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海外と比べて日本のウェブデザインが20年前から進歩していないように見えてしまう3つの理由とは? 2018年01月30日 20時00分

https://gigazine.net/news/20180130-japanese-web-design/

https://gigazine.net/news/20180130-japanese-web-design/


By PriceMinister

限りなく無駄を排除してシンプルな美を追い求めるような俳句やわびさびの考え方は世界的にも人気があり、また寺院に見られるような伝統建築や現代建築は世界中のデザイナーからも高い評価を得ています。しかし一方で、日本や中国、韓国のウェブデザインは世界的にそれほど注目されておらず、どころか日本のウェブデザインの多くは1998年頃から変わっていないようにも見えると、アジアの文化・デザイン・生活に焦点を当てるブログ「randomwire」を管理するDavid Gilbertさんが指摘しています。

Why Japanese Web Design Is So… Different
http://designmadeinjapan.com/magazine/web-design/why-japanese-web-design-is-so-different/


上記記事ではgoo楽天市場ニコニコ動画YOMIURI ONLINEなどが例に出され、日本のウェブページではテキストが密集し、低画質で小さい画像・大量のカラム・明るすぎる色合いや点滅する広告バナー・Flashのような時代遅れの技術を多用されていると指摘されています。さらになぜ日本のウェブデザインの多くがこうも海外と違って古くさいのかという問いに対して、おおまかに3つの理由が提示されています。

1.言語的な理由
Gilbertさんは「英語と日本語という2言語の大きな相違」を1つ目の理由に挙げています。日本で使われている漢字は表語文字と呼ばれ、1文字1文字にたくさんの意味が含まれています。そのため、日本語の文章には大量の情報がつめこまれていて、日本人ならば一見してすぐ理解できるのですが、欧米人にとってはごちゃついたデザインに見えてしまうとのこと。特に漢字は、アルファベットのように大文字・小文字や斜体字などの表現方法もなく、強調方法が限られているため、どうしても派手なフォントや文字画像を用いざるを得ないという事情も影響していると主張しています。

By matt smith

また、プログラミングやウェブ用の言語は英語話者や欧米の企業向けに設計されたものがほとんどで、その教材の多くが英語で書かれています。そのため、新しい技術が生まれても、教材が日本語に翻訳されて普及するまで、どうしてもタイムラグが発生してしまうというわけです。

2.文化的な理由
日本のウェブデザインが古くさくなりがちになってしまう第2の理由として、Gilbertさんは「日本と欧米の文化の差異」を挙げています。日本社会はリスクを忌避する傾向があり、一度でも前例ができてしまうと、他にもっといい方法があったとしても、前例と同じやり方に倣う場合が多く見られます。また日本の消費者も同様にリスクを忌避しがちで、文で書かれた商品の説明や仕様などを読むなど、とことん納得してから買う傾向にあると説明しています。

さらに、日本は狭いので、少しのスペースも無駄にしないという姿勢があるとGilbertさんは指摘しています。渋谷などの東京の中心地を歩いても分かる通り、日本の都市部には大きな看板や騒がしいパチンコ屋が所狭しと並んでいますが、同じような煩雑さが日本のウェブサイトにも反映されているとのこと。

By Emmanuel P.

そして、公式サイトのデザインや管理がすべてたった1人の「IT屋」に任されるという、欧米では既に前時代的となった運用方法が日本で当たり前のようにまかり通っているのも理由の1つに挙げられています。日本の求人サイトに「ウェブ担当募集」「ウェブ管理者募集」という求人が今でもよく見られるのがその証拠だとGilbertさんは主張しています。一方で日本のクリエイティブな人たちは自由な創作を求めて、大企業ではないどこかに行ってしまうとのこと。

3.技術的な理由
また、技術的な理由によって日本のウェブデザインは海外と違ってしまったとGilbertさんは指摘します。かつて日本では高性能の折り畳み式携帯電話が、PCよりも多く普及していました。折り畳み式携帯電話の小さな画面に表示するために、日本のウェブサイトは小さいスペースにコンテンツを詰め込むようなデザインを強いられ、その影響が今でも残っているというわけです。さらに日本の企業では旧式のWindowsなど時代遅れのものをいまだに使い続けていることが多いのも理由の1つとしています。

By yisris

一方でDavid Gilbertさんは、日本のウェブサイトにもデザインが優れて見やすく機能的な良いものもあるとして、ユニクロ無印良品を挙げており、日本の他のウェブサイトもこうした成功例に追随すべきだと主張しています。

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