GEとサフランが長年培ってきた技術をすべて注ぎ込む
低価格を売りに格安航空会社(ロー・コスト・キャリア、LCC)は世界のマーケットで勢いを増してる。日本におけるLCCのシェアは、国内線、国際線ともに10%未満と他国に比べるとまだまだ低い水準にとどまっているが、大手航空会社によるLCCビジネスへの出資や、日本政府によるLCCの利用促進により、今後さらなるシェアの拡大が期待されている。
近距離や中距離路線をターゲットとしているLCCが運航する航空機は、機内の通路が一つのナローボディーが主流。これらナローボディー機種の最新型であるエアバス社のA320neo、ボーイング社のB737MAX、コマック(中国商用飛機)社のC919に搭載されているのが、CFMインターナショナル社製の最新エンジンLEAP。
LEAPを搭載したA320neoの初号機は、2016年夏にトルコのペガサス航空に納入された。それ以外にも、マレーシアのエア・アジアやブラジルのアビアンカ・ブラジル航空、米国のフロンティア航空などのエアラインがLEAPを搭載する航空機を運航している。
ペガサス航空によればLEAPが搭載された航空機は、路線投入されてから毎日最大11便のフライトを運航、その離着陸回数は2500回を超えてる。「この間に故障は一度もなく、このエンジンに大変満足している」と同航空のメーメット・ナネCEOは話す。
「この信頼性の高いエンジンのおかげで運航スケジュールが遅れないばかりか、次の離陸までに30分間の時間を生み出すことができている」とナネCEO。
LEAPのマーケティング・ディレクターであるエヴァン・ハーディング氏は「この信頼性こそがLEAPの強みだ」という。
「LEAPの設計をする前に、我々は、お客様である世界中のエアラインから次世代型エンジンに求めることは何かをヒアリングした。航空機を飛ばす環境や運航の頻度によって、各社から少しずつ違う答えをもらったが、共通して求められていたのは、パフォーマンス、信頼性、耐久性だった。お客様はパフォーマンスの高いエンジンを求めていた」
「ただ、それにより、CFMのレガシーであるクラス最高レベルの信頼性(航空機を使いたいときに使える)や耐久性(すぐに劣化することがない)が損なわれることはあってはいけない。これが我々へのメッセージだった」(ハーディング氏)。
これらを叶えるために、米ゼネラル・エレクトリック(GE)とフランスのサフラン・エアクラフト・エンジン社(以下、サフラン)から数千人のエンジニアが結集。LEAPの製造過程で自身もエンジニアとして開発や組み立てに携わったハーディング氏は、「ここ最近の歴史のなかで最も大規模なエンジンプログラムの一つだった」と振り返る。
「我々は、LEAPを3機種(A320neo、B737MAX、C919)に対応させるために、開発段階に40以上のテストエンジンを製造した。過去のエンジン開発プロジェクトでここまでの数のテストエンジンを製造したことない」とハーディング氏。
「通常、エンジンの開発段階で部品の装着度合や組み立て状況など多くのことを検査する。これらの結果に応じて調整することは珍しいことではない。ただ、LEAPに関してはいくつかの改善は施したものの、問題点は見当たらなかった」(ハーディング氏)。
ハーディング氏はLEAPのマーケティング・ディレクターに着任する前に、米国オハイオ州シンシナティの開発工場でエンジニアとして勤務していた。
「エンジンのブレードから燃焼器、ファン、低圧タービンに至るまでエンジンのすべての部品に触れて、組み立てて、最終検査をして、エンジンを送り出す、そのすべての過程に関わっていた。私は、エンジンと多くの時間を過ごして本当に多くのことを学んだ」
「LEAPの開発に携わった他の多くのエンジニアも同様に、このエンジンを設計し、完璧に仕上げるために本当に多くの時間を捧げてきた。そうして完成したのがLEAPだ」とハーディング氏。
LEAPの特徴として、これまでのCFM56に比べて燃費が15%改善していることをはじめ、排出ガス量や騒音レベルが低いなど、パフォーマンスの高さが挙げられる。これらが達成できるのは、GEとサフランが長年培ってきた技術がLEAPにすべて詰め込まれているから。
「LEAPは数十年間にわたってGEがワイドボディ機で培ってきた実績とCFM社がナローボディ機で積み上げてきた経験によって作られたもの。LEAPを開発する際、我々がこれまで製造してきたエンジンで学んだことをすべて活かした設計にしようと決めた。パフォーマンスを向上させるためには実績のある設計コンセプトを採用するのが一番だと考えたからだ。だからこそ、テスト段階から問題が起きず、信頼性の高いエンジンを完成することができた」(ハーディング氏)。
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近距離や中距離路線をターゲットとしているLCCが運航する航空機は、機内の通路が一つのナローボディーが主流。これらナローボディー機種の最新型であるエアバス社のA320neo、ボーイング社のB737MAX、コマック(中国商用飛機)社のC919に搭載されているのが、CFMインターナショナル社製の最新エンジンLEAP。
LEAPを搭載したA320neoの初号機は、2016年夏にトルコのペガサス航空に納入された。それ以外にも、マレーシアのエア・アジアやブラジルのアビアンカ・ブラジル航空、米国のフロンティア航空などのエアラインがLEAPを搭載する航空機を運航している。
ペガサス航空によればLEAPが搭載された航空機は、路線投入されてから毎日最大11便のフライトを運航、その離着陸回数は2500回を超えてる。「この間に故障は一度もなく、このエンジンに大変満足している」と同航空のメーメット・ナネCEOは話す。
「この信頼性の高いエンジンのおかげで運航スケジュールが遅れないばかりか、次の離陸までに30分間の時間を生み出すことができている」とナネCEO。
LEAPのマーケティング・ディレクターであるエヴァン・ハーディング氏は「この信頼性こそがLEAPの強みだ」という。
設計前にエアラインからヒアリング
「LEAPの設計をする前に、我々は、お客様である世界中のエアラインから次世代型エンジンに求めることは何かをヒアリングした。航空機を飛ばす環境や運航の頻度によって、各社から少しずつ違う答えをもらったが、共通して求められていたのは、パフォーマンス、信頼性、耐久性だった。お客様はパフォーマンスの高いエンジンを求めていた」
「ただ、それにより、CFMのレガシーであるクラス最高レベルの信頼性(航空機を使いたいときに使える)や耐久性(すぐに劣化することがない)が損なわれることはあってはいけない。これが我々へのメッセージだった」(ハーディング氏)。
これらを叶えるために、米ゼネラル・エレクトリック(GE)とフランスのサフラン・エアクラフト・エンジン社(以下、サフラン)から数千人のエンジニアが結集。LEAPの製造過程で自身もエンジニアとして開発や組み立てに携わったハーディング氏は、「ここ最近の歴史のなかで最も大規模なエンジンプログラムの一つだった」と振り返る。
「我々は、LEAPを3機種(A320neo、B737MAX、C919)に対応させるために、開発段階に40以上のテストエンジンを製造した。過去のエンジン開発プロジェクトでここまでの数のテストエンジンを製造したことない」とハーディング氏。
「通常、エンジンの開発段階で部品の装着度合や組み立て状況など多くのことを検査する。これらの結果に応じて調整することは珍しいことではない。ただ、LEAPに関してはいくつかの改善は施したものの、問題点は見当たらなかった」(ハーディング氏)。
ハーディング氏はLEAPのマーケティング・ディレクターに着任する前に、米国オハイオ州シンシナティの開発工場でエンジニアとして勤務していた。
完璧に仕上げるために学んだことをすべてを活かす
「エンジンのブレードから燃焼器、ファン、低圧タービンに至るまでエンジンのすべての部品に触れて、組み立てて、最終検査をして、エンジンを送り出す、そのすべての過程に関わっていた。私は、エンジンと多くの時間を過ごして本当に多くのことを学んだ」
「LEAPの開発に携わった他の多くのエンジニアも同様に、このエンジンを設計し、完璧に仕上げるために本当に多くの時間を捧げてきた。そうして完成したのがLEAPだ」とハーディング氏。
LEAPの特徴として、これまでのCFM56に比べて燃費が15%改善していることをはじめ、排出ガス量や騒音レベルが低いなど、パフォーマンスの高さが挙げられる。これらが達成できるのは、GEとサフランが長年培ってきた技術がLEAPにすべて詰め込まれているから。
「LEAPは数十年間にわたってGEがワイドボディ機で培ってきた実績とCFM社がナローボディ機で積み上げてきた経験によって作られたもの。LEAPを開発する際、我々がこれまで製造してきたエンジンで学んだことをすべて活かした設計にしようと決めた。パフォーマンスを向上させるためには実績のある設計コンセプトを採用するのが一番だと考えたからだ。だからこそ、テスト段階から問題が起きず、信頼性の高いエンジンを完成することができた」(ハーディング氏)。
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