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日刊工業新聞
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富士通は、量子シミュレーター上で量子・古典のハイブリッド(複合型)アルゴリズムを従来比200倍高速化できる技術を開発した。これにより、量子ビット数の大きい問題に対する量子アルゴリズムの開発が加速。量子コンピューターによる化学材料や創薬、金融分野への応用が進むことが期待される。 開発した技術は繰り返し実行される膨大な量子回路計算を複数グループに分散し同時処理することが可能。さらに世界最大級となる同社開発の40量子ビットの量子シミュレーターのうち32量子ビットを使うことで規模が大きな問題でも精度の劣化を抑えつつ問題を単純化できる手法を見いだした。 これらを合わせて従来方式では200日必要とされる量子シミュレーターでの計算を1日で実行可能とした。 具体的にはパラメーターを微小変更した量子回路に影響を及ぼすことなく実行できることに着目。量子シミュレーターの計算ノードを複数に分割し、ネットワークを通して量子回路計算のジョブ(プログラムの実行)を投入することで、各グループが異なる量子回路を実行できる分散処理技術を開発。計算時間を従来比70分の1に短縮可能とした。 現在、誤り耐性量子コンピューター(FTQC)に先駆けて小・中規模の量子コンピューター(NISQ)の活用が検討されているが、大規模な問題を量子シミュレーターで解くと、数百日程度かかると試算されている。
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