2015年8月17日月曜日

がん細胞が『老化』する!?副作用も無いまぼろしの抗がん剤、登場の予感


超強力な抗がん剤として注目されていましたが、体への副作用も強すぎて実際には使われなかった「パクタマイシン」。今回、副作用が起こりにくく、がん細胞を老化させて殺す新たな抗がん剤として生まれ変わりました。

がん細胞が『老化』する!?副作用も無いまぼろしの抗がん剤、登場の予感

強すぎた抗がん剤

大腸がんなどの強力な抗がん剤として登場した『パクタマイシン』
しかし、がん細胞を攻撃できる代わりに、健康な細胞へのダメージ(副作用)も大きく、実際に使われることはありませんでした。

アメリカ・オレゴン大学の研究グループは、このパクタマイシンを「アナログ(似ているけれど違う・類似体)」に作り替え、抗がん剤として使えるようにしました。

がんを眠らせる

もともとのパクタマイシンは、「タンパク質の合成を邪魔する」という働きを持っていました。そのおかげでがん細胞は増えることが出来なくなるのですが、普通の細胞まで一緒に死んでしまうのです。

今回開発されたアナログは、「がん細胞を殺す」のではなく、「がん細胞を老化させる」というものです。
老化したがん細胞は死ぬわけではありませんが、それ以上する成長ことも、他に転移することもありません。成長が止まれば、そこから慎重に外科手術などの計画を立てることが出来ます
研究グループは
「がん細胞を殺すのではなく、眠らせる薬だ」
と説明しています。

アナログには、細胞に対するダメージが少ないので、今までのような副作用や、抗がん剤を使い続けるうちに効かなくなってしまう『薬剤耐性』も起こりにくいといわれています。

今後の課題は、アナログ・パクタマイシンを正確にがんの腫瘍まで届けること。
新技術とのタッグも期待されています。


0 コメント:

コメントを投稿