https://xtech.nikkei.com/dm/atcl/car/15/121100086/121400003/
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三菱自動車が2017年10月に欧州で出荷し始めた新型の小型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「エクリプスクロス」(関連記事)。新しく開発した排気量1.5Lの直噴過給ガソリンエンジンを搭載した。従来の2.0L自然吸気エンジンから“ダウンサイジング”し、燃費性能を高める。日本では2018年3月に発売予定。
新エンジン「4B40」は、ジヤトコ製のCVT(無段変速機)と組み合わせる。最高熱効率は約37%と高い。圧縮比は10で、競合他社の最新の直噴ターボエンジンとほぼ同水準に達する。欧州仕様車のCO2排出量は約150g/kmになる。
IHI製のターボチャージャーを1基装着する。過給圧は150kPa程度と大きくなく、軽自動車に使うような小さなターボにした。三菱自動車の技術者は、「最大トルクではなく、低速トルクを速く高めることを重視して選んだ」と語る。小径タービンを低速域で速く回して過給し、ターボラグ(過給遅れ)を抑える。
ターボには、三菱電機製の電動ウエイストゲートバルブを備えた。エンジン負荷が上がるにつれて、ターボに入れる排ガス量を減らす。ターボの過回転による故障を防ぐ。エンジン回転速度で約2000rpm以上になると、バルブを開いていく。
欧州仕様のエンジンの最大トルクは250N・m(1800~4500rpm)、最高出力は120kW(5500rpm)。従来の2.0L自然吸気エンジン「4J11」に比べて、最大トルクを3割以上、最高出力を約1割高められた。
トヨタと同じポート噴射併用
直噴インジェクターに加えて、ポート噴射インジェクターを備えた。エンジンの低負荷域では、ほとんどポート噴射だ。2種類のインジェクターを使うためにコストは増えるが、デポジット(堆積物)の発生を抑えて信頼性を高められる。低負荷域の筒内温度が低いときに直噴にすると、デポジットが生じやすい。
三菱自動車は、1996年に世界で初めて量産車に直噴ガソリンエンジンを投入した実績がある。ただ当時の実力では、デポジットが堆積する問題を完全に解決できなかった。同社は低負荷域でポート噴射にすることで、デポジット問題をなくせると見込む。なお直噴とポート噴射を併用する構成は、トヨタ自動車の「D-4S」と同じである。
低負荷域でポート噴射にするが、熱効率は下がらない。低負荷域の筒内温度はもともと低く、直噴による筒内温度を下げられる効果は同領域に限ると熱効率向上にほとんど貢献しないからだ。ポート噴射の噴射圧は低いため、むしろ高圧になる直噴に比べてエネルギー損失を小さくできるという。ポート噴射インジェクターの噴射圧は0.45MPaなのに対して、直噴インジェクターは20MPaと40倍以上高い。インジェクターはともにデンソー製を採用した。
ポート噴射を併用すると、PM(粒子状物質)発生量を抑えられる利点もある。PMの発生は、空気と燃料を混ぜる時間の短い直噴エンジンの弱点。欧州の排ガス規制では、PM発生量を対象にする。三菱自動車の新エンジンは、欧州で始まった新しい走行試験モードである「WLTP(Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure)」に基づいたPM発生量の規制値に対して、従来の排ガス後処理装置の構成のままで対応できる。
ただしWLTPに比べてさらに厳しいRDE(Real Driving Emission)試験を基にしたPM排出量規制が始まると、新エンジンでも対応が難しくなる。そのため、2019年からGPF(ガソリン・パティキュレート・フィルター)を採用する考えだ。
吸気と排気でともに油圧式バルブタイミング(VVT)機構を備えた。吸排気弁をともに開くオーバーラップ領域を設けて、ターボで過給した空気で燃焼後の排ガスを押し出すことなどに活用する。
新エンジンには、競合他社がよく採用する外部EGR(排ガス再循環)を使わなかった。外部EGRには、ポンピング損失を減らせる効果がある。主に低負荷域で排ガスを筒内に戻すことで、スロットル弁を開いたまま空気量を減らせる。三菱自動車はダウンサイジングして排気量を小さくしたことで「ポンピング損失は十分に抑えられた」(三菱自動車の技術者)と見ており、外部EGRを採用しても損失低減効果が小さいと判断した。
エンジン気筒の内径(ボア)が75mm、行程(ストローク)が84.8mmのロングストロークにした。従来エンジンは86mm×86mmのスクエアだった。ボアピッチは83mmである。
【メルセデスベンツ Cクラス 新型試乗】C200アバンギャルドは「190E」の再来か…島崎七生人
BSG+48Vの「C200」
4車種23モデルで展開される新型メルセデスベンツ『Cクラス』は、スタンダードな4気筒から、4リットルのV8ツインターボまで、例によって幅広い展開だ。
その中でも注目なのは、スターターとジェネレーターの役割を果たすモーターをもつBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)と48V電気システムを搭載した「C200アバンギャルド」。
エンジンは何と1.5リットルの4気筒ターボながら184ps/280Nmを発揮。これに加えて、ベルトでクランクシャフトと繋がる例のモーターが14ps/160Nmを発生し、加速時ほか、シフトチェンジ時の回転合わせ、コースティングなど、場面に応じ駆動力を発揮、アシストするというもの。発電は回生ブレーキ等で行われ、1kWhのリチウムイオン電池に蓄電される仕組みで、低燃費と走りを支える。
メルセデスベンツ C200アバンギャルド
他方で安全/運転支援機能は『Sクラス』同等に設定。ウインカー操作で車線変更を自動で行なう機能や、自動停止後の自動再発進(高速道路上なら30秒以内など条件がある)、従来より作動領域を拡大させたステアリングアシストなど、充実した内容が盛り込まれる。
外観はグリル回り、ランプ類の意匠変更などがポイントだが、いつものように従来型オーナーや熱烈なメルセデス・ベンツ・ファンなら識別可能といったレベル。それ以上に内容、性能の熟成が進められた……といったところだ。
「190E」のインパクトに匹敵
メルセデスベンツ C200アバンギャルド
試乗会で与えられた1枠分の試乗(と撮影)につき、自分のクルマのように数日間乗ることで見えてくる良さは、もっとあると思う。が、反対にさらっと乗り、感じられたことも決して少なくなかった。そのひとつが、極上のドライバビリティが実現されている、ということ。
BSGが裏支えしているのは確かだが、最初の発進から、街中の渋滞での加減速、山間路、バイパスなど、およそすべてのシーンで、とにかくスムースに徹した走りっぷりを示してくれるのである。新機構を搭載しながら、それらを完璧に使いこなした上で、これだけそんなりと走ってしまう。たいしたものだというほかない。
当然、乗り味もなめらかな味わい。神経を一切逆撫でしない。さらに、ステアリングフィールもなめらかで上質なのも、やはりメルセデスベンツならではだ。個人的には、ここまで感銘を受けたメルセデスベンツの乗り味は久しぶりであり、遠く『190E』に初試乗した際のインパクトにも匹敵するのでは?とさえ思った。
メルセデスベンツ C200アバンギャルド
ステアリングホイールはグリップの奥行き方向の厚みがやや大きいとも思う。けれどコラム右手に備わるシフトレバーや、昔ながらのシート形状をしたドアトリム上のパワーシートの調節スイッチなど、操作系は整理された配置で使いやすい。
カッチリと上質な室内のフィニッシュレベルは相変わらずだが、フロントガラスからサイドウインドにかけて、ベルトラインが真っすぐに通っているなど、セダンらしく視界がよく、車両感覚が掴みやすいデザインなのも好ましいところ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
《島崎七生人》
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