンプがいいですね。
ただしシングルワイヤの方が迫力を感じる鳴り方ですので、ロックなどを中心で聴かれる場合はバイアンプにする必要はないかもしれません。
~まとめ~
バイワイヤリング対応のスピーカーを持っていても、シングルワイヤで繋いでいる場合が大多数であるというデータがあるのですが、個人的には残念に思います。
ジャンパープレートを外してバイワイヤリングを試してみると別の世界が見えたりしますので、興味がある場合は試してみることをお勧めいたします。
担当S
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