2024年2月23日金曜日

2024年話題の金属プリンター。

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2401/24/news005.html

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3Dプリンター活用をもっと身近に! 「3D-FABs」が選ばれる理由とは自動車/航空宇宙業界も注目

オリックス・レンテックが2023年5月に提供を開始した3Dプリントの造形シミュレーションサービス「3D-FABs」。手持ちの3D CADデータを使って造形の可否判定から費用の概算までワンストップかつ無料でできるWebサービスだ。利用者の反応やユースケース、金属3Dプリンター活用のトレンドを担当者に聞いた。

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 製造業を中心に3Dプリンター活用の重要性が増している。金型が不要で複雑な形状もイメージ通りに造形できることから、試作の効率化やコスト削減、開発期間の短縮といった多くの利点がある。サステナブルなモノづくりの観点からも、従来工法の切削加工に比べて材料の無駄がないこと、ラティス構造(中空構造)によって軽量化できるなどのメリットが評価されている。

 だが産業用3Dプリンターは1台数千万~1億円強と非常に高額なため、自社に導入する前に外部の受託造形サービスを利用することから始めることも珍しくない。その場合は複数の委託先とやりとりして見積もりを取る必要があるため3Dプリンターによるモノづくりに不慣れな現場にとっては負担が大きく、3Dプリンターの活用を妨げる一因になっている。

 こうした実情を背景にオリックス・レンテックが2023年5月にリリースしたのが、3Dプリントの造形シミュレーションサービス「3D-FABs」だ。AI(人工知能)機能を搭載した無料のWebサービスで、手持ちの3D CADデータをアップロードするだけで造形姿勢の設定、サポート材の付き方、造形時の懸念点などをすぐに確認できる。シミュレーションで造形姿勢を決定して納期やオプションなどの条件を指定すると、概算費用を即時に出力する。3D-FABsで登録・設定した内容を基にオリックス・レンテックの受託造形サービスに正式見積もりを依頼したり、造形を発注したりすることも可能だ。

動画 「3D-FABs」の新規見積もり手順について

「いつでも、どこでも、何度でも」が3D-FABsの魅力

 「3D-FABsのリリースから約半年が経過しましたが、利用者数は当初の計画通り順調に伸びています」とオリックス・レンテック 事業戦略本部 事業開発部 3Dプリンター事業推進チーム 主任の渡邊正和氏は述べる。手元に3D CADデータさえあればすぐに概算費用を確認でき、想定している費用感との比較検討がしやすい点が好評だという。

オリックス・レンテック 事業戦略本部 事業開発部 3Dプリンター事業推進チーム 主任の渡邊正和氏
オリックス・レンテック 事業戦略本部 事業開発部 3Dプリンター事業推進チーム 主任の渡邊正和氏

 渡邊氏は「オンライン環境であれば時間や場所を問わず何度でも試算とシミュレーションができる、3D-FABsのコンセプトである『いつでも、どこでも、何度でも』という使い勝手の良さを高く評価いただいています。1日に10点以上もモデルを登録して、造形姿勢や個数などを変えながらお試しいただいている利用者もいます。有人チャットサポート(※注)も好評で、3Dプリンターで造形した後の加工や塗装など、3D-FABsでは試算できない要求や相談にもお応えしています」と手応えを語る。

※注:平日9時~17時で対応。営業時間内の問い合わせは数時間以内に返答いたします。

 3D-FABsの使い勝手の良さはリピート率にも現れており、特に正式見積もりを依頼した利用者のリピート率が高いという。その理由について渡邊氏は「正式見積もり依頼までのステップが簡単であることが一番の要因だと考えます。加えて、正式見積もりをご希望の場合は入力内容のままで即見積もりに進むのではなく、当社の担当者が直接お客さまとやりとりをしてから正式見積もりへと進みます。当社が受託造形サービスで培ってきた豊富な経験を基に、お客さまとの認識のギャップを埋めながら進めていけることもリピート率の高さにつながっていると自負しています」と分析する。

製造業の他、大学の研究機関などでも幅広く活用

 3D-FABsは自動車業界や航空宇宙業界からの利用が多く、試作や治具製作などに活用されている。最近では大学などの研究機関からの利用も増加しており、高密度造形のシミュレーションなど材料や形状を切り口とした最先端の研究開発に利用されている。「3D-FABsをリリースする際、産業分野だけでなく大学などの研究機関もターゲットとして想定していました。研究機関という高い要求値をお持ちの現場に活用いただき、研究開発のお役に立てることをうれしく思っています。われわれもさらに知見を広げて、業界全体で3Dプリンター活用を盛り上げていきたいと思っています」(渡邊氏)

 3D-FABsを利用して食品容器や梱包(こんぽう)資材の試作などを行っているケースも見られるなど、これまで3Dプリンターの活用をあまり検討してこなかった業界からの利用も増えつつあるという。

 製造業が直面している人材不足や技術伝承問題の解決策として、3Dプリンターや3Dスキャナーを活用したリバースエンジニアリングによる匠(たくみ)の技のデジタル化への関心も高まっている。「モノづくり現場のデジタル化の推進においても3D-FABsがお役に立てると考えています」と渡邊氏はアピールする。

「3D-FABs」で造形シミュレーションや試算ができる造形物の一例
「3D-FABs」で造形シミュレーションや試算ができる造形物の一例[クリックで拡大]

3Dプリンターをもっと身近なものとして普及させたい

 3Dプリンターによるモノづくりは単に3D CADデータがあればよいというわけではなく、装置と材料の組み合わせなど気を付けるべき点が幾つもある。

オリックス・レンテック 事業戦略本部 事業開発部 3Dプリンター事業推進チームリーダーの袴田友昭氏
オリックス・レンテック 事業戦略本部 事業開発部 3Dプリンター事業推進チームリーダーの袴田友昭氏

 オリックス・レンテック 事業戦略本部 事業開発部 3Dプリンター事業推進チームリーダーの袴田友昭氏は「期待通りの造形ができず3Dプリンターの活用を諦めてしまったという現場も多く見られます。3D-FABsは、3Dプリンター活用のハードルを下げるために造形可否判定を含めたレコメンド機能を搭載するなど、3Dプリンターで実際にモノづくりを行う際の注意点にまで踏み込んだサービスを提供しています。3Dプリンターをもっと身近なものとして普及させたいという思いの詰まったサービスだからこそ、3D-FABsは多くの利用者に支持されていると実感しています」と説明する。

 セキュリティの観点から3D CADデータを3D-FABsにアップロードすることに不安を感じるかもしれないが、そこは安心してほしい。オリックス・レンテックでは、自社基準の厳格なデータ管理に準拠し、3D CADデータの機密性を確保している。3D-FABsにアップロードされた3D CADデータは2週間で自動的に削除されるため信頼性も担保されている。

注目のBLTの金属3Dプリンターも利用可能

 3D-FABsでは6種類の3Dプリンターを使ったシミュレーションが可能だが、最近特に利用率が上がっているのがXi'an Bright Laser Technologies(以下、BLT)の金属3Dプリンターだ。

 BLTは中国の金属3Dプリンターメーカーで、大型造形が可能な金属3Dプリンターの開発を強みとしている。自社で380台(2024年1月時点)もの金属3Dプリンターを保有しており、最大造形サイズ1500×1500×1200mmの大型部品や量産部品など、年間1000社以上の出力サービス提供実績を誇る。アジアで唯一のエアバス認証AM(アディティブマニュファクチャリング)部品サプライヤーとしてエアバスの航空機部品の受託造形を担うなど、技術力と品質の高さにも定評がある。

 オリックス・レンテックはBLTの金属3Dプリンターの国内販売権を取得しており、販売/レンタルと保守サポートを提供している。現時点では、日本でBLTの装置を使った造形の試算ができるのは3D-FABsのみであり、スタンダードモデルの「BLT-S320」と大型造形が可能な「BLT-S400」の2機種でシミュレーションが可能だ。

 この2機種はどちらもエアバス認証を受けており、BLT-S320は最大造形サイズが250×250×400mm、積層厚が0.02~0.10mm。BLT-S400は最大造形サイズが400×250×400mm、積層厚が0.02~0.10mmとなっている。自動車業界や航空宇宙業界で求められる大型サイズの一体造形にも対応できるため、従来のダイカスト工法からの置き換えが可能だ。

 BLTの金属3Dプリンターを利用するメリットについて、袴田氏は「将来的にAMによる量産までしっかりと見据えているお客さまにとって、BLTの金属3Dプリンターはコスト面だけでなく装置、材料、作り方、その後の造形受託も含めたフルサポートを受けられる点で非常に有力な選択肢だと言えます。当社の技術チームも受託造形サービスなどで培ってきたノウハウを基に、お客さまのご要望に即した活用に向けて最後までしっかりとサポート致します」とアピールする。

BLTの金属3Dプリンターのスタンダードモデル「BLT-S320」
BLTの金属3Dプリンターのスタンダードモデル「BLT-S320」[クリックで拡大]

気軽な試行錯誤の積み重ねが次のステップに

 オリックス・レンテックは、利用者の声に耳を傾けてリリース後も機能強化やユーザーインタフェースの改善などを重ねて3D-FABsの使い勝手の良さを追求し続けている。その原動力は“3Dプリンターをもっと身近なものとして普及させたい”という思いだ。

 「実際にモノを作るところ(正式見積もり依頼)まで至らなくても構いません。ぜひ気軽に3D-FABsに触れていただき、3Dプリンターでモノを作るには何に気を付けなければいけないのか、どうすればうまく造形できるのかなど、ノウハウの獲得に役立てつつ3Dプリンター活用の方向性を見いだし、次のステップにつなげていただければと思います」(袴田氏)

 省力化、人手不足、サステナブルなモノづくりへの対応など、企業が3Dプリンターを活用すべき理由は多様化している。3Dプリンターの有用性は理解しつつも活用の一歩を踏み出せずにいるなら、まずは無料で「いつでも、どこでも、何度でも」シミュレーションと試算を繰り返せる3D-FABsの利用から始めてみるのがお勧めだ。さまざまなメーカーの3Dプリンターを取り扱うマルチベンダーとしての知見と、受託造形サービスで培ったオリックス・レンテックのノウハウが詰まった3D-FABsを利用することで、将来を見据えた3Dプリンター活用の道筋が開けるはずだ。


提供:オリックス・レンテック株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2024年3月4日

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