https://www.technologyreview.jp/n/2024/02/20/329807/?mc_cid=3fd4157886&mc_eid=7e177ffca1
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京都大学の研究チームは、光エネルギーを用いて、医薬品や機能性材料およびその合成中間体と知られている「ハロゲン化アルキル(アルカンが持つ水素が1個ハロゲンに置き換わった化合物)」を温和な条件で合成することに成功した。
ハロゲン化アルキルは、医薬品や機能性材料として我々の暮らしを支えている有機分子の一つである。研究チームは今回、光照射下、コバルト触媒、光酸化還元触媒と弱酸である「コリジンハロゲン化水素酸」を活用することで、従来法とは異なる方法でアルケン(炭素-炭素二重結合を持つ有機化合物)に水素とハロゲン原子を導入した。コリジンハロゲン化水素酸を変更することでフッ素からヨウ素まで網羅的に導入可能であるという。反応条件が温和になったことで、ハロゲン化アルキルの合成に必要であった保護・脱保護を省き、医薬品や機能性材料の迅速かつ高効率な合成に繋がることが期待される。
ハロゲン化アルキルを合成する方法として、アルケンにハロゲン化水素を付加させるヒドロハロゲン化反応が知られている。この反応では、ハロゲン化水素のもつ高い酸性度はアルケンのプロトン化に必須である一方で、酸性条件で分解してしまう官能基を共存させることができず、供給できるハロゲン化アルキルの骨格が制限されていた。
研究論文は、国際学術誌である米国化学会誌(Journal of the American Chemical Society)に2024年2月1日付けでオンライン掲載された。
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